なんとなく不調・・・「自律神経」を整える暮らし

なんとなく不調・・・「自律神経」を整える暮らし

日々忙しく過ごす中で、朝起きるのがつらい」「やる気が出ない」「疲れが抜けない」といった「なんとなく不調」を感じたことはありませんか?
そのような不安定な状態の背景には、「自律神経の乱れ」が隠れているかもしれません。

自律神経は、心とカラダをつなぐ大切な働きをしています。
この記事では、身近な習慣を見直しながら、自律神経を整えるヒントをわかりやすく紹介いたします。

自律神経って何?

自律神経とは、自分の意思とは関係なく、呼吸や心臓の動き、体温調節など、生命維持に必要な機能を24時間休むことなく調節している神経のことです。
カラダを活発に活動させる交感神経と心身をリラックスさせる副交感神経の2つから成り立ち、それぞれバランスを取りながら働いています。

自律神経が乱れる原因は?

精神的ストレス

精神的な緊張や不安が続くと、脳では感情を司る大脳辺縁系がストレスを受け、交感神経が常に優位になり、リラックスを司る副交感神経とのバランスが崩れます。

生活習慣の乱れ

自律神経は「体内時計」と深く関係している為、睡眠不足をはじめとした生活リズムの乱れも影響を与えます。

ホルモンバランスの変化

ホルモンと自律神経は、ともに脳の視床下部でコントロールされています。そのため、密接に連動しており、更年期や妊娠・出産後のホルモンの変化が自律神経の働きにも影響します。

環境的な要因

気温や気圧など、季節の変わり目や環境の変化といった外部環境の刺激も、自律神経の働きを乱す要因になります。

 

セルフチェックシート

以下の項目に当てはまるものが多い場合、自律神経のバランスが崩れている可能性があります。
一度ご自身の状態をチェックしてみましょう。

睡眠の問題

□  寝つきが悪く、夜中に何度も目が覚める
□  朝起きても疲れが取れていない

身体の不調

□  頭痛やめまい、立ちくらみが起こりやすい
□  呼吸が浅く、息苦しさを感じることがある
□  動悸が気になることがある
□  手足が冷えやすく、しびれを感じることがある
□  慢性的な肩こりや腰痛がある
□  耳鳴りが気になる
□  風邪をひきやすく、体調が安定しない

心の状態

□  些細なことで不安になったり、イライラしやすい
□  気持ちが落ち着かず、そわそわしてしまう
□  物事に過剰に反応してしまう

消化・食欲の変化

□  胃の不快感(胃もたれ・胸やけなど)が続いている
□  下痢や便秘を繰り返している
□  食欲がわかず、体重が減ってきた

チェックリストで該当する項目が多い場合、自律神経が乱れている可能性があります。
心身の不調が続くと感じる方は、無理をせず、早めに専門機関へ相談することをお勧めします。
特に気分の落ち込みや不安感、身体の症状が日常生活に支障をきたしている場合は、精神科や心療内科などの医療機関での診察が安心につながります。

 

今日からできる習慣

日常生活を少し工夫することで、自律神経は整いやすくなります。
今日からすぐに始められる具体的な習慣をご紹介します。

朝の習慣「交感神経をやさしく起こす」

朝日を浴びる

朝日を浴びることで、体内時計を整えて気分の調整をしてくれるセロトニンの分泌を促進します。

 

軽いストレッチや散歩

血流を促すことで、交感神経を自然に活性化させます。

 

朝食を摂る

睡眠中に低下した体温を上昇させて、休息モードの副交感神経から活動モードの交感神経へとスムーズに移行させます。

 

日中の習慣「緊張をためない」

1時間に1回深呼吸(5回)

ゆっくりとした深い呼吸の深呼吸は、副交感神経を刺激して緊張をリセットします。

 

水分をこまめにとる

適度な水分補給は、血流と代謝を保ち、神経の働きをサポートします。

 

スマートフォンやパソコンの長時間使用を避ける

目の疲れや姿勢の乱れや筋肉の緊張などによる、交感神経の過剰な刺激を防ぎます。

 

夜の習慣「副交感神経を優位に」

ぬるめのお湯で入浴(38~40℃)

ぬるめのお湯で入浴することで、血管が拡張してリラックス状態となり、副交感神経が優位になります。

 

寝る30分前のスマートフォンの使用をやめる

強い光を浴びると、睡眠と覚醒のリズムを調節するホルモンの「メラトニン」の分泌が妨げられてしまいます。

 

同じ時刻に寝る

睡眠リズムが整うことで、自律神経も安定します。

食の習慣 「内臓の負担を減らす」

カフェインの過剰摂取を控える

カフェインには、交感神経を刺激するほか、過剰に摂取することで、消化器管を刺激し下痢や吐き気が起こることもあります。

 

発酵食品や食物繊維を摂る

脳と腸は互いに影響しあう(脳腸相関)ため、腸内環境が整うと、自律神経も安定しやすくなります。

 

食べ過ぎ・早食いを避ける

胃腸への負担が減り、神経の過剰反応を防ぎます。

 

食べ物で整える腸活

1日3回の規則正しい食事は、体内時計をリセットして自律神経を整えてくれます。
特に自律神経が乱れているときは、栄養バランス(たんぱく質・食物繊維・良質な脂質・ビタミン・ミネラル)のとれた食事を摂ることが大切です。さらに発酵食品も積極的に取り入れると腸内環境が整います。

腸活のポイント

  • 発酵食品は1日2~3回取り入れる
  • 食物繊維は「不溶性+水溶性」をバランスよく
  • 良質なたんぱく質(魚・豆・鶏肉)を毎食意識する
  • 冷たいものより「温かい・常温」で腸を守る
  • よく噛んで、ゆっくり食べることで腸の負担を減らす

自律神経のはたらきは、年齢とともに低下すると言われており、意識的に自律神経を整えることが重要です。
大切なのは「頑張ること」より「ゆるく続けること」です。

朝日を浴びたり、スマホを手放して眠ったり、少しの意識で体と心は変わっていきます。
完璧を目指さなくても、「できることから、できる範囲で」始めることが大切です。

 

食DOでは、過去に腸活についての記事を掲載しております。

よろしければぜひご覧ください。

<“腸活”で免疫力を高めよう♪>
https://www.shoku-do.jp/column/co_0164_intestinal-activity/

<花粉症対策には腸内環境が重要!?「きな粉ヨーグルト寒天」で腸活!>
https://www.shoku-do.jp/column/co0296_hayfever_intestinalenvironment/

 

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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