二日酔いにおすすめのレシピ

二日酔いにおすすめのレシピ

二日酔いってどういうもの?

二日酔いとは、自分自身の持つアルコールの代謝能力以上のアルコールを摂取し、翌日になっても、頭痛や吐き気、めまい、食欲不振、不快感などが残っている状態をいいます。

健康管理士からのワンポイント
『日本人はお酒に弱い・・・』

お酒に強いか弱いかは、アルコールの分解時に必要な酵素の遺伝子構造によって決まり、日本人の半数近くが「お酒に弱い」体質にあるとされているんです!

ALDH(アルデヒド脱水素酵素)にはアセトアルデヒドが低濃度の時に働く「ALDH2」と、高濃度にならないと働かない「ALDH1」があるのですが、日本人の約半分が、生まれつき「ALDH2」の活性が弱いもしくは欠けています。
そのため、アセトアルデヒドを速やかに分解できず、少量のアルコールでも悪酔いしやすかったり、全く飲めないといった「お酒に弱い」体質ということになるのです。

この特徴は、日本人のみならず、黄色人種に多く見られるようです。
この体質は、遺伝する可能性が高いので、お酒に弱いタイプの方は、自分の体質を認識し、なおかつ周りの人にも知ってもらい、体質に応じた飲み方を守っていくことがとても大事です。

どんな症状があるの?

二日酔いの症状は、軽いものから重いものまでいろいろあります。

主な症状としては、
頭痛・吐き気・喉の渇き・体の震えなどがあげられます。

翌日にもアルコールが体内に残っている場合は、酩酊感やふらつき、ろれつが回らないなど、一般的な酒酔い症状が残ることもあります。

症状

二日酔いの原因は?

アルコールは口から入ると約2割が胃で、残りの約8割が小腸から吸収されて、血液に入り、数分で全身にいきわたります。

血液に入ったアルコールが循環されて脳に到達すると、アルコールが脳の神経細胞に作用し、脳の働きを抑制し麻痺させ、その結果として酔った状態になります。

体内に入ったアルコールのほとんどは肝臓で代謝され、アセトアルデヒドからアセテート(酢酸)に分解されます。
その後、アセテート(酢酸)は血液にのって全身をめぐり、やがて水と二酸化炭素に分解され、尿・汗・呼気から体外に排出されます。

しかし、アルコールが分解される速度は一定なので、個人の持つ能力より速いペースや許容量よりも多いお酒を飲むと、肝臓でのアルコールの処理が困難になり、アセトアルデヒドが体の中にたまっていきます。

アセトアルデヒドは毒性が非常に強いため、頭痛や吐き気などの症状を引き起こし、悪酔いや二日酔いを招くのです。

どうしたら予防・対策ができるの?

自分の適量を知って、飲みすぎないことが一番です!
肝臓に負担をかけない飲み方で、二日酔いを防ぐことができます。

悪酔いを避けて、二日酔いを防ぐための対策を、飲む前・飲んでいる間・飲んだ後の3つに分けてご紹介します。

飲む前に気をつけたいこと

胃粘膜を保護しましょう

お酒を飲む前に豆腐、豆乳など良質なタンパク質をとっておくと酵素の働きがよくなってアルコールを分解しやすくなります。空腹時にお酒を飲むことは避けましょう。

事前にとることが難しい時は、飲み始めの最初のおつまみで注文しましょう。
また、肝臓の働きを助けるウコンやアミノ酸などのサプリメントなどを飲んでおくのも効果的です。

飲んでいる間に気をつけたいこと

アルコールの摂取方法に気をつけましょう

弱いアルコールをゆっくり時間かけて飲むと、アセトアルデヒドがアセトアルデヒド分解酵素によって分解されますので頭痛は起こりにくくなります。

十分な水分補給をしましょう

お酒を飲んでいる途中で水を一緒に飲むと、アルコール分解をおこなう肝臓の負担を軽くすることができます。

おつまみを食べながらゆっくり飲む

空腹時には、食後の3分の1の時間でアルコールが吸収され、肝臓に運ばれてしまうので、おつまみを食べながら、ゆっくり飲みましょう。

二日酔い予防に効果のある食材を摂りましょう ~二日酔い予防に効く栄養素~
栄養素 作用 主な食材
タウリン 肝臓の機能を強化 牡蠣、シジミ、タコ、ホタテ、ヤリイカ
βグルカン 肝機能を上げる マイタケ、しめじ、しいたけ
ピクリン酸 肝臓の機能を高める
タンニン 胃腸の粘膜を収縮させる お茶、ワイン、柿、カリン、ガラナ
セサミン アセトアルデヒドの分解を促進
二日酔いの予防に効く
ごま、ごま油

飲んだ後に気をつけたいこと

水分補給をしましょう

特にスポーツドリンクは肝臓の働きを助ける糖分や塩分を含んでいるため、ただの水やお湯より効果があります。できれば摂取したアルコール量と同量くらいは補給しましょう。

十分な睡眠を取りましょう

睡眠をとっている間は、肝臓は活発に動いているため、アルコールの分解に優れた効果があるため、十分な睡眠を確保しましょう。

汗をかきましょう

シャワーやお風呂で汗をかいて代謝を上げてアルコールの分解を早めましょう。
ただし、心臓が弱い人や高齢の方は、ぬるめのお湯にゆっくりつかって汗をしっかり流しましょう。シャワーや入浴の前後には、水分をたっぷり摂ることも大切です。

二日酔い 解消に効く栄養素
栄養素 作用 主な食材
タウリン 肝臓の機能を強化 牡蠣、シジミ、タコ、ホタテ、ヤリイカ
クルクミン 肝臓の機能を強化 ウコン、ウコン茶、カレー粉
アミラーゼ でんぷんの分解酵素、アセトアルデヒドを早く体外に排出させる 大根・かぶ・山いも

健康管理士からのワンポイント
『チャンポンは悪酔いしやすいの?』

チャンポン自体が、悪酔いやすくなるということではありません。
ビールならビール、日本酒なら日本酒と、同じ種類のお酒だけを長時間飲み続けると味にも飽きてきてしまうものです。

チャンポンして、いろいろな種類のお酒を飲むことによって、飲み口が変わり、美味しく感じるということから、知らず知らずに量が増えてしまうことが原因なんです。

加えて、種類が変わることで、お酒の量をいちいち把握できなくなってしまうことも多く、単純に量をコントロールできなくなってしまうことに問題があるようです。

本気で二日酔いになりたくないなら、1種類のお酒で自分の限界を把握し、それを超えない範囲に調整して飲むのが一番いいのですが、なかなか思うようには・・・。

おすすめ健康レシピ

牡蠣の雪見椀

牡蠣の雪見椀

牡蠣に含まれるタウリンは、二日酔い予防だけでなく、二日酔いの解消にも効果がある、肝臓の強い味方です♪

牡蠣はこのほかにも肝機能を高める効果のある亜鉛やマンガンも含まれています。

大根のアミラーゼは、加熱に弱く酸化しやすいため、食べる直前に大根おろしを静かに混ぜ合わせることがポイントです!

管理栄養士・健康管理士からアドバイス

牡蠣の旬は、10~3月、大根の旬は、11~12月です。

牡蠣に含まれるタウリンには、肝臓の機能を強化する働きがあります。

タウリンは、二日酔いの予防にも解消にも効果的ですので、おつまみにも二日酔い解消レシピにもオススメです!

また大根は、二日酔いで弱った肝臓や胃腸の働きを高め、不快感、食欲不振を取り去る効果があります♪

材料(4人分) 分量
牡蠣(むき身) 12粒
塩・酒 適量
大根 200g
三つ葉 10本程度
片栗粉 大さじ1
大さじ1
(A) だし 900cc
(A) 塩 小さじ1
(A) 薄口しょうゆ 小さじ1

作り方

  1. 牡蠣は塩水(水カップ1+塩小さじ1の割合)の中で洗ってから、真水で2~3回水をかけて洗い、ざるにあげ軽く酒をふっておく。
  2. 大根は皮をむいておろし、軽く水気を切っておく。 三つ葉は3cm位にカットしておく。
  3. (A)を温めて1.の牡蠣を入れて一煮し、水で溶いた片栗粉を加えてとろみをつける。
  4. 3.に2.の大根おろしを加えて静かに混ぜ、火を止めて器によそい、お好みで三つ葉をちらしてできあがり♪

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
この記事を
シェア
Twitter
Facebook
LINE
hatenaブックマーク
URLをコピー

URLをコピーしました

食や健康について学ぶ

関連記事