カルシウム(Ca)

カルシウム(Ca)

カルシウムは体内に最も多く存在するミネラルで、成人の体重の約1~2%を占めています。
このうち、99%は骨や歯の硬い組織に、残りの1%は、血液、筋肉、神経、酵素などに存在しています。

カルシウムの主な生理作用

骨や歯の形成

骨や歯の主要な構成成分として存在しています。

 

血液凝固

血液凝固因子の1つとして働き、血液を固まらせる働きがあります。

 

筋肉の収縮

筋肉細胞内のカルシウム濃度が上昇すると、筋肉の収縮が起こります。

 

神経の興奮抑制

脳や細胞において神経伝達の役割を担っており、神経の興奮を抑制する働きがあります。

 

カルシウムを多く含む食品

乳製品、煮干し、干しえび、小松菜、ほうれん草、ひじき など

1日の推奨量(ほとんどの人が必要量を満たす1日の目安量)

年齢 1日の推奨量(男性) 1日の推奨量(女性)
18~29歳 800mg 650mg
30~74歳 750mg 650mg
75歳以上 700mg 600mg

日本人の食事摂取基準(2020年版)

 

 

摂りすぎると?

カルシウムは、摂りすぎても尿とともに排せつされるので、それほど心配する必要はありません。しかし、サプリメントなどで過剰に摂りすぎると、腎結石(尿の中に含まれているシュウ酸などの濃度が高くなり、カルシウムと結合して結晶化し、大きくなったもの)や動脈の石灰化(血管が石のように硬くなったもの)、それによる高血圧などがみられます。

 

不足すると?

カルシウムが不足すると、骨密度が低下し、骨折しやすくなったり骨粗しょう症のリスクが高まったりします。また、慢性的にカルシウム不足が続くと肩こりや腰痛、イライラするといった神経過敏な状態になることがあります。

 

カルシウムを効率よく摂取するために

カルシウムの吸収を促進するもの

カルシウムの吸収率は低く、小魚で約30%、野菜で約20%です。それに対し、牛乳・乳製品は約40%と吸収率が高いため、効率良くカルシウムを摂ることができます。
また、カルシウムの吸収を促す働きがあるビタミンDを多く含む食材と同時に摂取すると、吸収率が高まります。

骨のビタミン「ビタミンD」

 

カルシウムの吸収を抑制するもの

野菜に含まれるシュウ酸や、穀類や豆類に含まれるフィチン酸、食物繊維は、カルシウムの吸収を妨げるため、摂りすぎに気をつけましょう。また、リンはカルシウムやマグネシウムとともに骨や歯の形成に関わっていますが、摂りすぎてしまうとカルシウムの吸収を阻害してしまいます。カルシウムとリンの摂取割合は1:1~1:2程度が理想とされています。

リン(P)
マグネシウム(Mg)
生活習慣病を予防する 「食物繊維」

いかがでしたか。骨密度は20歳前後をピークに減少していくため、強い骨を維持するためには、生涯を通してカルシウムを意識して摂取するようにしましょう。

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著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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