皆さんが日ごろよく飲んでいるお茶には、緑茶・紅茶・ウーロン茶など様々な種類があります。これらのお茶は、色だけでなく味や香りも異なるため、それぞれ別の茶葉から作られていると思っている方も多いのではないでしょうか。しかし、もとは全て「同じ」茶葉から出来ています。なぜ、これだけ違ったお茶が出来上がるのかとても不思議ですよね。
今回は、お茶の原料である「チャノキ」や「お茶の作り方」「製造方法によるお茶の分類」などについてご紹介します。

お茶の原料となるお茶の葉は、ツバキ科ツバキ属の常緑樹で、学名は「Camellia sinensis(カメリアシネンシス)」、日本では「チャノキ(茶の木)」と呼ばれています。
チャノキはツバキ科の植物であるため、葉、花、実などがツバキとよく似ているのが特徴です。チャノキは葉の大きさ、木の高さなどの特徴の違いによって、大きく中国種とアッサム種の2つに分類されています。
中国種は、主に日本や中国で栽培されており、アッサム種は、主にインドやスリランカなどで栽培されています。
| 中国種(小葉種) | アッサム種(大葉種) | |
|---|---|---|
| 主な栽培地域 | 日本、中国などの温帯地域 | インド、スリランカ、インドネシアなどの亜熱帯・熱帯地域 |
| 木の特徴 | 灌木(低木)、耐寒性が強い | 高木、耐寒性が弱く発酵しやすい |
| 葉の特徴 | 葉が小さい 幅:3~4cm、長さ:6~9cm |
葉が大きい 幅:4~5cm、長さ:12~15cm |
| 成分の特徴 | アミノ酸 多い、カテキン 少ない | アミノ酸 少ない、カテキン 多い |
| 主なお茶の種類 | 緑茶、ウーロン茶 | 紅茶、プーアル茶 |

通常、ツバキ科の植物は成長すると、数メートルにまで成長しますが、チャノキは人の手で葉を摘むことができるサイズまでにしか成長しないのも特徴です。
お茶にも旬があることをご存じでしょうか。春が旬とされており、4~5月にかけて収穫されます。冬に栄養を蓄えた茶葉はうま味や香りが強く、もっとも美味しい時期と言われています。この新芽を摘んで作られたお茶を「新茶」と呼び、市場にも初物として売られます。6月~7月ごろになると、呼び名が変わり「一番茶」となります。そして、一番茶を収穫した後に伸びた芽は「二番茶」、その次を「三番茶」といいます。二番茶は日光を浴びる期間が長くなるため、渋みや苦みが多くなる傾向にあり、すっきりとした味わいになるのが特徴です。
【 茶葉を使わないお茶の種類「茶外茶」 】
お茶とは、チャノキが原料となる緑茶や烏龍茶、紅茶など茶葉を使ったものをいいますが、一般的にお茶と言われているものが他にも多く存在しており、それらを「茶外茶」と呼びます。
麦茶・・・大麦を焙煎して煮出して作られており、香ばしい風味がする
そば茶・・・そばの実を焙煎し、煮出している。香ばしさに中にほのかな甘さが広がる
豆茶・・・黒豆や小豆などを焙煎し抽出されており、冷え性に良い
昆布茶・・・昆布を撹拌し塩などと合わせた粉末をお湯で溶いて飲む
ハーブティー・・・ルイボス、カモミールやローズヒップ、ミントなど花や葉などを使ったもの
製造工程には大きく分けて3つあります。
原料となる生葉を収穫することを「摘み」や「摘採(てきさい)」と言います。手摘みと機械摘みがありますが、機械(摘採機)の性能の発展により、味の違いが少なくなってきています。摘採した生葉を放置するとすぐに発酵が始まってしまうため、つくるお茶の種類によって工程がかなり異なります。
摘採したお茶の葉をねじったり丸めたりすることで、葉の細胞が壊れて水分が飛び、お茶を抽出しやすくします。①と同じく手揉みではなく、機械で行うことが多くなってきています。複数の段階に分けてから揉むのが一般的です。

お茶を長期保存できるようにするために乾かし、お茶の水分量を一定量以下にします。「乾かす」工程は、どんなお茶でも基本的には最終段階で必ず行われますが、揉む過程などに複数回に分けて乾燥させることも多いようです。
簡単に言うと、製造工程で生の茶葉を発酵させるかさせないか、発酵させる場合はどこまで発酵させるかの違いによりこれらの違いが生まれます。
上記の3つの工程によって作られますが、この時に行われる発酵の違いで、大きく下記の4つに分類されます。

茶葉には、カテキンをはじめとするポリフェノールのほか、ポリフェノールオキシダーゼという酸化酵素が含まれています。茶葉を揉みこむことで両者が混ざり合い、酸化酵素の働きが促進することで色や香りが変化します。
お茶には、健康に良いとされるカテキンやテアニン、カフェインなどの成分が多く含まれています。
緑茶などに多く含まれるポリフェノールの一種で、お茶特有の渋みや苦みがあります。抗酸化作用があり、動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病予防に良い効果があるほか、抗菌作用により食中毒予防や口臭予防にも繋がります。
お茶に含まれる特有のアミノ酸の一種で、旨味をもたらします。若い芽に多く含まれているため、二番茶・三番茶になると含有量が減ります。リラックス効果があり、心身が落ちついている時に分泌されるα波を増加させる効果があり、ストレス解消にも繋がります。
脳の中枢神経を覚醒させる効果がり、眠気を冷ましたり集中力を高めたりしてくれます。適量だと問題ありませんが、摂りすぎると睡眠障害や消化器官不良に繋がる恐れがあるため、注意が必要です。
いかがでしたか?
同じチャノキでもお茶の製造法の違いによって、異なる種類のお茶ができるということを知っていただけましたか?次回からは、さらに深堀したお茶の特徴などを見ていきます。
次回からは、それぞれの違いや、お茶の特徴などを説明していこうと思います。