鉄は、体の中に3~4g存在して、赤血球に含まれるヘモグロビン(Hb)の材料となるミネラルです。
ヘモグロビンは、グロビンというタンパク質と鉄が結合した物で、主に酸素を運搬する役割を担っています。呼吸によって体内に吸い込んだ酸素は肺でヘモグロビンと結びつき、心臓から動脈を経て体の隅々に酸素を運ぶ重要な働きをしています。
→詳しくは鉄(Fe)をご覧ください。
体内の鉄が不足するとヘモグロビンをつくることができず、酸素の運搬や老廃物である二酸化炭素の回収が滞ってしまいます。すると全身の組織が酸欠状態になったり、二酸化炭素がたまったりして疲れやだるさ、肩こり、動悸や息切れ、めまい、頭痛が現れます。
さらに、鉄不足はシミやシワ、抜け毛など美容への影響もあります。
「日本人の食事摂取基準」によると、1日に必要な鉄の摂取量は、成人男性で7.0〜7.5㎎、成人女性で6.0〜6.5㎎とされています。鉄は体内で合成できないミネラルであるため、食事からの摂取が大切です。
鉄には、主に肉や魚などの動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と植物性食品や卵、乳製品に含まれる「非ヘム鉄」の2種類があります。
ヘム鉄は体内への吸収率が高く、非ヘム鉄は吸収率が低いという違いがあり、非ヘム鉄は良質なタンパク質やビタミンCを多く含む食品と一緒に摂取することで、体内への吸収率がアップします。
食品の組み合わせて鉄を効果的に吸収することが大切です。
赤身の肉(ヒレ肉、モモ肉など)、赤身の魚(マグロ、カツオなど)、レバーなど
小松菜、ほうれん草、大根の葉、納豆、厚揚げなど
パプリカ、キャベツ、ニラ、ジャガイモ、レモン、イチゴなど