学ぼう!洋食のマナー⑤ イタリアンとフレンチの違い VOL.3

学ぼう!洋食のマナー⑤ イタリアンとフレンチの違い VOL.3

イタリアンとフレンチの違い VOL.2 では、コースの順番と意味などからアプローチしました。

いよいよ今回は、イタリア料理のコースをいただく時のマナーをフランス料理と違う部分をピックアップしながら紹介いたします。

以前のコラムでご紹介した 学ぼう! 洋食のマナー ~座り方・ナプキン編~、~ナイフとフォーク・料理編~ はこちらからご確認ください。

イタリアンとフレンチ

イタリアンとフレンチのマナーで異なるポイント

テーブルセッティング

フレンチの場合は、テーブルセッティングで用意されているカトラリーを外側から順に使えば問題ありません。

-テーブルセッティングの基本形-テーブルセッティングの基本形

イタリアンの場合、テーブルセッティングでセットされている時は、フレンチと同じように外側から順に使いましょう。

ナイフとフォークを置く”箸置き”の役割を果たしてくれる”ナイフレスト”が用意されている時は、一つの食事ごとにナイフとフォークを変えず、一式を使い続けるという場合が多いようです。

ナイフレストを利用する時は、一皿食べ終わるごとにフォークを左側、ナイフは歯を内側に向けて右側に置くようにしましょう。

ナイフレストを利用する時

ナイフとフォークの使い方

どちらもナイフとフォークを持つ時の基本形は、ナイフは右手、フォークは左手に持つようにします。
しかし、フォークの使い方に違いがあるので、注意が必要です。

フレンチではフォークの背に料理をのせることはマナー違反とされていますが、イタリアンではフォークの背に料理をのせて食べることが基本です。また、フレンチではフォークを右手に持ちかえてもよしとされていますが、イタリアンではパスタを食べる時以外にフォークを右手に持ちかえて食べるのはマナー違反となるのでよく覚えておきましょう。

スープの飲み方

フレンチは、スプーンを奥から手前に動かしてスープをすくい、少なくなったスープは皿の奥を少し浮かせてすくってから飲むのがマナーです。

イタリアンでは、スプーンを手前から奥に動かしてスープをすくい、少なくなったスープは皿の手前を少し浮かせてすくってから飲むのがマナーになっています。すくい方が逆なのでそれぞれ間違わないように気を付けましょう。

カップに入っているスープの場合はカップを手にとって飲んで大丈夫です。
いずれの場合もスープは音を立てないで飲むのが基本です。

スープの飲み方

パンの食べ方

フレンチでは、パンをお皿の上に取ったら、そのパンを一口大のサイズにちぎってからいただきます。バターなどを塗る際は、お皿の上で塗るようにしましょう。

イタリアンでは、パンの種類にもよりますが、オリーブオイルにつけて食べることが多いようです。お好みでオリーブオイルの入ったお皿に塩や胡椒をかけることもありますが、その場合はちぎったパンをお皿のオリーブオイルにつけて食べるようにしましょう。

どちらの時も、パンはちぎった所が見えないように下にしておくのがマナーなので忘れないようにしましょう。

パンの食べ方

食べ終わりの合図

お料理の途中でナイフとフォークを置く場合は「ハの字」にすることは、イタリアンでもフレンチでも共通のマナーですが、食べ終わった時の置き方が違うので正しく覚えておく必要があります。

フレンチでは、ナイフとフォークをお皿の真ん中より右側に、横に揃えて置きます。

イタリアンでは、ナイフとフォークをお皿の真ん中より下側に、縦に揃えて置きます。

食べ終わりの合図

イタリアンだけで出ることが多いお料理の場合

パスタの食べ方

ご存知の方も多いと思いますが、イタリアンの正式なマナーでは、パスタを食べる時スプーンを使うのはマナー違反です。
スプーンとフォークの両方を使うのは、イタリアでは子どもの食べ方とされているので注意が必要です!

慣れないとフォークだけで食べるのは難しいと思うかもしれませんが、上手に食べるコツは欲張らず少量をとることです。フォークでパスタを少量とり、お皿の隅の丸みを利用してくるくる巻き付ければきれいに一口分になります!巻きつけやすいようにお皿の上にすこし空間をつくっておくのがポイントです。

具はフォークで刺して食べれば問題ありません。すすったり、途中で噛み切ったりするのはマナー違反なのでやらないように気を付けましょう!
例外として、スープやソースの多いパスタではスプーンを使っても構いませんので、覚えておくと便利です。

パスタの食べ方

貝殻がある場合

ボンゴレなど貝殻がある料理の場合は、手を使っても特に問題はありません。右利きの人の場合、左手で貝を押さえ、右手のフォークでかき出します。汚れたらおしぼりやナプキンで拭きましょう。

但し一度にすべての貝殻を外してしまうのは良いマナーとは言えません。食べる時に一つずつ外してから食べるようにしましょう。

貝殻のある場合

ピザの食べ方

ピザは、カジュアルなお店の場合は手で食べても問題ありませんが、フォーマルなお店ではナイフとフォークを使って食べるのが正しいマナーです。

ナイフとフォークを使った場合のピザの基本の食べ方を紹介しておきましょう。

薄めのピザの場合
  1. ホールサイズのピザは、1/8などにカットします。
  2. ナイフでピザの生地を押さえながら、フォークで三角形の先端の尖ったところをめくりあげてから丸めます。
  3. 丸めた先端をナイフで押さえて、フォークでめくり上げるようにして巻き込み、更に耳まで完全に巻き込みます。
  4. 耳まで巻いたピザを一口で食べやすい大きさに切ってからいただきます。

薄めのピザの場合

厚めのピザの場合

1/8などにカットしたピザを、下図の点線を参考に、尖った方から食べやすい大きさにカットします。
耳だけが残らないようにカットしていただきましょう。

厚めのピザの場合

なかなかフルコースディナーでピザを食べることはないかもしれませんが、いざという時のために覚えておくといいでしょう。

リゾット・ラザニアの食べ方

リゾット

リゾットはスプーンで食べたくなりますが、フォークで食べるのが正しいマナーです。フォークの隙間から落ちるようなものはリゾットとは呼べないと言われているくらいなので安心してフォークでいただきましょう。

実際に試してみるとフォークの方が食べやすいと納得できるはずです。

リゾットの食べ方

ラザニア

ラザニアの場合は、食べる分を最初に切り分けて、小皿に取り分けてからいただくのがスマートです。
あくまでもイタリアンではスプーンはスープやデザートのために使うものだと覚えておきましょう。

イタリア人は猫舌の人が多いようで、リゾットなどは熱々のままで食べず、フォークでお皿いっぱいに広げて冷ましてから食べるのが一般的だそうです。日本ではあまり見られない光景ですね。

 

以上、3回にわたって「洋食のマナー ~イタリアンとフレンチの違い~」を紹介してきました。
これで、フルコースディナーのお誘いを受けても安心してお出かけできそうですね!

次回は、せっかく覚えたマナーを披露するためにも、お店を予約する時のコツなどを紹介する予定です。

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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