今年は多くの地域で桜が早く開花し、お花見はこれから!という地域は北の一部地域を残すのみとなりましたね。
いつもよりも少し早く春を実感することとなりましたが、みなさん、春の味覚はもう食べましたか?
タケノコやタラの芽、菜の花など、さまざまな食材がありますが、「野山のめぐみ」を春が旬の食材として思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
今回は、山野のめぐみである「ふきのとう」についてご紹介します。
「ふきのとう」は、キク科フキ属の多年草である「フキ」の花茎部分を言います。
花が咲いた後に地下茎から伸びる葉の部分が、私たちがよく知る「フキ」です。
寒さが和らいでくると土の中から顔を出し、道端や公園、川の土手などでも見かけることができる、とても身近な植物です。
ふきのとうには、抗酸化作用が強く、若返りのビタミンとも呼ばれるビタミンEのほか、ビタミンK、カルシウム、マグネシウム、鉄、葉酸、カリウム、食物繊維などが、バランスよく含まれています。
また、フキにはフキ独自に持つポリフェノール「フキノール酸」「フキ酸」のほか、「ジカフェオイルキナ酸」というポリフェノールが含まれています。
「フキノール酸」は咳止めの薬にも使用されている成分です。
さらに、フキの香りの元ともなっている「フキノリド」という成分には、胃腸の働きを活発にする効果があり、天然の胃薬とも言われるそう。
昔の人がフキやふきのとうを食べてきた理由には、こういった効能もあったのかもしれませんね。
ふきには、「ピロリジンアルカロイド類」という、苦味成分でもある天然毒素が含まれており、肝障害の原因になると言われています。
この成分は水溶性なので、しっかりとあく抜きの下処理を施すことで、その成分を大きく減らすことができるそう。
大量に食べたりしない限り、健康へ与える影響は小さいと考えられています。おいしいからといって、食べ過ぎないように注意が必要です。
はじめに、根元が黒ずんでいればその部分を切り落とし、茶色くなった外葉があれば取り除きましょう。
たっぷりのお湯に塩を加え、約3分茹でます。その後流水で冷やし、ときどき水を替えて1~2時間ほど水にさらします。
ペーパータオルなどを使用して、しっかりと水気をしぼり、さまざまな料理に使います。
ふきのとうに含まれているビタミンEは脂溶性ビタミンであるため、炒めものにしてバターなど油脂と一緒に摂取すると吸収率がアップします。また、ふきのとう特有の苦みも炒めることによって抑えられるのでぴったりのレシピです!