骨粗しょう症におすすめのレシピ

骨粗しょう症におすすめのレシピ

骨粗しょう症ってどういうもの?

骨粗しょう症とは、骨の量(骨量)が減り、骨がもろくなって骨折を起こしやすくなった状態をいいます。
骨は一度成長してしまうと変わらないように思われがちですが、絶えず代謝を行い生まれ変わっています。
この生まれ変わりのサイクルを「骨代謝(骨のリモデリング)」といいます。
骨では「破骨細胞」と「骨芽細胞」という2つの細胞が働いています。
破骨細胞は骨を次々に溶かして破壊し(骨吸収)、骨芽細胞は破壊された骨をもとの形に再生します(骨形成)。
両者のバランスが保たれていると常に健康な骨が維持できますが、何らかの原因でバランスが崩れると骨量は減っていき、骨粗しょう症になってしまいます。

健康管理士からのワンポイント
『骨のリモデリング(骨代謝)とは』

骨は頑丈で成長後は、ずっと変化をしないように思っている方も多いと思いますが、成長期はもちろん、成長後も一定のサイクルで骨をつくる「骨形成」と、骨を壊す「骨吸収」を絶えず繰り返しているんですよ!
骨をつくるのが「骨芽細胞」、骨を壊すのが「破骨細胞」で、この2つが交互に活躍し、新陳代謝をつかさどることにより骨は生まれ変わり、再び健康でしなやかな状態を保つことができるのです。
しかし、加齢とともに骨代謝そのものが衰え、骨吸収に骨形成が追いつかなくなるため、骨の修復がしにくくなるのです。
これに加えて、腸から栄養素を吸収する力が低下するため、加齢とともに骨量が減少していくのです。

どんな症状があるの?

骨がもろくなり脊椎がつぶれて、背中が丸くなる、背が低くなる、背中や腰の痛みなどの症状が現れます。
また、骨は表面の硬い「皮質骨」のほかに、内側に「海綿骨」と呼ばれる小さな骨が網目状に存在しています。
この海綿骨は骨にかかる圧力を散らす働きを持っていますが、骨粗しょう症になるとここがスカスカになってしまい、特に海綿骨の割合が多い肩や手首、足の付け根や腰骨に骨折を起こしやすくなります。
つまずいて転んだり、くしゃみをしたり、重いものをもったりという軽い衝撃だけで骨折を起こすのも骨粗しょう症の大きな特徴です。

骨粗しょう症の症状

骨粗しょう症の原因は?

年齢を重ねると誰でもなる可能性はありますが、そのほかに生活習慣や病気が原因で骨粗しょう症になる時期が早まったり、悪化したりする場合があります。

また、骨粗しょう症は女性に多いことが知られていますが、これは女性ホルモンが深く関係しています。女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、破骨細胞の働きを抑制し、骨代謝のバランスを保つ働きがあります。
閉経するとエストロゲンが激減するため、骨量が減ってしまうのです。
さらに妊娠・出産によっても骨のカルシウムを大量に消費するため、男性よりも骨粗しょう症のリスクが高くなります

生活習慣によるもの

  • 偏食・カルシウム不足
  • 運動不足
  • アルコール・コーヒーの多量摂取
  • 喫煙
  • 日照不足
  • 無理なダイエット

病気によるもの

  • 卵巣切除
  • 消火器疾患・胃切除
  • 糖尿病
  • 甲状腺疾患
  • ステロイド剤の長期服用
  • 慢性腎不全
  • 関節リウマチ

どうしたら予防・対策ができるの?

治療を行うことにも、また予防することにおいても「食事」「運動」「適度な日光浴」といった生活習慣の改善が大きなポイントになります。
食事で骨をつくるのに必要な栄養素をしっかり取り、運動を行って骨に圧力を加えて強く丈夫な骨をつくります。
日光浴もビタミンDを生成するのに大切なこと。きちんと見直して、いつまでも丈夫な骨をつくりましょう。

食事

偏った食生活や無理なダイエットは骨をつくるカルシウムやビタミンDといった栄養素の不足を招くだけでなく、骨を支える筋肉も弱まってしまいます。
特に高齢者の方は消化器官の衰えによる食欲不振や消化不良などにより、低栄養になりがちです。栄養バランスに気をつけて、しっかりと取りましょう。

骨を強くする 栄養素
栄養素 作用 主な食材
カルシウム 骨、筋肉の形成 乳製品、煮干し、干しえび、小松菜
ビタミンD 歯、骨の形成 鮭、カツオ、干ししいたけ、きくらげ
マグネシウム 骨、筋肉の形成 豆類、種実類、穀類、海藻類

カルシウムが不足すると、血液中のカルシウム濃度を一定にしようと骨からカルシウムが溶け出し、骨量が減ってしまいます。
1日600g以上取ることを目標にしましょう。チーズや牛乳といった乳製品だけでは必要量の摂取は難しいため、緑黄色野菜や煮干し、小魚といったさまざまな食材からカルシウムを取るとよいでしょう。

ビタミンDは腸からのカルシウムの吸収を促したり、骨へカルシウムの沈着を促したりする働きがあります。食べ物として体内に取り入れるほか、日光を浴びると皮膚にあるプロビタミンDがビタミンDとなり取り込まれるものがあります。
こちらも不足しないよう、しっかりと取りましょう。

マグネシウムは体に広く分布しているため摂取不足が骨に直接関係するわけではありませんが、不足するとカルシウムとのバランスが崩れ、骨に影響を及ぼします。

運動

運動をすると骨が適度に圧迫され、その刺激によってカルシウムが骨に沈着し、太く強くします。
また、運動には筋力を強化する働きもあるため、骨を支え、転倒を予防する効果があります。
ただし、心臓やひざ、腰にも負担がかかるため、自分の状態に合わせてウォーキングやジョギングなどの軽い運動を毎日続けましょう。

適度な日光浴

皮膚でビタミンDを生成するには日光が欠かせません。日が照っている時間帯に1日30分程度は外に出るようにしましょう。

おすすめ健康レシピ

おすすめレシピ1
まいわしのつみれ汁

まいわしのつみれ汁

骨をつくるカルシウム、そのカルシウムの吸収を促進する働きがあるビタミンDを豊富に含むまいわしを、これもまたたっぷりのカルシウムを含む小松菜を具に加え、マグネシウムたっぷりのみそ仕立てでつみれ汁にしました。
つみれはすりこぎですりおろして作ることが多いですが、今回はより簡単にフードプロセッサーを利用して作ります。
なめらかな食感がよい場合はプロセッサーを回す時間を長めにしてください♪

管理栄養士・健康管理士からアドバイス

まいわしの旬は5~10月です。
まいわしは近海の天然物が豊富に取れる魚で、古代の時代から日本人の食料として利用されてきました。
さらにカルシウム、ビタミンD、ビタミンEなどが豊富に含まれる栄養満点な食材。
鮮度落ちが早いので、買ってきたらできるだけ早めに調理しましょう。

材料(2人分) 分量
まいわし 2尾
生姜 1/2片
小松菜 1把
だし汁 1と1/2カップ
(A) 溶き卵 1/4個
(A) 片栗粉 大さじ1
(A) 塩 一つまみ

作り方

  1. まいわしは頭と内臓を除いて水でよく洗い、水気をきったらザク切りにして、フードプロセッサーに入れます
  2. 身の形がほんの少し残っている程度でプロセッサーのスイッチを切り、ボウルに移します
  3. ②にすりおろした生姜、Aをいれ、しっかりと混ぜます
  4. 鍋にだし汁を入れ、沸騰したら3.をスプーン2本で丸めながらいれていきます
  5. あくをすくいながらつみれに火を通し、みそを溶き入れます
  6. 小松菜をさっと下ゆでし、3cmの長さに切ります。⑤に入れてひと煮立ちしたら完成です

おすすめレシピ2
きくらげ・小松菜・桜えびのにんにく炒め

きくらげ・小松菜・桜えびのにんにく炒め

きくらげ・小松菜・桜えびを使った香り豊かな簡単レシピです!今回はきくらげ・小松菜を使用していますが、旬の食材を使ってみると季節の味を楽しめます!ぜひ試してみてください♪

管理栄養士・健康管理士からエコアドバイス

今回は、きくらげ・小松菜・桜えびを使ったレシピです。
カルシウムを豊富に含む桜えびは、風味が良く味にアクセントを付けることができるので、薄味でも美味しく仕上がります。
また、きくらげに含まれるビタミンD、小松菜に含まれるカリウムは、カルシウムの吸収を骨に取り込むのを助けるため、どちらも骨の健康に欠かせないビタミンです。

材料(2人分) 分量
きくらげ 3枚
小松菜 2株
桜えび 10g
ごま油 大さじ1/2
にんにく 1かけ分
少々
胡椒 少々

エネルギー(1人分):約80kcal

作り方

  1. きくらげ・小松菜を一口大に切ります。
  2. フライパンにごま油を入れて中火で熱し、刻んだにんにく、小松菜、きくらげ、桜えびを炒めます。
  3. 塩・胡椒で味を調えたら完成です。

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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