脳のエネルギーのもとになる 「炭水化物(糖質)」

脳のエネルギーのもとになる 「炭水化物(糖質)」

炭水化物(糖質)の特徴

エネルギー源になる

おもにエネルギー源として体内で利用される炭水化物は、人の体内にはわずかしか含まれないため、穀類やいも類など植物に含まれるデンプンなどの炭水化物をエネルギー源として摂取し、利用しています。 脂質に比べて消化・吸収が早く、即効性があるのが特徴です。

グリコーゲンとなる

エネルギーとして使われなかった血液中の余分なブドウ糖は、肝臓や筋肉でグリコーゲンに変化して貯蔵されます。グリコーゲンは体内のエネルギーが少なくなると、エネルギー源として使われます。

中性脂肪となる

貯蔵しきれなかったブドウ糖やその他の糖類は、脂肪組織に運ばれ、中性脂肪に変えられて蓄積されます。

炭水化物(糖質)を多く含む食べ物

穀類(ごはん・パン・めん)100g中には60~70g、いも類には10~30g、他には果物などに多く含まれます。

炭水化物(糖質)の種類

人の消化酵素で消化される「炭水化物(糖質)」と、消化されない「食物繊維」を合わせて炭水化物(糖質)といいます。 糖質は単糖、少糖、多糖に分類され、それぞれの働きをしています。

  • 単糖・・・1個の糖からなり、糖質を構成している最小単位。 ブドウ糖や果糖などがあります。
  • 少糖・・・単糖が2個~10個結合したもので、結合数によってニ糖類、三糖類などと呼ばれます。
  • 多糖・・・単糖が数千、数百万と多数結合した糖類で、デンプンやグリコーゲンなどがあります。
<単糖類>種類 特徴
ブドウ糖 脳や体を動かすエネルギー源。
穀類や果物や根菜類に多い。
果糖 果物や花の蜜に多い。
糖類の中で最も甘く、消化・吸収が早い。
ガラクトース 乳汁に多く含まれる。
<少糖類>種類 特徴
二糖類 麦芽糖 ブドウ糖+ブドウ糖
麦芽や水あめに多く含まれる。
ショ糖 ブドウ糖+果糖
砂糖の主成分で、さとうきびやてんさいに含まれる。
乳糖 ブドウ糖+ガラクトース
母乳や牛乳に含まれる。
オリゴ糖 単糖が結合したもので、人工甘味料に含まれる。
<多糖類>種類 特徴
デンプン 穀類・いも類・豆類などに多く含まれる。
グリコーゲン 動物の肝臓や筋肉に含まれる。

炭水化物(糖質)を取り過ぎると?

炭水化物(糖質)を取り過ぎると下記のような症状が現れるおそれがあります。

  • 肥満
  • 脂質異常症
  • 動脈硬化
  • 糖尿病 など

炭水化物(糖質)が不足すると?

炭水化物(糖質)が不足すると下記のような症状が現れるおそれがあります。

脳がエネルギー不足になる

炭水化物(糖質)を取らない状態が続くと、脳がエネルギー不足になり、機能障害や、思考力の低下を起こしてしまうことがあります。
「朝食を食べないと脳が起きない」というのはこのためです。

疲れやすくなる

炭水化物(糖質)の不足状態が続くと、体内のタンパク質を分解してブドウ糖を合成しようとするので、やる気が起きない、疲れやすくなるといった症状があらわれたり、筋肉の減少、病気に対する抵抗力も弱まります。

炭水化物(糖質)の上手な取り方

体内で炭水化物(糖質)がエネルギーに変わる時には、ビタミンB1が必要です。 夏バテの原因の一つは、甘いジュースやアイス、果物などで炭水化物(糖質)をたくさん取るのに、食欲が落ちて食事がおろそかになり、ビタミンB1が足りなくなるためだと考えられています。

炭水化物(糖質)を取る際は、ビタミンB1も一緒に取ると、効率よくエネルギーを産生します。炭水化物(糖質)を多く取るほど、ビタミンB1は必要になります。

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著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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