飲みすぎ注意?!スポーツドリンク

飲みすぎ注意?!スポーツドリンク

スポーツドリンクといえば、少し前は夏にアスリートや運動部が飲むもの、というイメージがありましたが、今では年間を通して、暑い日の熱中症予防や、汗をかいた後の水分補給ドリンクとして定着しています。水分補給目的だけでなく、嗜好品として愛飲している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は普段から何気なく飲んでいるスポーツドリンクについてご紹介します。

 

そもそもスポーツドリンクってどんなもの?

スポーツドリンク=水分補給、というイメージをみなさんお持ちだと思いますが、スポーツドリンクの成分はどういうものが含まれているかご存知でしょうか?

スポーツドリンクの基本成分は、ナトリウム(塩分)と糖分です。
汗をかくと、体内のナトリウムも放出されるので、汗をかいたときに水だけを大量に飲むと、体内のナトリウム濃度が薄まり、その状態で水だけを飲んでも吸収されず、そのまま尿として排出されてしまい、結果脱水症状を引き起こしてしまいます。
スポーツドリンクは、塩分と水分をバランスよく体内に摂取でき、運動で失われたエネルギーを糖分から補給することができるのです。

スポーツドリンクの種類

ところで、スポーツドリンクには大きく分けて二つの種類があることはご存知でしょうか?

スポーツドリンクは「アイソトニック飲料」と「ハイポトニック飲料」に分けられ、それぞれ浸透圧が違います。人間の体液とほぼ同じ浸透圧の飲料が「アイソトニック飲料」、人間の体液より低い浸透圧の飲料が「ハイポトニック飲料」になります。
と、説明してもいまいちピンときませんよね。それぞれの種類について、また飲むタイミングについてご説明します。

アイソトニック飲料

アイソトニックとは「等張液」を意味し、安静時の体液と同じ浸透圧になるように作られているので、水分・塩分・糖質をバランスよく吸収することができます。
アイソトニック飲料は、運動前に飲むことで、エネルギーや、汗によって失われるミネラルなどを効率よく補給することができます。

ハイポトニック飲料

ハイポトニックとは「低張液」を意味し、体液より薄い濃度で作られています。
薄いという事は飲む意味はないのでは?と思うかもしれませんが、運動直後など発汗で体液が薄くなっているときは、かえって浸透圧の低いハイポトニックの方が水分補給に適しています。

まとめますと、運動前の水分補給にはアイソトニック飲料、汗をかいて体液が薄まっている運動中や、運動後はハイポトニック飲料での水分補給がそれぞれ効果的です。

ちなみに、お店で売っているスポーツドリンクには特にアイソトニック、ハイポトニックといった記載が無いものも多いですが、見分け方の目安として糖質の量をチェックしてみましょう。
糖質が8%程度のものがアイソトニック、3%程度のものがハイポトニック、という見分け方があります。

経口補水液って?

最近、テレビのCMなどで「経口補水液」という飲料の名前をよく聞くことが増えたのではないでしょうか。
経口補水液とは、熱中症により脱水症になった人のための食事療法に用いるもので、脱水症対策という目的は同じですが、スポーツドリンクと比べるとナトリウムやカリウムを多く含み、糖質は低く作られています。
一般の飲料より塩分濃度が高いので、高血圧の方や腎機能が低下している方は医師に相談の上飲むようにしましょう。

飲みすぎ注意!

水分補給に便利とはいえ、スポーツドリンクの飲みすぎには注意です。
エネルギー補給のために糖分が多く含まれており、飲みすぎてしまうと糖分の過剰摂取で血糖値が上昇してしまいます。
成人の場合、1日の糖分摂取目安は25g程度ですが、500mlのペットボトルのスポーツドリンク1本だけで超えてしまい、飲みすぎるとペットボトル症候群(食Do健康レシピリンク)を引き起こしてしまう事もあります。
何事もほどほどに、運動の水分補給にはスポーツドリンクの他にも糖分を含まない麦茶なども用意しておくようにしましょう。

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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