体をつくるもとになる 「タンパク質」

体をつくるもとになる 「タンパク質」

タンパク質の特徴

体をつくるもとになる

タンパク質は、私たちの体をつくる大切な栄養素です。皮膚、筋肉、臓器、血液、髪の毛、爪、骨などの構成成分になったり、ホルモンや酵素、神経伝達物質、抗体などの原料になります。

エネルギー源になる

炭水化物が不足した時に、1g当たり4kcalのエネルギーを供給します。

タンパク質を多く含む食べ物

肉類、魚介類、卵、大豆・大豆製品、乳製品などに多く含まれます。

タンパク質を多く含む食べ物

タンパク質を取り過ぎると?

タンパク質を取り過ぎると下記のような症状が現れるおそれがあります。

腎機能障害

タンパク質は、炭水化物や脂質のように体内に蓄えることができないため、取り過ぎた分は尿とともに体外に排せつされます。このため、取り過ぎが続くと、尿をつくっている腎臓に負担をかけてしまいます。

腸内環境の悪化

動物性タンパク質や脂質は、悪玉菌のエサとなり腸内環境を悪くするため、便秘や下痢を起こすことがあります。

骨粗しょう症

カルシウム排せつ量の増加のため骨量が減ってしまいます。

タンパク質をつくるアミノ酸

自然界には多くのアミノ酸が存在していますが、タンパク質の構成成分として利用されるのはわずか20種類しかありません。このうち9種類は体内で合成することができないので、食べ物から摂取しなければなりません。この9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」と呼びます。食べ物の中に必須アミノ酸が1つでも不足していると、タンパク質としての栄養的価値が下がります。

必須アミノ酸の種類と働き

種類 働き 多く含む食品
イソロイシン 成長促進、筋力強化
神経機能や肝機能を高める
鶏肉、鮭、牛乳、チーズ
ロイシン 肝機能を高める、筋力強化 牛肉、レバー、ハム、牛乳、チーズ
リジン 体組織の修復、代謝の促進 魚介類、大豆製品、肉類、牛乳、レバー、卵
メチオニン 抑うつ症状改善
ヒスタミンの血中濃度低下
牛肉、羊肉、レバー、牛乳、魚介類、卵
フェニルアラニン 鎮痛作用、抗うつ作用 肉類、魚介類、大豆製品、卵、そば、チーズ、種実類
トレオニン 脂肪肝予防、成長促進 卵、スキムミルク、ゼラチン
トリプトファン 精神安定、鎮痛・催眠効果 牛乳、チーズ、大豆製品、レバー、卵、種実類
バリン 血中窒素バランスンの調整整、
肝機能の改善、筋肉強化
チーズ、レバー、海藻類
ヒスチジン 成長促進、神経機能のサポート 鶏肉、魚介類

食事がおろそかになるとタンパク質がエネルギーに変わりにくくなる?

体内でタンパク質がエネルギーに変わる時には、ビタミンB6が必要です。ところが、 夏バテで食欲が落ちて食事がおろそかになると、タンパク質だけでなく糖質やビタミンB1なども不足し、エネルギー産生が円滑に行わなくなってしまいます。そのため、夏バテ予防のためにもタンパク質と一緒に「糖質やビタミンB1」を意識して取りましょう。

必須アミノ酸の上手な取り方

一般に、タンパク質源となる肉類・魚介類・卵・大豆製品・乳製品などにはアミノ酸がバランスよく含まれています。穀類ではリジンが不足していますが、リジンが豊富な動物性食品と一緒に取ることで、栄養価が高まります。

バランスの良い食事

このように、主食・主菜・副菜をそろえて、多様な食品を組み合わせて食べることで、バランスの良い食事をとることができます。

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著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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