ノロウイルスにおすすめのレシピ

ノロウイルスにおすすめのレシピ

ノロウイルスとは?

ノロウイルス(Norovirus)は、嘔吐、下痢などの急性胃腸炎症状を起こすウイルスです。感染力が非常に強く、10~100個程度のウイルスが体内に入っただけでも感染・発症します。
年間の食中毒の患者数の約半分はノロウイルスによるもので、そのうち約7割が冬に発生しています。また、給食や飲食店などでの集団感染が毎年発生しています。

ノロウイルス

どんな症状があるの?

ノロウイルスは体内に入った後、腸管で増殖し、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、軽い発熱などの症状を引き起こします。潜伏期間(感染から発症までの時間)は12~48時間とされ、突然の嘔吐や強い吐き気が起こるのが特徴です。通常、これらの症状は1~2日続きますが、後遺症などはありません。ただし、乳幼児や高齢者、持病のある方などは、脱水症状を起こしたり、体力の消耗によって重症化したりするケースもあるため、注意が必要です。

また、感染しても発症しない不顕性感染や、軽い風邪のような症状しか起こらず感染に気づかないこともあります。身近な人が感染した場合、ご自身に症状がなくても感染している可能性があります。特に、食品を取り扱う仕事をされている方は、無自覚のうちに感染源となってしまう場合があるため、注意が必要です。

 

症状

どんな感染経路があるの?

感染経路には、感染者の嘔吐物や便からの感染、人の手などを介した感染や、人から人への飛沫感染、感染者が調理などをすることで汚染された食品を食べたことによる感染、ウイルスが蓄積した牡蠣などの二枚貝を、生あるいは十分に加熱調理しないで食べたことによる感染などがあります。

ノロウイルスの感染経路

治療法は?

現在、ノロウイルスに効果のある抗ウイルス剤はないため、対症療法を行います。まずは、水分と栄養の補給を充分に行い、脱水症状がひどい場合には病院で輸液を行うなどの治療が必要になります。下痢止めの薬は、ウイルスの体外への排出を妨げ、病気の回復を遅らせることがあるため、使用しないことが望ましいとされています。

また、食中毒と思われる症状があらわれた場合、無理をせず家で療養しましょう。ウイルスを保有したまま会社や学校に行くことで、周りの人にも感染させてしまう恐れがあります。

どうしたら予防・対策ができるの?

ノロウイルスによる食中毒を防ぐためには、ノロウイルスを「持ち込まない」、「つけない」、「やっつける」、「ひろげない」ことが重要です。

持ち込まない

調理を行う人が感染していると、二次感染を起こしてしまいます。感染が疑われる場合や食中毒と思われる症状がある場合は、食品を扱うことはやめましょう。

つけない

しっかりと手洗いを行うことが大切です。例えば、家に帰ってきたタイミングや調理をする前、食事をする前、トイレに行った後など、石鹸を使用して、指先や手のひら、手の甲、手首まで丁寧に洗い、手指に付着しているウイルスを減らしましょう。

手洗い

やっつける

ノロウイルスを死滅させるためには、熱湯(85℃以上)で1分以上加熱することや次亜塩素酸ナトリウムで消毒することが有効です。
調理を行う際には、しっかりと中心まで加熱を行いましょう。また、ノロウイルスの汚染のおそれのある二枚貝などの食品は、中心部が85℃~90℃で90秒以上の加熱が望まれます。

なお、ノロウイルスにアルコール消毒はあまり効果がありません。調理器具などは熱湯消毒を行うほか、塩素系消毒剤を薄めたもの(濃度は200ppm以上、家庭用漂白剤の場合は約200倍程度に薄める)で、多くの人が触れるドアノブなどを消毒しましょう。

ひろげない

ノロウイルスに感染した場合、感染を広げないように嘔吐物などの処理を行うことが大切です。嘔吐物は、使い捨てのマスクや手袋を付け、タオルやペーパータオルなどでしっかりとふき取り、ビニール袋に入れて密封した状態で廃棄をします。その後、処理した場所以外も次亜塩素酸ナトリウムで広く消毒し、二次感染を起こさない事が重要です。

 

健康管理士からのワンポイント『ノロウィルスの処理はスピーディーに!』

汚物に含まれたノロウイルスは、乾燥すると空気中に漂い、それを吸い込むことで二次感染を引き起こします。そのため、ふん便や吐物が乾燥する前にスピーディーに、且つ安全に処理することが重要です!

予防のために積極的に取り入れたい栄養素

栄養素 作用 多く含む食べ物
タンパク質 体をつくる基になる
免疫力向上
肉、魚、大豆製品、卵、乳製品
ビタミンC 免疫力向上 ブロッコリー、赤ピーマン、レモン、いちご、キウイフルーツ、アセロラ、いも類
乳酸菌 腸内環境を整える
免疫力向上
ヨーグルト、チーズ、漬物、キムチ

感染した場合の食事は?

ノロウイルスに感染し、おう吐や下痢などの症状があると、水や電解質などが身体の中から失われてしまいます。そのため、経口補水液などで少量ずつこまめに水分を補うようにしましょう。
また、食事を摂る時は、おかゆやうどん、柔らかく煮込んだ野菜スープなど、消化に良く食べやすい食品を選ぶようにしましょう。

素うどん

 

 

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さつま芋と鶏肉のハニーレモン

さつま芋と鶏肉のハニーレモン

ノロウイルスに負けない強い体をつくるためには、免疫力を高めることが大切です。丈夫な体を作るのに不可欠なタンパク質を鶏肉から、免疫力をUPさせるビタミンCをさつま芋とレモンから補給するレシピです!また、ハチミツに含まれるオリゴ糖は、腸内環境を整え、免疫力UPに効果的です!ぜひ、この冬作ってみて下さいね♪

管理栄養士・健康管理士からアドバイス

さつま芋の旬は10~2月です。芋類に含まれるビタミンCは加熱に強いため、加熱調理をしてもしっかりとビタミンCを補給することができます。
さつま芋は、皮の色が鮮やかでツヤがあり、表面に凸凹や傷のないものを選ぶのがポイントです。また、見た目がふっくらとしているものがおすすめです!

材料(2人分) 分量
さつま芋 中1本 
鶏もも肉 1枚
サラダ油 小さじ1
(A) 醤油 大さじ1
(A) はちみつ 大さじ1
(A) レモン汁 少々
塩コショウ 少々
煎りごま 少々

エネルギー(1人分):300kcal

作り方

  1. さつま芋、鶏肉を1口サイズにカットしておく。
  2. さつま芋はレンジにかけ、柔らかくしておく。
  3. フライパンに油を熱し、鶏肉を加えて塩コショウをし、焼き色がつくまで両面焼く。
  4. さつま芋を加え火が通ったら、調味料(A)を入れてよく絡ませる。
  5. お皿に盛り付け、ごまを振ったら完成♪

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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