カリウムは成人の体内に約120~200g含まれ、主に細胞内に存在しています。また、水に溶ける性質をもっています。
細胞外に多いナトリウムとともに、細胞内外の水分調節や細胞の浸透圧を調整しています。安定した状態に維持することで、細胞は正常に機能することができます。
体内で過剰になったナトリウムを、尿や汗と一緒に体外へ排出するのを促進する働きがあります。そのため、血圧を下げて高血圧を予防する効果が期待されています。
むくみは、体内の水分の巡りが悪くなり、細胞と細胞の間に水分が溜まることで起こります。また、塩分の摂りすぎによって血液中のナトリウム濃度が高まると、濃度を薄めるためにたくさんの水分が必要となります。その結果、血液中の水分が増えることで、血管から水分がにじみ出て、むくみが起こります。塩分を摂りすぎた時は、カリウムを摂取することで余分なナトリウムが体外へ排出され、むくみ解消へとつながります。
そのほか、酵素の反応を調節する働きや神経刺激の伝達、心臓機能や筋肉機能の調整作用などがあります。
野菜や果物、いも類、豆類、キノコ類、海藻類などに多く含まれます。特に、ドライフルーツや干しいもなど水分が少ない食べ物に多く含まれています。
18歳以上の1日の目標量(生活習慣病予防を目的とした1日の目安量)
男性 | 女性 |
3,000mg | 2,600mg |
※日本人の食事摂取基準(2020年版)
尿中に排せつされるため、通常の食事ではカリウムが過剰になることはありません。腎臓の機能が低下している場合やサプリメントなどの過剰摂取により高カリウム血症を引き起こし、下記のような症状が現れる場合があります。
人工透析を行っている場合など、腎臓に障害がある場合には、医師より摂取量を制限される場合があります。
下痢、嘔吐、利尿剤の長期服用などにより、カリウム排せつ量が増えることで低カリウム血症を起こし下記のような症状が現れる場合があります。
カリウムは水溶性のため、茹でたり煮たりすることで水に溶け出してしまいます。そのため、煮汁も一緒に摂ることで効率よく摂取することができます。また、生野菜や果物から摂ることで効率よく摂取することができます。
いかがでしたか。カリウムは、高血圧予防やむくみ解消、細胞・神経・筋力が正常に機能するために重要な働きをしていますが、カリウム制限がある場合には、摂りすぎないように注意しましょう。
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