活用しよう!食のマナー④ 食事中のマナーを見直そう!<ワインのオーダー>

活用しよう!食のマナー④ 食事中のマナーを見直そう!<ワインのオーダー>

前回は、お食事中のマナーの中でもコース料理には欠かせなく、慣れていない方にはハードルが高いワインのことを取り上げ、学んでみました。

いよいよワインのオーダーの仕方とお食事中のワインの飲み方のマナーを紹介しましょう。
ワインのマナーと言えば、大きく分けて、「オーダーの仕方」と、「飲み方」、という2点になります。
今回は、オーダー時に気を付ける点などを中心にまとめました。

以前にもワインのマナーに関して紹介していますが、それぞれのお酒を飲む時のマナーについては、下記をご参考になさってください。

⇒大人のためのお酒マナー 日本酒編 ワイン編 ウィスキー編 ビール編

食事中のマナーを見直そう! ワインのオーダー

まずは、食前酒のオーダー

食前酒

入店して席に通されると、最初に「食前酒をどうなさいますか?」と聞かれることがほとんどです。
思わずビールと頼みたくなる方も多いと思いますが、高級レストランの場合は控えるようにしましょう。

定番は、シャンパンやスパークリングワインですが、キールやミモザなどのワインベースのカクテルもお勧めです。アルコールが苦手な方は、ガスありのミネラルウォーターがおすすめですよ。

そして、この食前酒を飲みながらメニューを決めるのが通常の流れです。
予約時にコース料理を注文している方などは、食前酒をいただきながらゆったりとお料理を待つようにしましょう。

食前酒

ワインのオーダーの仕方

ワインはお料理を決めてから、そのお料理に合わせてセレクトするのが一般的です。

ワインに詳しい方などは除いて、その日のお料理、食材の状態、自分が飲みたいワインのイメージに合うかどうかなど、ソムリエに相談するのが一番簡単で安心でしょう。

その際に重要となるのが予算です。予算内でお料理との相性がいいもの、自分の好みに近いものなどをセレクトしてもらうことができるはずです。

あくまで参考ですが、ワインの予算はコースの代金の1/3~1/2程度が目安とされているそうですよ。

ワインのオーダー ソムリエ

ボトル以外を注文するとき

ボトルを注文するか、お料理によってペアリングをするかはお好みや予算によると思います。

お店によっては、お料理に合わせたワインが用意(ペアリング*)されている場合もあるので、あるかどうかも聞いてみましょう。

コースの料理もそれぞれの意味があり、それに沿った順番が用意されているので、ペアリングをするときには軽めのワインから重めのワインを選ぶとお料理に合うようになっています。

もちろん、お好みのワインをグラスで注文することもできます。飲みたいワインがない場合や希望自体ががわからない場合もソムリエに相談して候補をあげてもらうのがいいでしょう。

ペアリング

ペアリングとは…

ワインの「ペアリング」とは、簡単に言えば「ワインと料理の組み合わせ」のことをいいます。

つまり、コースメニューの一皿に対して、ひとつのワインを楽しむという飲み方のことで、お店によってはあらかじめお料理の内容に合わせてグラスワインをセレクトしてくれていることが多いのです。

マリアージュとの違いは…

ワインと料理とのマリアージュなどということを耳にしたことがある方が多いのではないでしょうか?

ペアリングで、料理とのハーモニーを楽しむことによって生まれた最適な状態が、「マリアージュ」ということになります。

ボトルでオーダー

高級ワインを飲みたいのであれば、ボトルをオーダーするのがおすすめです。

高級ワインは抜栓直後から飲み切るまで、時間の経過に伴って味わいが徐々に変わっていくため、1種類でも十分堪能することが可能だからです。

ご予算を大体決めたうえでソムリエに相談し、予算範囲でのベストマッチを探してもらいましょう。

ボトルでオーダー

テイスティング

ワインをボトルでオーダーした場合は、テイスティングを促されます。

テイスティングと聞いただけで慌ててしまうかもしれませんが、実際は儀式的なもので、香りだけ確認して注いでもらってもいいですし、ソムリエを信頼してテイスティングをしないで注いでもらっても問題ないのです。

しかし、スムーズなテイスティングができれば気分がいいものですよね。
そんなあなたのために、テイスティングの注意点を紹介しましょう。

テイスティングの2つの意味

テイスティングには2つの意味があり、試飲の意味でのテイスティングを思い浮かべる方が多いと思います。

しかし、この場合のテイスティングは、悪くなっていないかの確認するために行います。後者をホスト・テイスティングと言い、味を確認するのではなく、品質に問題ないかを確認をすることを目的としています。

ホスト・テイスティングの流れ
  1. エチケット(ラベル)のチェック
    ソムリエがボトルのラベルを見せて、銘柄やヴィンテージ(生産年)、ワイナリーなどが注文どおりかをエチケットで確認します。
  2. にごりや異物がないかのチェック
    1.の確認後、ソムリエがワインを開栓してホストのグラスに注いでくれるので、グラスの足を持って、にごりや異物が無いかを確認しながら色をみます。
    少し傾けてレストランの白いテーブルクロスを背景にすると見やすくなります。
  3. 香りのチェック
    グラスへ鼻を近づけて香りを嗅ぎ、異臭がないかを確認します。
    特に異臭を感じなければ、「スワリング」を行い、再度香りをチェックします。
    スワリングとは、小さく円を描くようにグラスを回すことを言います。これによりワインに空気が含まれて香りが立ち、より香りが感じられるようになるのです。グラスをテーブルに置いて安定させてから回すのがコツです。他の方にかけないように利き手が右手なら反時計回り、左手なら時計回りに動かしましょう。
  4. 風味のチェック
    一口含み、舌の上で転がすように味わいます。
    ホスト・テイスティングの場合は異常がない限りそのまま飲み干しても問題ありません。

万一異常を感じたら、その旨ソムリエに伝えてください。

ソムリエが同意すれば、無料で他のワインに変えてもらうことができますが、基本的には、ソムリエもワインのチェックを行っているので、異常があればホストがテイスティングする前にボトルを変えておくはずです。

テイスティング

食事中のワインのマナー

今回は、補足情報として紹介いたします。

以前ワインの飲み方のマナーはまとめましたので、そちらも合わせてご確認ください。
大人のためのお酒マナー ワイン編

グラスが空になった

高級店などでは、大きな声でソムリエを読んだり、自らボトルを取りに行ったり、というのはマナー違反です。

ソムリエが通りかかったタイミングでグラスをそっと示すなど目で合図をして、注いでもらうようにしましょう。

高級レストランなどでは常にソムリエがチェックしているので、そういう状態になることはないとは思いますが。

ボトルに残ってしまった

ボトルを持って帰ることはマナー違反にはなりませんので、持ち帰りたい場合はソムリエにお願いしてください。

但し、高級ワインの場合などは、お店のスタッフの勉強にもなりますので、「少しですが、お店の方々でどうぞ。」と置いていくのがスマートなんだそう。覚えておきましょう。

ちなみに、抜栓していないボトルは酒販免許の関係で基本的にお持ち帰りはできません。

また、飲み切ったワインは、ラベルやコルクなどお持ち帰りすることも可能ですので、記念にもなりますので、ぜひお願いしてみてください。

おかわりが不要なとき

もうこれ以上飲まず、おかわりが不要なときは、ソムリエが注ぎ足す前にグラスの上に手かざして、「もう結構です」とさりげなくジェスチャーで伝えましょう。好印象でスマートなやり方です。

空のグラスとボトルに残ったワイン

 

いかがでしたでしょうか?

これでワインをオーダーするときに緊張しなくても済むのではないでしょうか?

せっかくなので、ソムリエの方と相談しながらワインをセレクトするのもお料理の楽しみ方の一つですので、ぜひ挑戦してみてください。

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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