ライフステージ別食育:思春期(12歳〜17歳)

ライフステージ別食育:思春期(12歳〜17歳)

思春期の特徴

思春期(12~17歳)は、第二次性徴の時期であり、必要なエネルギー量が最も高い時期です。この時期に栄養素の不足や偏りなどで発育が抑制されると、将来の健康にも悪影響を与えかねません。また、生活習慣が自立するようになり、自ら選んで食事をする機会も増えます。運動量は個人差が大きいため、活動量に合ったエネルギー量を摂取するようにします。この時期の目標は、正しい生活習慣を実行していくことです。

思春期の問題点と対策

食習慣の乱れ

思春期は生活習慣の自立により、保護者から離れて自ら選んで食事をする機会が増え、簡便な食事や好みの食事中心になりやすくなります。

この時期は、一人で食べる孤食も増えやすいですが、できるだけ家族や仲間と楽しい食事ができるよう配慮し、正しい食の知識とそれを実行できる力を身に付けることが必要です。

必要な栄養素

思春期は、必要エネルギー量が最も多い時期です。学校給食でこれまで補えていた栄養素も、給食がなくなることで不足しやすくなります。

そのため、バランスのよい食事を規則正しく取り、特にカルシウムやタンパク質、ビタミン、鉄など不足しないよう十分に摂取しましょう。

痩身志向

思春期は特に、女子において痩身志向がみられる時期です。女子は思春期になると自然な発育・発達による体の変化を受け入れられず、「やせている」というボディイメージを求めて食事量を減らしたり、欠食をしてしまいます。必要以上に食事の制限をすることによって、体重の減少だけでなく、必要な栄養素が不足し、貧血や体力低下、食欲不振、月経異常を引き起こすこともあります。

間違ったダイエットの危険性を知り、からだの発達に見合ったバランスの良い食事をきちんととって、健康なからだと心を育てましょう。

貧血

思春期は、著しい体位の向上や女子の場合は月経のため、体内の鉄が不足しやすく、生理的に貧血状態になりやすい原因としては、欠食や偏食、食欲不振などによって、鉄の摂取量が不足することなどが考えられます。

貧血を予防するために、1日3回の食事を規則正しく、鉄の多い食品を取ることを心掛けましょう。。

思春期の具体的な取り組み

  • 朝食をしっかり食べる
  • 十分な睡眠と3回の食事をバランス良く取り、規則正しい生活リズムをつくる
  • 一緒に食事をする家族や友達を気遣い、楽しく食べる
  • 健康と食生活の関係を理解し、栄養が偏らないようにする
  • 食事づくりや食事の準備を進んでする
  • 食べ物を大切にし、食べ残しを減らす
  • 進学や就職などに備えて、簡単な調理法や食の安全について学ぶ
  • 噛むことの大切さを理解し、歯の健康に関心を持つ

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著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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