朝食習慣を身につけるために ~その1~

朝食習慣を身につけるために ~その1~

朝食は大切と分かっていても、忙しい朝はついつい、飲み物やお菓子で済ませたりしていませんか?
朝食をきちんと毎日とる習慣を身に付けるためにも、まずは朝食の大切さを見直していきましょう。

朝食習慣を身につけるために

朝食習慣を身につけよう

朝食は、昼食や夕食よりも軽視されがちかもしれませんね。
厚生労働省の調査(平成29年国民健康・栄養調査結果)によると、朝食欠食率は男性15.0%、女性10.2%と報告されており、欠食率が最も高いのは男女共に20歳代で、男性はおよそ3人に1人が女性ではおよそ4人に1人が朝食をとっていないという結果になっています。

しかし、朝食をとることで、1日を気持ちよく始められる上に「頭シャッキリ、おなかスッキリ、元気モリモリ」の三大効果が得られるのです。

朝食=切り替えスイッチ

朝食=切り替えスイッチ

朝食は脳と体を目覚めさせ、1日を活動的に開始するためのスイッチなのです。私達の体は、朝食をとる際の「動き」と、朝食から補う「栄養素」によって、おやすみモードから活動モードへと切り替えられています。
つまり、朝食をとることで、午前中からエンジン全開の状態で活動できるのです。
しかし、朝食をとらないと、活動モードへと本格的に切り替わるのは昼食後になるため、午前中は頭も体もうまく働かない一方で、夜になっても目が冴えて、夜食のとりすぎや、夜更かし、朝寝坊、便秘という悪循環に陥りやすくなってしまい体内時計を乱す原因になります。

朝食の三大効果

次に、朝食の三大効果「頭シャッキリ、おなかスッキリ、元気モリモリ」について紹介します。

三大効果① 頭シャッキリ

朝食をとる際の、食物を噛むという「動き」によって、脳が刺激され、脳の血流が増加してその働きが高まります。
また、朝食から補う炭水化物(ブドウ糖)によって、脳の唯一のエネルギー源が確保され、脳の働きが維持されます。

ブドウ糖は、食後の時点で約12時間分の量が肝臓に蓄えられていますが、朝食をとらないと、前日の夕食から翌日の昼食まで12時間以上に渡ってブドウ糖が補給されない状態が続きます。すると、脳の働きが正しく維持できず、午前中から眠い、だるい、ボーッとする、などの症状があらわれ脳機能の低下にも繋がります。

脳は、睡眠中はさほどブドウ糖を消費していないように思われがちですが、生命を維持するための働き、つまり、体温や呼吸、心拍を保つ働きなどを調節するために、実は、起床時と同じくらいの量のブドウ糖を消費しているのです。そのため起床後1時間以内にご飯やパンなどの糖質を摂ることが望ましいと言えます。

頭シャッキリ

三大効果② おなかスッキリ

さらに、朝は排泄の時間でもあります。朝食をとる際の、食物を飲み込み消化するという「動き」によって、胃腸が刺激され、胃腸の動きが活発になって排便の体勢が整います。
食物によって胃が刺激されると、その情報は神経を介して大腸へ伝わります。すると、大腸に大きな収縮運動が起き、大腸の中にとどまっていた便が、直腸へ一気に移動するのです。

次に、直腸に到達した便によって直腸壁が刺激されると、その情報は神経を介して大脳へ伝わります。すると、排便したいという感覚、つまり便意が生じます。この便意を感じているうちにトイレに行き、お腹に力を入れれば、スムーズに排便することができます。

体の中に溜まった老廃物や不要なものを体の外に排泄するためにも食繊繊維が豊富な野菜や果物を食べるように意識しましょう。

おなかスッキリ

三大効果③ 元気モリモリ

朝食をとる際の、噛む・飲み込む・消化吸収するという「動き」と、朝食から補う炭水化物・タンパク質・脂質等の栄養素によって、睡眠のために下がっていた体温が、活動に適した36.5℃前後付近まで上がり始めます。

さらに、朝食後に、歩くなどの活動を行うことで、体温は本格的に上がり、維持されます。例えば、朝から働く人の場合、朝食をとり、通勤のために歩くことで、準備運動を済ませた絶好調の体で出社し、仕事に取り組むことができるのです。

しかし、朝食をとらないと、歩くなどの活動そのものによって一時的に体温が上がりますが、出社後に再び低下の一途をたどります。これによりエネルギー代謝が低下し肥満になりやすい原因にもなります。

元気モリモリ

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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