マンガンは岩石や土壌、海水など地球上に広く分布する微量ミネラルの1つで、成人の体内に約10~20mg程度存在しています。
体内で合成することが出来ない必須ミネラルのため、食べ物から摂取する必要があります。
炭水化物(糖質)、タンパク質、脂質の代謝に関わる酵素の構成成分となり、エネルギー産生に関わるほか、抗酸化酵素SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)の構成成分として活性酸素から体を守る
酵素の構成成分になるほか、代謝に重要な多くの酵素を活性化する
カルシウムやリンとともに骨を形成する。骨の石灰化を促すため、骨粗しょう症予防にも効果がある
インスリンの生成を促し、血糖値のコントロールに関与する
栗、アーモンド、大豆、くるみ、ゴマ、ヘーゼルナッツ、納豆、しょうが、精白米、玄米 など
18歳以上の1日の目安量(良好な栄養状態を維持するのに十分な量)
男性 | 女性 |
4.0mg | 3.5mg |
通常、食べ物によって過剰摂取になることはありませんが、マンガンの吸収は鉄と拮抗する(打ち消し合ってしまう)ため、過剰に摂取することで鉄の吸収を阻害してしまう恐れがあります。
なお、過剰摂取の大部分は鉱山や工場でマンガン粉じんを長期間にわたって吸い込み、気道から経皮的に摂取したケースなどです。この場合、精神障害やパーキンソン病のような中枢神経の障害、マンガン肺炎(マンガン粉じんを吸入することで肺が炎症を起こす)などを引き起こすことがあります。
穀物など植物性の食べ物から摂取することができるため、通常の食事で不足することはほとんどありません。不足した場合には、骨格異常や糖質・脂質の代謝異常、生殖機能低下などを引き起こすことがあります。
通常の食生活を送っていれば過不足しない栄養素であっても、私たちの健康を守るために大切な役割を果たしています。健康管理士一般指導員の通信講座では、マンガンをはじめとした栄養素と健康の関わりについて詳しく学ぶことができます。興味がありましたら、ぜひ勉強してみてください。