胃には、強い酸性をもつ胃液が分泌されています。
その胃液が逆流しないように蓋の役割をしているのが胃の入り口である噴門で、噴門部の筋肉が、下部食道括約筋です。
食道は胃液への耐性が弱いため、下部食道括約筋が、食道粘膜が損傷しないように、食道と胃の繋がる噴門部を閉めてくれています。
逆流性食道炎とは、噴門の締りがなんらかにより緩くなってしまったことにより、胃酸が食道へ逆流し、食道粘膜が炎症を起こし、ただれてしまう病気です。
加齢、ストレス、肥満、食事などさまざまな事が原因で発症するのですが、放って置くとガンの原因になる可能性もありますので、疑いがある場合は、早めに専門の医療機関に見てもらいましょう!
逆流性食道炎は、強い酸性をもつ胃液が逆流することにより、食道粘膜がただれてしまう病気ですが、それほどの胃液で、なぜ胃粘膜は傷つけられないのでしょうか?
胃液は、おもに「胃酸」、「ペプシノーゲン」、「粘液」の3つの成分からなり、この3つの成分が消化と殺菌のために重要な働きをしています。
この中の粘液は胃腺から分泌され、胃粘膜の表面に「粘液層」というベールのような保護膜をつくっています。
粘液層にはアルカリ性の成分があるため、塩酸を中和させる働きがあります。
粘液層は薄い層ですが、胃粘膜の表面付近の胃液を中性に保っているため、胃粘膜はただれることがないのです。
胃粘膜にある「壁細胞」から分泌される。
強力な酸で、食べものの消化と侵入した細菌を殺菌する。
主に胃粘膜にある「主細胞」から分泌される。
胃酸(塩酸)と混ざりタンパク質を分解する「ペプシン」という消化酵素になる。
胃粘膜の「副細胞」「粘膜上皮細胞」から分泌される。
胃の粘膜が胃酸やペプシンで消化されないように胃の粘膜を薄い膜で覆っている。
逆流性食道炎の代表的な症状は、むねやけです。
そのほかにも、いろいろな症状を感じることがあります。
下記の症状が当てはまる方は注意が必要です。
みぞおちの辺りから胸の下のほうへかけて、焼けつく、あるいは、熱くなるような不快感。のどのほうまで上がってくる感じがあり、痛みをともなう場合も。
酸味のある胃液が口の中にまで逆流する症状。酷い場合には、胃液と一緒に食べたものを嘔吐する事も。
寝ても起きても何を食べても何回も出てしまい、徐々に苦しくなる。
食道への刺激が強い場合は、胸がしめつけられるような痛みを感じる。
胃のなかの食べものを消化したり腸に送りだす動きが弱く、食べものがいつまでも胃に残ってしまい、重苦しい胃もたれを感じる。
逆流した胃酸によりのどに炎症が起き、痛みや違和感を感じる。声がかすれたりすることもある。
逆流した胃酸を気管に吸いこんで咳きこみ、しつこく咳が続く。酷くなると気管支が炎症を起こすことも。
食道への刺激がときには耳の痛みとしても感じられる。
食事のときに飲み込んだ空気や、サイダーなどの炭酸飲料やビールなどの炭酸は、胃の上部に有る胃底部にたまります。
たまった空気が一定量に達すると、胃の収縮により噴門が開き、口から排出されます。これがゲップの正体です。
胃に入った空気が、逆もどりして口からでたのが「ゲップ」。
胃を通りすぎて、腸内で発生したガスといっしょになっておしりからでるのが「おなら」です。
ゲップの主な原因として、
などが上げられます。
ゲップが頻繁に出たり、一度出たら止まりにくい場合などは、病気が隠れていることがあるので、心当たりのある生活習慣の原因を追及し、改善しましょう。
逆流性食道炎は、胃に入った食べものが食道へ逆流することによって起こるものですが、その逆流はどうして起きてしまうのでしょうか?
加齢により、胃から食道への逆流を防いでいる下部食道括約筋の機能が低下したり、食道のぜん動運動(消化管が筋肉の収縮により口から食べたものを肛門側へ運搬していく運動)や、唾液の量なども少なくなるため、逆流した胃液を胃に戻すことができなくなる。
過食・アルコール・喫煙・高タンパク食、高脂肪食、コーヒーや緑茶の飲みすぎなどにより、下部食道括約筋の一時的なゆるみと胃酸の分泌が増加する。
ストレスにより、食道が過敏になる。
前かがみの姿勢、肥満、重い荷物を持ち上げる作業、下着やベルトなどの締めすぎなどによって、腹圧があがることで胃の中の圧力が上昇する。
逆流性食道炎は、日常生活を見直す事で予防することや、症状が悪化していない場合は、治療することが可能です。
消化が良く刺激の少ない食事を心がけ、食べ過ぎ、飲みすぎは控え、ゆっくり食べて、肥満に気を付けましょう。
また、食後すぐに横になると胃酸が逆流しやすくなるので、1~2時間は横にならないようにすることも大切です。
胃に優しいものは糖分や脂肪分、刺激物などが少ない食材で、咀嚼しやすいもので、具体的には、豆腐や白身魚、鳥のササミ、おかゆ・雑炊、バナナ、りんごなどです。
栄養素 | 作用 | 主な食材 |
---|---|---|
ビタミンU (キャベジン) |
胃酸の分泌を抑え、胃粘膜を保護する | キャベツ、アスパラガス、パセリ、レタス、たまご、牛乳、青海苔 |
β-カロテン | 胃の粘膜を正常に保つ、 炎症や潰瘍を修復する |
かぼちゃ、にんじん、モロヘイヤ、あしたば、春菊、ほうれん草、小松菜 |
マグネシウム | 胃酸を中和する | 干し海老、カキ、はまぐり、にぼし、納豆、油揚げ、ほうれん草、アーモンド、ひじき、わかめ |
亜鉛 | 胃潰瘍や胃の炎症を予防 | カキ、牛肉、レバー、納豆、豆腐、そば、ゴマ、緑茶、カシューナッツ、アーモンド、卵黄、チーズ |
お腹を圧迫させない適度な運動は、予防にも再発防止にも効果的です。
適度に運動をすると、腸の蠕動運動が活発になり、消化を促進するので胃酸の分泌を抑える事ができます。また、血流も増加し、自己治癒力や免疫力も高めてくれます。
また、普段の生活でお腹に圧をかけないことも重要です。
寝る時は枕を高くする、重たい物を持たない、前かがみにならない、排便時に力まないように心がけましょう。
ビタミンUやビタミンCは熱に弱いので、生で食べるの一番ですが、今回は逆流性食道炎の解消レシピなので、消化がよいおうどんをつくってみましょう。
加熱により流れ出した成分もスープからとれるので、問題ありません!
まだ肌寒いこの季節に、胃にやさしいおうどんでカラダの中から温まりましょう♪
春キャベツの旬は、3~5月です。
キャベツの独自有効成分ビタミンU(キャベジン)には、胃腸の粘膜の新陳代謝を活発化し、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の回復をサポートする効果があります♪
春キャベツは、やわらかさがいちばんの特徴で、生で食べるのが一番のお勧めです。春キャベツを選ぶときには、巻きがゆるくふっくらしているもの、葉の緑色が濃くつややかなもの、芯の切り口がちいさく新しいものを選びましょう!
材料(4人分) | 分量 |
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うどん | 4玉 |
キャベツ | 約12枚 |
卵 | 4個 |
白だし | 80cc |
水 | 960cc |