痛風とは、血液中に溶け切らなかった尿酸が、結晶のような形で関節に付着し、免疫細胞が異物だと攻撃をすることで炎症を引き起こすもので、『風が吹いただけで痛む』ほどの激痛が起こることが病名の由来とも言われています。以前は中高年に多い病気でしたが、近年は食生活の変化により20~30代での発症も増えてきており、日頃の生活習慣が発症に大きく影響を及ぼします。また、男性の発症率が圧倒的に多く、成人男性の5人に1人が痛風予備群と言われているため、決して他人事の病気ではありません。今回は、痛風の原因となる食生活や痛風の予防策についても見ていきます。
尿酸は、細胞の中の核酸を構成する成分であるプリン体が分解されてできる物質です。通常、体内の濃度は一定に保たれており、過剰な分は尿として排泄されています。しかし、過剰につくられ過ぎたり、排出がうまくいかなくなったりすると「高尿酸血症」という状態が起こり、濃度が高くなることで痛風発作が起こります。
プリン体は、細胞の中で遺伝子のもとである核酸を構成する成分で、独特のプリン骨格と呼ばれる形を持っているものの総称です。遺伝情報はもちろん、エネルギーをつくりだすのに必要なATP(アデノシン三リン酸)もこの構造をとっています。人体はもちろんほとんどの食品に含まれており、特に卵巣や内臓、乾燥によって細胞が凝集されている干物などに多く存在しています。

赤く腫れあがって立ち上がることも歩くこともできなくなるほどの痛みが走ります。発作は、ほとんどの場合、足の親指の付け根部分に起こりますが、ほかの指や足首、ひざ、手の指、手首にも起こることがあります。初期の場合は治療しなくてもだんだんと症状が軽くなり、2週間ほどで痛みはなくなりますが、そのまま治療せずに放置しておくと慢性化し、尿酸がたまってこぶになる「痛風結節」や内臓の障害が現れます。

「体内の尿酸排泄が不十分」、プリン体の過剰摂取などによる「体内で尿酸が過剰に作られる」ことにより血液中に尿酸が増え過ぎるのが原因です。尿酸値が7.0mg/dLを超えると結晶ができやすくなるため注意が必要です。
尿酸の排出に関わる遺伝子の異常により、排出機能が低下することで発症する場合があります。
飽食の時代といわれる現代は高タンパク、高脂質の食事が日常となり、尿酸値が高くなることで発症しやすくなります。
アルコールは分解するときに尿酸が作り出され、さらにその際につくられる乳酸が尿酸を体内に蓄積させるため、一時的に尿酸値を上昇させます。「プリン体を多く含むビールだけ控えればよい」と思われがちですが、ビールだけでなくアルコールにはプリン体が多かれ少なかれ含まれており、アルコール自体が尿酸値を上げてしまいます。
運動は適度であれば肥満やストレスを解消するのに効果的ですが、激しい運動を行うと大量に汗をかき、体内の尿酸値濃度が一時的に高くなるほか、筋肉が消耗して乳酸が増加することで腎臓では乳酸の排泄も行われます。その結果、尿酸の排泄機能が低下して尿酸値を上昇させてしまいます。
強いストレスを受けると、自律神経のバランスが崩れることで、尿酸値は上がる傾向にあります。またストレスを受けやすい人ほど痛風になりやすい、といったデータもあります。
このように、遺伝的な体質のほか、食べ過ぎ、飲み過ぎといった生活習慣の乱れが要因として挙げられています。
食事療法や薬物療法が一般的です。食生活や運動など生活習慣を見直し、改善することが予防や悪化防止に繋がります。
暴飲暴食は控え、食べすぎには注意するようにしましょう。また、プリン体が多く含まれる食材はどのようなものがあるのかしっかりと把握することも大切です。
以前は、治療の際にプリン体を多く含む食品を厳しく制限していましたが、現在は医師の指示で行っていれば適量なら食べても問題ないとされています。1日にプリン体の量は400mgを超えないように注意を行い、肉、魚などたんぱく質が多く含む食品は控え、動物性の内臓類はなるべく避けて適正な摂取量を心掛けましょう。
| 極めて多い (300mg以上) |
鶏レバー、マイワシ干物、カツオ節、干しシイタケなど |
|---|---|
| 多い (200~300mg) |
豚レバー、牛レバー、カツオ、マイワシ、大正エビ、マアジ干物など |
| 少ない (50~100mg) |
ウナギ、ワカサギ、豚ロース、豚ばら、牛肩ロース、マトン、ボンレスハム、ベーコン、つみれなど |
| 極めて少ない (~50mg) |
コンビーフ、魚肉ソーセージ、かまぼこ、豆腐、牛乳、米、パン、うどん・そば、ヒジキ、ワカメなど |
尿酸が尿に溶けやすくなるには、ワカメやヒジキといった海藻類や野菜のようなアルカリ性の食品を取るとよいと言われています。毎回の食事の際に、これらが含まれる食べ物を取り入れ、意識しましょう。
外食となると、丼ものや揚げ物などカロリーが高いものを選びがちですが、近年はプリン体を制限するよりも、カロリー摂取量が過剰にならないように意識することが痛風の食事療法で推奨されています。そのため、なるべく野菜や海藻類、キノコ類が多く含まれている食事を選択し、腹八分目に控えるようにしましょう。また、定食は比較的野菜などが含まれるものが多いですが、干物定食やレバニラ定食、白子を含む副菜などはプリン体を多く含むため、注意が必要です。
水は、尿量を増やし尿酸の排泄を促してくれます。同じ水分でもジュースやスポーツドリンクなどは、糖分が多く含まれているため、水かお茶を選びたっぷりと水分補給を行いましょう。
アルコールは痛風の悪化要因の1つです。週に何回まで・どのくらい飲むのかいいのかなどルールをしっかりと設けて飲み過ぎないよう、適量を守りましょう。特にビールはプリン体が多く含まれているため、注意しましょう。
ストレッチやウォーキングなど軽い運動を適度に行うと肥満解消やストレス解消にも効果的です。激しい運動は逆に尿酸値を上昇させてしまいますので注意が必要です。運動で汗をかくので、水分補給は欠かさず行いましょう。

春菊は腎臓で老廃物の排せつを促すカリウムが豊富に含まれています。ひじきはアルカリ性の食品の代表格。肥満予防に効果的な食物繊維を多く含み、プリン体の量も少ない優秀な食品です。今回は練りごまを使用した簡単レシピ。低カロリーな白和えは副菜にもってこいです。
春菊の旬は11~3月です。春菊はβ-カロテン(ビタミンA)、ビタミンCが豊富に含まれており、プリン体も少ない青菜です。ほうれん草に比べてえぐみ成分であるシュウ酸が少ないため、生で食べることもでき、結石の心配もありません。ひじきと一緒に白和えにしてたっぷり取りましょう。
| 材料(4人分) | 分量 |
|---|---|
| 春菊 | 1束 |
| 乾燥芽ヒジキ | 10g |
| 絹ごし豆腐 | 1/3丁 |
| (A) 練りごま | 大さじ1 |
| (A) しょうゆ | 小さじ1 |
| (A) 砂糖 | 小さじ1強 |
| (A) 塩 | 少々 |

梅肉ソースを使った簡単レシピです!今回は梅肉や大葉などをソースに使用していますが、ポン酢などに味付けを変更しても楽しめます。
今回は、豚ロースと野菜を使ったレシピです。痛風が気になる方の食生活では、「プリン体を控える」「野菜を十分にとる」ということが大切です。豚ロースは、プリン体の含有量が比較的少ないため尿酸値の高い方にもおすすめです。またエネルギーの代謝を促すビタミンB1が豊富に含まれているため、疲れを感じやすい人やダイエット中の方にもおすすめです。野菜の多くは、尿酸を排せつしやすくしてくれる働きがあるので積極的にとりましょう。ソースは梅の酸味をいかし、酢と合わせるだけのシンプルな味付けで減塩の効果もあります。
| 材料(2人分) | 分量 |
|---|---|
| 豚ロース | 140 g |
| 白菜 | 1個 |
| 水菜 | 適量 |
| にんじん | 30 g |
| しめじ | 20 g |
| 梅肉 | 20 g |
| 大葉 | 1~2枚 |
| 酢 | 40ml |
エネルギー(1人分):約228kcal
このレシピはスープにして煮込むため、野菜をたくさん摂ることができるだけでなく、タラを加えることで主菜副菜にもなるスープです。また、カブを擦っているためとろとろとしたしたまろやかで飲みやすいスープとなっています。
痛風予防には、プリン体摂取を控えるだけでなく、生活習慣の見直しが大切です。プリン体は体内でも作られているため、体外に排泄できるような食事を摂ることが大切です。野菜の摂取のほか、ある研究ではヨーグルトや牛乳などの乳製品を摂取することでも尿酸の排泄を促してくれると言ったデータもあります。牛乳には乳脂肪が含まれているため、肥満が気になる方は低脂肪乳などがおすすめです。
| 材料(2人分) | 分量 |
|---|---|
| タラ | 1切 |
| にんじん | 40g |
| 玉ねぎ | 80g |
| しめじ | 30g |
| カブ | 中玉1個 |
| オリーブオイル | 小さじ1 |
| コンソメ | 小さじ2 |
| 低脂肪乳 | 200ml |
| 塩 | 少々 |
| 水 | 150ml |
| こしょう | 少々 |
| 塩 | 少々 |