現代はストレス社会ともいわれています。過剰なストレスによって体に様々な不調が出ることがあります。今回は、精神的なストレスが原因で起こるストレス性胃腸炎について症状や予防法、さらに、おすすめの胃腸を労わるレシピをいくつかご紹介します♪簡単なチェックリストも載せているので参考にしてみてください。
ストレス性胃腸炎とは、不安や緊張、イライラといった精神的なストレスが原因で起こる胃腸の炎症をいいます。
ストレスによって自律神経のバランスが乱れると胃腸の働きにも影響を及ぼします。
ストレスが過剰にかかると、自律神経の交感神経が優位となり、胃酸の分泌や胃の動きが鈍くなり、胃もたれが起きやすくなります。そして、その状態が続くと、バランスを取るために今度は、副交感神経が働きを強めて、胃酸の分泌が多くなり過ぎてしまったり、胃の動きが激しくなって胃粘膜が傷つけられて、炎症を起こして痛みにつながります。
たとえ、市販の薬を服用して一時的に症状が治まっても、原因となるストレスを取り除かないと再発を繰り返してしまうこともあります。その他、生活習慣の乱れや不規則な生活、刺激物やカフェインなどの摂りすぎが原因で起こるものもあります。
一般的に、胃腸炎の場合には、胃カメラ検査などを行います。胃カメラ検査では、胃の形や胃の粘膜の状態を観察します。ストレス性胃腸炎は検査をしても異常が見つからないにも関わらず、胃や小腸、大腸などに違和感や痛みが現れることがあります。つまり、胃の形は正常でも胃の働きが悪いことが挙げられます。
症状は人それぞれが、いやみぞおちあたりが急に痛み、吐き気などの症状が現れることが特徴です。
下記のチェックで、あなたの胃のトラブル状態を確認してみましょう。
□緊張すると胃が痛む
□食事の前後、みぞおち辺りに不快感がある。
□酸っぱい液が上がってくる感覚がある。
□朝起きたときに、胃のむかつき、吐き気がある。
□下痢や便秘になりやすい。
□疲れが取れにくい。
□悩み事や心配事がある。
□イライラすることが多い。
上のチェックリストの該当項目が多いほど、ストレス性胃腸炎である可能性が高くなります。胃のトラブルが長く続いたり、項目が多い場合には、病院で受診することも検討してみてください。
私たちの体は、体の働きを調節する自律神経、ホルモンの分泌を司る内分泌、外部から侵入する異物から体を守る免疫の3つの働きのバランスによって『健康』を維持しています。
これらの3つの作用により、体を環境に適応させ、体の機能を一定に保つ働きのことをホメオスタシスといいます。中でも、自律神経は胃や腸の働きと深く関係しています。
通常、緊張している時は交感神経が優位に、リラックス時に優位に立つ副交感神経がバランスを保っています。適度な緊張感は、私たちに張り合いを持たせてくれるため必要です。ところが、長期的に強いストレスがかかると自律神経は、このバランスが取れなくなり、乱れてしまいホメオスタシスを保つことが出来なくなってしまうのです。適度に休息や気分転換をすることもバランスを保つためには必要ですね。
一番大切なことは、日頃から胃腸を労り、ストレスを溜めないようにすることです。ストレスを溜めないようにすることは、なかなか難しいかもしれません。体を休めたり、気分転換になることを取り入れて体や心を労わる時間を作ってみましょう。ストレス性胃腸炎の主な治療法は、薬物療法と生活習慣の改善が重要となってきます。
薬物療法では、1人1人の状態に合わせて胃の粘膜を保護する薬や胃酸の分泌を抑える薬などが処方されます。
●生活習慣の改善のために重要なポイント
栄養素 | 働き | 多く含む食品 |
---|---|---|
タンパク質 | 胃粘膜の回復に役立つ | 白身魚、赤身肉、卵 |
ビタミンA(βーカロテン) | 胃粘膜を修復、強化する | 人参、南瓜、ほうれん草 |
ビタミンC | 体の疲れを回復し、抵抗力を高める | ブロッコリー、パプリカ、じゃがいも、いちご |
ビタミンE | 胃壁での活性酸素の発生を防ぐ | 南瓜、サーモン、アボカド |
大根やかぶには、消化を助けるアミラーゼなどの消化酵素を多く含み、胃腸の消化を助けてくれます。お味噌汁の具や、柔らかく煮て煮物、すりおろしてスープすると食べやすくなります。
南瓜は、ビタミンA(βーカロテン)やビタミンEなどを豊富に含むため、胃腸の回復を助けてくれます。イモ類の中では、食物繊維が少ないため胃腸が弱っている時にもぴったりな食材です。その他、身体を温める作用もあります。
ヨーグルトは、脂質の少ないタンパク質であり、かつ、腸内を整えてくれる働きがあります。胃腸が弱っている時は、できるだけ脂質の少ないタンパク質をしっかりと摂ることで回復が早くなります。さらに、腸内で善玉菌を増やしたり、便秘解消や免疫力を高めてくれます。
低脂肪なタンパク質です。タンパク質の中でも柔らかくて食べやすいので胃腸が弱っている時にも食べやすくなります。消化も良く、煮奴や卵とじなどにして食べることがおすすめです。
じゃがいもは、食物繊維が少なく消化に負担が少ない食材です。胃腸の粘膜を強化してくれるビタミンCが豊富で、胃潰瘍・十二指腸潰瘍などに有効といわれています。さらに、じゃがいもに含まれるビタミンCは加熱に強いため煮込み料理に向いています。
はんぺんは、魚の身をすりつぶしているため食感も柔らかく、消化に負担がかかりにくい食材です。他の動物性タンパク質に比べ、脂質が少ないため胃腸の調子が悪い時でもしっかりとタンパク質を摂ることができおすすめです!
さらに、チーズは脂質は多い食材ですが、少量でもタンパク質やカルシウムを摂ることができます。さらに、ビタミンCを含むじゃが芋と一緒に摂ることで吸収率が高まります。
胃腸の調子が悪い時は、消化をまずはストレスの原因を取り除くことが大切です。じゃがいものビタミンCは熱を加えても壊れにくい性質があり、焼く、煮るなどどんな調理方法でも大活躍する食材です。
また、体調不良時は炭水化物を多く摂りがちですが、このレシピはタンパク質も多く摂取することができるため、ぜひ試していただきたいです。
材料(2人分) | 分量 |
---|---|
じゃがいも | 150g(大きめ1個) |
はんぺん | 100g |
粉チーズ | 大さじ2(約12g) |
片栗粉 | 大さじ1(約9g) |
サラダ油 | 小さじ1 |
★醤油 | 小さじ1 |
★みりん | 小さじ1 |
★砂糖 | 小さじ1 |
エネルギー(1人分):約166kcal
消化の良い野菜や鶏ひき肉を使った鶏団子スープをご紹介します!
キャベツやニンジン、カブには、消化を助け、ビタミンAやビタミンUといった胃粘膜を修復・保護してくれるビタミンを豊富に含みます。鶏肉の中でも胸肉は、脂質の少ない優秀なタンパク源です。消化の負担を軽減しながらも、胃粘膜を回復させるためにしっかりとタンパク質を摂ることができます。
その他、生姜には体を温める効果や胃液の分泌を促進し、消化・吸収を助けてくれます。生の生姜に含まれるジンゲロールという成分は、加熱することでショウガオールに変化します。このショウガオールになると体を温めて、胃腸の働きを活発にしてくれる効果が期待できます。
胃腸を温めて、消化に良い食材を摂りやすくしてくれる煮込み料理がおすすめです。さらに、スープごと摂ることで、スープに溶け出た栄養素も余すことなく取り入れることができます。
生姜の効果でぽかぽかとしながら、胃腸を労わるスープはいかかでしょうか?
材料(2人分) | 分量 |
---|---|
鶏むねひき肉 | 200g |
塩 | ひとつまみ |
こしょう | 少々 |
しょうが | 15g(1片) |
キャベツ | 100g |
人参 | 40g |
カブ | 80g |
顆粒コンソメ | 大さじ1(固形なら5g) |
こしょう | 少々 |
水 | 600㎖ |
エネルギー(1人分):約138kcal