塩麹が健康に良いと言われているのをよく聞きますが、塩麹の効果について、ご存知でしょうか?
麹とは日本独自の発酵食品です。
酵とは、微生物が増えていく中でその微生物が持つ酵素によって元の成分が別の成分に変化することを言います。発酵食品は微生物利用食品とも言われています。その発酵食品の例が酒類だと大麦や麦芽(原料)が酵母(微生物)によって変化したビール、調味料だと大豆、小麦(原料)がこうじかび(微生物)によって変化したしょうゆ、食品だと小麦粉(原料)が酵母(微生物)によって変化したパンなどがありますね。
それでは発酵食品の一つである麹についてご紹介します。
麹とは、米、麦、大豆などの穀物に、コウジカビなどの食品発酵に有効なカビを繁殖させたもので、みそ・みりん・日本酒・しょう油などを製造するときに用います。
米からできた麹を米麹、麦からできた麹を麦麹、豆からできた麹を豆麹といいます。
日本には約200種類の麹菌が生息しているといわれています。ニホンコウジカビはみそ・みりん・日本酒などの製造に使われ、ショウユコウジカビはしょう油の製造に使われています。
麹菌は穀物に繁殖するときに100種類以上の酵素を作るといわれています。代表的なものに、デンプンをブドウ糖に分解する酵素(アミラーゼ)、タンパク質をアミノ酸に分解する酵素(プロテアーゼ)、脂肪を分解する酵素(リパーゼ)、食物繊維を分解する酵素(セルラーゼ)などがあります。これらの酵素の働きにより、麹は穀物が分解されて作られた糖、アミノ酸、ビタミン類などを豊富に含んでいます。
麹について分かったところで、続いて塩麹についてご紹介します。
米麹と塩と水を混ぜ合わせ熟成させて作り、漬け物床や調味料として塩の代わりに使うなどいろいろな料理に使うことができます。米のデンプンやタンパク質などが、酵素により分解されてできた甘みや旨みがあり、普通の食塩に比べて栄養豊富でこくがあるおいしい調味料としていろいろな料理に活用できます。市販されているものもありますが、乾燥麹や生麹などを使って自宅で手作りすることもできます。
塩麹は乳酸菌を豊富に含んでいます。乳酸菌は腸内環境を整える働きがあり、便秘の予防・改善の効果が期待できます。だた、一度に摂取できる量に限りがあるので、食物繊維を含むきのこや海藻類と一緒に食べることで効果を実感しやすくなるでしょう。さらに、腸内環境が整うと肌の調子を良くしたり、免疫力も高めることができます。また、麹菌の酵素により食材を分解しやすくなり、柔らかくなるので体に負担をかけずに食物を摂取することができます。
塩麹は麹菌だけでなく乳酸菌や酵母などの働きにより、ビタミンB群を豊富に含んでいます。ビタミンB₁は糖質をエネルギーに変え、B₂は糖質、脂質、たんぱく質をエネルギーに変え、ビタミンB₆はたんぱく質をエネルギーに変えるなどの働きがあります。エネルギー代謝に大きく関わっているビタミンB類が疲労回復の助けとなり、口内炎の防止、肌荒れ防止にも繋がるのです。
継続的に塩麹を摂取することで日頃の疲労回復に繋がり翌日が楽になることが見込めます。また、糖質を食べるときにビタミンB₁が不足すると太りやすくなるのですが、塩麴と合わせることでエネルギーに変えてくれます。
ただ、このビタミンB類は水溶性ビタミンで熱に弱い性質を持つため、塩麴をサラダのドレッシングで使うなど加熱を加えず食べるようにするとより効果が期待できます。糖質と摂るときは、例えばパスタの出来上がりのころにさっと加えると良いです。
年をとれば誰にでも起こる、自覚症状のない動脈硬化。狭心症や脳梗塞、腎不全の原因にもなる動脈硬化を、塩麴を使用して他の調味料の使用量が減り塩分が抑えられたり、栄養を摂ることで予防ができます。
上記のようにいろいろな効果が期待できそうですね。
では塩麹をおいしく簡単に食べられるレシピをご紹介します。
材料 | 分量 |
白菜(キャベツなどでもよい) | 1/4個 |
塩麹 | 大さじ5~6 |
※好みで柚子の皮や、切り昆布などを入れても良いです。
お肉はしっとりと魚はパサパサにならずに焼きあがります。
材料名 | 分量 |
豚ロース肉 | 2枚 |
塩 | 少々 |
塩麹 | 大さじ2~3 |
油 | 少々 |
※豚ロース肉以外にも、鶏もも肉や鮭、さばなどもおいしく食べられます。
私たちの生活の一部として麹を使った食品はなじみの深いものですが、改めて麹について知ることができたのではないでしょうか!