フィトケミカル第4弾!きのこ類に多く含まれる「β-グルカン」について解説します。
β-グルカンは、コレステロール値や食後の血糖値が気になる方、免疫力をアップしたい方に非常に注目されている成分です。
フィトケミカルの特徴については、こちらの記事もあわせてご参照ください。
注目の成分 「フィトケミカル」
β-グルカンは きのこや穀類などの細胞壁を構成している成分です。
人間の消化酵素では分解されにくく、そのまま大腸へ運ばれるという特徴があり、主に食物繊維として働きます。
β-グルカンは水に溶けることで粘性が高まり、ゼリー状になることで胃の中の食べ物に含まれる糖質を包み込みます。そのため、糖質がゆっくりと体内を移動し、満腹感を長時間持続させることが可能です。
さらに、糖質の吸収や消化が緩やかになるため、食後の血糖値の急上昇を抑えてくれます。
血液中にLDLコレステロールが増えすぎると、動脈硬化や高血圧などを引き起こす原因となります。β-グルカンはコレステロールの吸収を抑制し、LDLコレステロールを減少させる働きがあります。
腸内細菌のエサとなることで、善玉菌が増え、腸内フローラを整える働きがあります。また、腸内での水分吸収を助け、便を適度に柔らかくしたり、腸を刺激して蠕動運動を活性化させたりすることで、便通を改善する働きがあります。
β-グルカンは、免疫機能を司る細胞を活性化し、ウイルスや細菌に対する抵抗力を高める働きがあります。免疫細胞の約7割は腸内に存在するため、腸内環境を整えることは免疫細胞の活性化にもつながります。
β-グルカンは、きのこ類や穀類、海藻類などに多く含まれています。
しいたけ、まいたけ、えのきだけ、ぶなしめじ、しめじなど
オーツ麦、大麦、もち麦、小麦、ライ麦など
昆布、ワカメ、めかぶなど
野菜、果物、パン酵母など
健康効果を得るためには、1日3g程度のβ-グルカンを摂取するのが望ましいとされています。これは、押し麦では50g、オートミールでは100g程度に相当します。また、1つの食品に偏らず、さまざまな食品から摂ることを意識しましょう。
なお、β-グルカンなどの食物繊維には、摂取量の上限値は設定されていませんが、一度に大量に摂ると便が緩くなることがあるため、注意が必要です。
グルカンとは、ブドウ糖(グルコース)が複数結合して、長い鎖のようにつながってできた多糖類のことを指します。そして、ブドウ糖の結合の仕方によって、α型とβ型に分かれています。
α-グルカンは、ブドウ糖同士がいくつもα結合というつながり方をしており、人間の消化酵素によって分解され、最終的にブドウ糖へと変換されます。そのため、主にエネルギー源として体内で利用されやすいという特徴があります。代表的な成分として、でんぷんに含まれるアミロースや肝臓、筋肉などに貯蔵されるグリコーゲンなどがあります。
α-グルカンは、エネルギー源として働くため、脳を活性化させ、集中力や記憶力を高めるために欠かせません。α-グルカンもβ-グルカンも、それぞれ体にとって有益な働きがあるため、目的によって上手に取り入れることが大切です。