“腸活”で免疫力を高めよう♪

“腸活”で免疫力を高めよう♪

ここ数年、雑誌やTVでも特集が組まれるほど、「腸活」の話題は身近なものとなっています。また、新型コロナウイルスの蔓延にともなってさらに注目を集めています。

腸が免疫力を高めるために重要であることは分かっていても、意外と腸の働きや腸活とはどんなものかあいまいになっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、今さら聞けない「腸活の話」として、振り返りながらポイントを抑えつつ一緒に学んでいきましょう♪

腸活

腸の“超”基本のお話

腸には約100兆個の腸内細菌が存在し、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類の菌によって構成されています。腸内細菌の黄金比は、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の順に、2:1:7といわれています。

これらを顕微鏡で見たときに、お花畑のように見えることから、腸内フローラと呼ばれています。この絶妙なバランスが保たれることが理想的な状態ですが、抗生物質や精神的なストレス、運動不足などによって、簡単にバランスが崩れてしまいます。

腸の主な働きは大きく分けて4つあり、①消化 ②吸収 ③排泄 ④免疫です。その他に解毒の作用もあると言われ、肝臓のサポート役としても働いています。
腸内フローラ

腸内環境と免疫力

腸の働きの1つである免疫ですが、私たちの体の免疫機能の60~70%を司っています。口から入る細菌やウイルス、食べ物から入ってくる有害菌や有害物質を見分け、体内へ侵入しないようにバリアを張ります。

腸内に異物(病原菌や毒素)が入ってくると、免疫細胞へと指令が送られ、免疫機能が活性化します。さらに抗体をつくって体内に侵入した病原菌の排除や毒素の中和を行うというしくみです。

腸は「第2の脳」とも言われ、幸せホルモンとも呼ばれる神経伝達物質のセロトニンの生成を行っています。自律神経のバランスを整えてくれるもので、睡眠の質にも関係があります。

脳腸相関

育菌と菌活のすすめ

腸活というと、ヨーグルトや納豆、キムチなどの発酵食品を摂ることをイメージすると思います。しかし、このような菌は腸まで届いても定着することが難しいため、継続的な摂取が必要だと言われています。
そのため、菌自体を摂取することももちろん大事ですが、環境を整えて良い菌を育てることがさらに大事になってきます。ここで大事な鍵となるのが短鎖脂肪酸です。

短鎖脂肪酸とは、食物繊維の中でも腸内でより発酵しやすい発酵性食物繊維を摂取することで善玉菌のエサとなって生成される有用成分です。短鎖脂肪酸は善玉菌の棲みやすい弱酸性の環境を整え、大腸のバリア機能を高めます。
つまり、腸内での発酵のしやすさに着目することが短鎖脂肪酸を増やすためには必要となってきます。

水溶性食物繊維の発酵性

発酵性食物繊維はどうやってとれる?

発酵性食物繊維は、精製されていない玄米やもち麦、小麦ブラン、オーツ麦などの穀物や根菜類、海藻、大豆製品、りんごやかんきつ類などに多く含まれています。

腸内フローラのバランスは国ごとの食生活や風土によって異なります。日本人の腸内には、お米や大麦、小麦などの炭水化物をエサとする腸内細菌が多く、発酵性食物繊維を摂る場合、穀物から摂取することが非常に効率的であると言われています。

おすすめの摂取方法は、もち麦を炊き込みご飯にまぜる、スープに入れて一緒に煮込むなどです。毎日の生活にプラス2g発酵性食物繊維を意識して取り入れてみましょう♪

発酵性食物繊維

 

さまざまな食べ物の特性や働きを知り、腸から体を守る方法を身につけて、免疫力を高めていきたいですね!

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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