日本人の死亡原因で、もっとも多い病気はがんです。
その中でも大腸がんは、男女ともに日本人が増加傾向のあるがんのひとつです。
特徴としては、50歳過ぎから増加しはじめ、高齢になればなるほど多くなることです。
大腸がんは大腸粘膜からできる悪性腫瘍で、発生部位により、「結腸がん」と「直腸がん」の2つに分けられます。
大腸は大きく分けて、結腸と直腸からできています。
さらに結腸は、盲腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸に分類され(直腸は、直腸S状部、上部直腸、下部直腸に分類されます。)ます。
それぞれについてのがん発生率は、直腸がんが4割でもっとも多く、残り6割の結腸がんは、S状結腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸・そして盲腸(虫垂)の順になります。
大腸がんの症状は、がんの発生部位と、進行具合によって変化します。
大腸がんは、大腸の壁のもっとも内側にある粘膜から発生します。粘膜より深いところまでがんが広がっていないうちは、早期の大腸がんでは自覚症状が無いことがほとんどです。
粘膜を越えて、がんが大腸の壁の外側に向かって広がるにつれて、症状が現れるようになります。
血便、排便時の不快感・残便感、下痢、細い便が出るなどの症状が出ますが、腹痛はあまりありません。
肛門・直腸に近い側で、便を固形化する場所のため、右側に比べると症状が出やすいのが特徴です。便の通りが悪くなりお腹が張ったり、下痢を繰り返したりする、などの症状が出ます。出血や腹痛が起こることもあります。
左側に比べると、出血に気付きづらく、血便もわかりにくいといえます。下痢がよくみられ、お腹の張りや腹痛も起こるときがあります。
症状が悪化すると、大腸がふさがって腸閉塞になってしまい、痛み・はき気が起こることもあります。
大腸がんに特徴的な症状はないため、他の状況によっても同じ症状がみらることがあります。上記の症状がひとつでもあった際には早めに医師による診察をおすすめします。
大腸がんの原因は、生活習慣、加齢、遺伝子的要因などがあると考えられています。
食生活の欧米化が考えられます。高カロリーや高脂肪で繊維質の少ないものばかり食べていると、大腸がんになる確率があがるようです。
特に男性の結腸がんリスクが高まるとされています。肥満は、大腸がんのリスクファクターです。運動で解消しましょう。
便秘などで便が大腸に残った状態にしておくのは、大腸に負担がかかり、腸内環境も悪化してしまいます。
高齢者になると、大腸がんの確率も上がり、もっとも多い年齢は 60歳代、次に70歳代、50歳代となります。
あらゆるがんでも原因の一つと考えられるのが遺伝によるもので、大腸がんの一部も遺伝により発生することがわかっています。
同一家系内に大腸がんの患者がいる場合は、通常よりも大腸がんにかかる可能性は高くなると考えられます。
大腸がんの発症は、運動や食事など、日頃の生活習慣と関連があると考えられています。
大腸がんは、早期発見であればほぼ完治するとされています。ただし、早期の場合の多くは自覚症状がないため、発見しにくいのが現状です。
早期発見をするためには、便潜血検査や大腸内視鏡検査などを定期的に受けることが非常に重要です。
野菜類、豆類、果物、穀類、海草類、きのこ類、ビタミンC・Eは大腸がんの危険度を下げる効果があるといわれているので、これらの食べものをバランスよくとるようにしましょう。
食物繊維の大腸がんの予防効果については否定されていますが、食物繊維を多く含んだ食事をとることは便通を整え、それにより、腸内環境が改善され、発がん物質と腸粘膜の接触時間を短くするため、大腸がんの予防につながると考えられています。
また、近年がんの発生要因とされている「活性酸素」を抑える物質を多く含む食品(抗酸化食品)を摂ることもがん予防として有効であると考えられています。抗酸化物質には、ビタミンA(β―カロチン)・C・Eなどがあります。
栄養素 | 作用 | 主な食材 |
---|---|---|
食物繊維 | 腸内環境の改善 | ゴボウ、芽キャベツ、白菜、オートミール、おから、糸引き納豆、干しシイタケ、海藻類、玄米、大豆、全粒小麦、干し柿など |
ビタミンA(β―カロチン) | 活性酸素の生成を抑制 | レバー、うなぎ、あんこう肝、銀だら、ほたるいか、にんじん、かぼちゃ、にら、小松菜、ほうれん草 |
ビタミンC | 活性酸素の生成を抑制 腸内の善玉菌を増やす |
赤ピーマン、小松菜、ブロッコリー、芽キャベツ、じゃがいも、イチゴ、レモン、キウイ、オレンジ、グレープフルーツ |
ビタミンE | 活性酸素の生成を抑制 | うなぎ、はまち、たらこ、アボカド、かぼちゃ、ほうれんそう、アーモンド、植物オイル |
ビタミンD | 大腸ガンを防ぐ | アンコウ(きも)、紅鮭、さんま、いさき、まぐろ、きくらげ、干ししいたけ、きのこ類 |
乳酸菌 | 腸の運動を促進し便秘を防ぐ | ヨーグルト、味噌、醤油、ぬか漬け、キムチ、チーズ |
赤身肉(牛肉、豚肉、羊肉など)や加工肉(ハム、ソーセージ、ベーコンなど)などの肉類は、大腸がんのリスクを高めてしまう食品として考えられているため、控えましょう。
お酒は多くの病気との関連があるので、あまり飲まないようにしましょう!
肥満は、高血圧や糖尿病などの多くの生活習慣病の原因となり、大腸がんのリスクを高めるとされています。
適度な運動は肥満の予防や解消に効果があり、大腸がんのリスクを下げると考えられています。また、運動することによって腸の動きが活発になり、便通がよくなったり、免疫力が高まることも大腸がんの予防につながるといえるでしょう。
十分な睡眠で、心身の疲れを癒すことも大事なことです。
また、たばこも控えるようにしましょう。
寒い季節は、白菜が旬をむかえて大変美味しくなっています。
白菜は、大腸がんの予防に効果のある食物繊維が豊富です。
また、抗酸化作用が期待できるビタミンCも多く含まれています。
しいたけのかさには、エシチンという抗がん物質が入っているので、大腸がんの予防には理想的な組み合わせですね。寒い季節に、暖かい鍋料理を食べて、がんも撃退しましょう!
白菜の旬は、11~2月です。
白菜はビタミンC・カリウム・カルシウム・マグネシウム・亜鉛・食物繊維などの栄養素をバランスよく含んでいるのが特徴です。
約95%は水分ですが、特にビタミンC、食物繊維を豊富に含んでいます。
また、白菜には発がん性物質を解毒する作用がある、「インドール」という植物性ホルモンが含まれています。このため、大腸がんや胃がんに効果があるといわれています♪
材料(4人分) | 分量 |
---|---|
白菜 | 小1玉 |
豚バラ薄切り | 400g |
鶏モモ | 400g |
干し椎茸(どんこ) | 8枚 |
春雨 | 100g |
ごま油 | 大さじ4 |
粗塩 | 適宜 |
一味 | 適宜 |
ごはん | 適宜 |
発酵食品のキムチと味噌、さらに食物繊維が豊富なきのこ、こんにゃく、ごぼうを加えた体温まるスープのレシピです。
便秘の改善の予防にもぴったりですので、ぜひ試してみてください♪
今回は「キムチ」を使ったレシピです。キムチには善玉菌のエサとなる乳酸菌が多く含まれており、腸内環境を整える働きがあります。
善玉菌が増えることで、便秘の改善や、肌お肌の状態が良好になる、また、免疫力の向上や大腸がんの予防にもつながります。
キムチは発酵食品であるため、日々発酵が進み乳酸菌が増え、乳酸菌が産生する乳酸により酸味が強くなります。
少し食べづらいと感じるときには、炒め物やお鍋などに使用すると食べやすいでしょう。
材料(2人分) | 分量 |
---|---|
キムチ | 100g |
味噌 | 大さじ3 |
醤油 | 少々 |
かつおだし | 小さじ1 |
水 | 500ml |
きのこ | 50g |
こんにゃく | 50g |
ごぼう | 50g |
エネルギー(1人分):約85kcal