胆石を予防!胆石症を防ぐ簡単レシピをご紹介

胆石を予防!胆石症を防ぐ簡単レシピをご紹介

 

胆石症ってどういうもの?

胆石症とは、胆汁が流れる胆道に結石が出来てしまう病気の総称です。胆石の保有率は年々増加傾向にあり、成人の10人に1人は胆石を持っているとされています。

胆石は、一度出来てしまうと自然に溶けることはなく、薬物治療や手術で取り除く方法しかないといわれています。

今回は、胆石の基礎知識と、胆石の予防に役立つ栄養素が取れる簡単レシピをご紹介します。

 

胆石ってなに?

胆石とは、胆汁の成分が結晶化して結石になったものです。胆汁とは、肝臓で作られる液体で、主に水、ビリルビン、胆汁酸、胆汁色素、コレステロールで構成され、脂質の消化を助ける役割があります。

肝臓でつくられた胆汁は、一度胆のうに蓄えられ、必要に応じて胆のう管から総胆管、十二指腸へ送り出されます。この中でできた胆汁の固まりを結石といい、多くの場合胆のうで生じるため、胆石と呼ばれます。まれに、胆管で生じることもあり、その場合には肝内胆管結石、総胆管結石などと呼ばれます。

胆のうのはたらき

胆石の種類

胆石は成分によって「コレステロール結石」と「色素結石」の2種類に分類されます。

コレステロール結石

胆石症の中で最も多いのがコレステロール結石です。コレステロールは、通常胆汁中に溶けていますが、量が増えて溶けきれなくなると結晶化して結石になります。胆汁のコレステロールが増える原因として、脂肪の多い食事やカロリー過多な食事、肥満、脂質異常症、糖尿病、妊娠、急激なダイエットなどが挙げられます。

色素結石

色素結石には、ビリルビンカルシウム石と黒色石があります。ビリルビンは肝臓の排泄物で、大腸菌など細菌感染が原因で胆石になることが分かっています。黒色石の成分は、ビリルビンと重金属で、溶結性貧血や肝硬変、クローン病などの場合に多くみられるといわれています。

胆石症の症状とは

胆石をもっていても多くの人に症状は現れませんが、食後に上腹部の不快感、膨満感などを感じる人がいます。ほとんどの人は気づかずに日常生活を送っており、健診や腹部のエコー検査などで偶然見つかるケースも多くみられます。

中には急激に悪化するケースがあり、胆石が胆管を塞いでしまった場合には、みぞおちや右脇腹の周期的に激しい痛み(胆石仙痛)や背中の痛み、吐き気、嘔吐などが現れます。さらに、総胆管内で詰まると、筋肉にけいれんが起きたり、黄疸や細菌感染を招いたりすることもあります。高熱が出たときは、胆のう炎や胆管炎を併発している恐れがあり注意が必要です。

 

胆石症の症状

 

健康管理士からワンポイント

『胆石症になりやすい人の特徴は?』

40歳以上の肥満の女性に多い傾向にあります。これは、女性ホルモンの影響を受けるためとされています。しかし近年、男性の肥満者も増加傾向にあります。

胆石症の具体的な原因はまだ完全には解明されていませんが、肥満や高脂肪食、不規則な食生活や過度なストレスといった生活習慣、遺伝的に結石ができやすい体質など、さまざまな要因が関与しているのではないかと考えられています。日頃から規則正しい生活を送れるように注意したいですね。

 

治療法は?

無症状の場合には、基本的に経過観察のみ行われます。症状がある場合や胆石の大きさ、位置などよっては、薬物療法や外科手術が行われます。

薬物療法では胆汁酸を含む薬が処方されることがあります。この薬は胆石を徐々に溶かす効果がありますが、効果が出るまでに時間がかかり、また、すべての患者に適しているわけではありません。

腹腔鏡下胆のう摘出術が最も一般的な手術方法で、小さな切開を数か所入れて、カメラと特殊な器具を使って胆のうを摘出します。複雑なケースや腹腔鏡手術が適さない場合には、従来の開腹手術が行われます。

治療法には個人差があり、複数の方法を組み合わせて行う場合もあります。無症状であっても、年に1~2回は検査を受けるようにしましょう。

 

どうしたら予防・対策ができるの?

胆石の予防には、生活習慣の改善や食事の見直しが重要です。以下の点に注意しましょう。

  • 適度に運動をしましょう
  • 1日3食、規則正しい時間の食事を心がけましょう
  • 魚介類に多く含まれるタウリンは胆石が大きくなるのを抑える働きがあるので積極的に取るようにしましょう
  • 脂っこい料理やコレステロールを多く含む食品はなるべく控えましょう

胆石予防に役立つ栄養素

栄養素 作用 多く含む食べ物
食物繊維 コレステロールの吸収抑制、
胆汁の排泄
海藻類(昆布、わかめ、めかぶ)、長芋
ビタミンC 胆汁酸の合成に不可欠 ブロッコリー、ほうれん草、長芋、玉ねぎ
ビタミンE 胆汁酸の排泄を促す アボカド、タコ、ナッツ類
タウリン 胆汁酸の分泌量を増加させる タコ、しじみ、サケ、サバ、カツオ

 

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おすすめ健康レシピ

おすすめレシピ1
タコと長芋の柚子胡椒和え

タコと長芋の柚子胡椒和え

管理栄養士・健康管理士からのアドバイス

タコには、タウリンやビタミンEが含まれています。タウリンは、胆汁の主成分の胆汁酸の分泌量を増加させる働きがあり、体内のコレステロールの分解を助けてくれます。また、肝臓の正常に保てるように助けてくれます。

その他、めかぶや長芋には、水溶性食物繊維が豊富に含まれており、余分な脂質や塩分を体外へ排出する働きがあります。さらに、抗酸化力の高いβーカロテンを含み動脈硬化の予防にもつながります。

材料(3~4人分) 分量
ゆでタコ 100g
長芋 100g
めかぶ 1パック(約50g)
ポン酢 大さじ1~2
柚子胡椒 小さじ1/4

作り方

  1. ゆでタコを薄くスライスする。
  2. 長芋の皮を向き、5㎜程度の拍子切りにする。
  3. ボウルにポン酢と柚子胡椒を混ぜ合わせ①、②とめかぶを加えて混ぜて完成。

おすすめレシピ2
切り昆布と玉ねぎのツナマリネ

切り昆布と玉ねぎのツナマリネ

管理栄養士・健康管理士からのアドバイス

ツナ缶(カツオ)には、動脈硬化を予防する良質な脂質のDHAやEPAが含まれるだけでなく、タウリンが含まれます。缶詰は、新鮮なうちに加工されているため、栄養素がぎゅっと詰まった優秀でお手軽な食材です。

また、玉ねぎには胆汁酸の生成に欠かせないビタミンCや血流を促す硫化アリルなどが含まれています。さらに、切り昆布には、水溶性食物繊維が含まれており余分な脂質の吸収を抑えてくれます。

材料(3~4人分) 分量
切り昆布 75g
玉ねぎ 1個
水菜 50g
ツナ缶(オイル入り) 1缶(70g)
大さじ2(30g)
しょうゆ 小さじ1
粒マスタード 小さじ1

作り方

  1. 切り昆布をざく切りにする。※乾燥切り昆布の場合には、あらかじめお湯または水で戻しておく。
  2. 玉ねぎを繊維を断つように薄くスライスし、バットなどに広げておく。
  3. 水菜を3㎝程度に切る。
  4. ボウルにツナ缶、酢、しょうゆ、粒マスタードを入れてよく混ぜる。
  5. ④に①~③を加えてよく混ぜて完成

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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