辛さの正体~カプサイシンの秘密~

辛さの正体~カプサイシンの秘密~

近年ではカプサイシンを使った食品やサプリメント、さらには化粧品なども登場し、その名を目にする機会が増えてきました。 カプサイシンは、私たちの体にさまざまな反応を引き起こす成分です。今回は、その正体と働き、そしてメリットだけでなく、デメリットまで、バランスよく見ていきましょう。 

 カプサイシンってなに?

カプサイシンは、唐辛子に含まれる辛味の主成分です。
化学的には「カプサイシノイド」と呼ばれるグループに属する天然の有機化合物です。 

 カプサイシンの性質として 

  • 揮発しにくい
    乾燥させて粉にしても、辛味はほとんど逃げない 
  • 熱につよい
    調理で加熱しても、辛味はしっかり残る
  • 水に溶けにくいが、油・アルコール・酢には溶けやすい
    ラー油、唐辛子オイル、唐辛子酒などに辛味がよく移るのはこのため 

 カプサイシンは、舌や口の中の「痛み」を感じる受容体(TRRV1)を刺激します。
その結果、「熱い」「痛い」と脳が感じ、それを私たちは「辛い」と認識しています。つまり、辛さは、味覚というより痛覚に近い刺激となります。 

カプサイシンの健康効果 

カプサイシンは辛いだけの成分ではなく、体にさまざまな作用をもたらすことが知られています。 

代謝アップ・脂肪燃焼のサポート 

カプサイシンは、交感神経を刺激し、エネルギー代謝にかかわるホルモンの分泌を促すとされています。 

  • 体温が上がりやすくなる
  • 発汗が促される 
  • 脂肪の燃焼がサポートされる など 

このため、肥満予防やダイエットの一助として期待され、サプリメントや機能性表示食品にも利用されています。
ただし、カプサイシンを摂れば痩せるというより、あくまでもサポート役と考えるのがよいでしょう。 

 

血行促進・冷えの緩和 

カプサイシンによる刺激で血管が拡張し、血流が良くなるとされています。
その結果、手足の冷えが和らいだり、体がポカポカする感覚につながることがあります。 

 

痛み・炎症の軽減 

医療・医薬品の分野では、カプサイシンは張り薬や塗り薬として利用されることがあります。 

  • 慢性的な痛みの軽減
  • 神経痛や筋肉痛の緩和 など 

カプサイシンを繰り返し刺激として与えることで、痛みを伝える神経の感受性が一時的に低下し、痛みを感じにくくなるというメカニズムが利用されています。 

カプサイシンのデメリット 

カプサイシンには摂りすぎや体質によるデメリットもあります。 体にいいからと過剰に摂るのはおすすめできません。

胃腸への刺激 

カプサイシンは胃の粘膜を刺激しやすく、胃痛や胸やけ、胃もたれにつながることがあります。特に、胃炎や胃潰瘍がある人、もともと胃腸が弱い人は、辛い物を続けて食べていると症状が悪化しやすいため、注意が必要です。 

粘膜や皮膚への強い刺激

調理中に唐辛子を触った手で目をこすると激しい痛みを感じるように、目・口・喉・傷口などに触れると炎症を起こすことがあります。
これは、カプサイシンが痛覚受容体を直接刺激するためで、少量でも強い反応が出ることがあります。 

過剰摂取による不調

大量に摂取すると、下痢や腹痛、発汗過多、動悸などが起こることがあり、辛い物を日常的に多く食べる習慣は、長期的には胃腸への負担になる可能性があります。 

辛さ耐性がつくことも

刺激に慣れてしまうと、以前より強い辛さを求めるようになり、結果として摂取量が増え、胃腸への負担がさらに大きくなることがあります。 

カプサイシンは体に嬉しい作用を持つ成分の一方で、摂りすぎれば胃腸や粘膜への刺激が負担になることもあります 辛いものが好きな人は、楽しみながらほどほどを意識して、胃腸が弱い人や体調がすぐれない人は無理をせず控えめにすることが大切です。 

 

 

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著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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