牛乳だけではない!注目される「植物性ミルク」

牛乳だけではない!注目される「植物性ミルク」

ここ数年で商品が充実してきた「植物性ミルク」。

某有名コーヒーショップでも、牛乳由来のミルクの代わりに、植物性ミルクを使用したカスタムができるようです。

牛乳の代わりとしてだけではなく、それぞれが持つ栄養価にも注目が集まっています。
スーパーなどでもよく見られる、代表的な4つをご紹介します。

日本人にはなじみの深い「ソイミルク(豆乳)」

作り方

水を十分に吸わせた大豆をすり潰し、鍋で水を加えながら火にかけます。沸騰して熱が加えられた液体を、さらし布などで水分だけをしぼります。

この時にしぼり出された水分が豆乳に、そしてしぼりカスが「おから」になります。
さらにこの豆乳に「にがり」を加えて固めたものが豆腐になるのです。

主な栄養

大豆から作られているため、水溶性の植物性タンパク質が豊富に含まれています。体内への吸収速度がゆるやかなため、腹持ちが良く、ダイエットの味方にもなります。

また、女性ホルモン(エストロゲン)と近い構造を持ったイソフラボンも含まれています。そのため、骨粗鬆症などの予防にも役立ちます。カルシウムを含む食品と一緒に食べると効果的です。

その他

豆乳と一口に言っても、商品をよく見ると、3つの種類に分類されています。

  • 無調整豆乳 → 大豆固形分が8%以上あり、水以外には何も加えられていないもの。
  • 調整豆乳 → 大豆固形分が6%以上あり、砂糖や脂肪、塩、香料などが加えられたもの。
  • 豆乳飲料 →
    • 果汁入り…大豆固形分2%以上。果汁が加えられたもの。
    • その他…大豆固形分4%以上。コーヒーや紅茶など、果汁以外のものが加えられたもの。

ダイエットなどで利用したい場合は、大豆の味そのままの無調整豆乳を選ぶのがおススメです。

ソイミルク(豆乳)

アンチエイジング効果が高い「アーモンドミルク」

作り方

アーモンドを水に浸して十分に含ませ、ミキサーなどで水を加えながらなめらかになるまですり潰したものを、さらしなどで濾してしぼり、液体だけを取り出します。

豆乳のように加熱する工程がないので、浸けおきの時間はかかるけれども、意外と簡単にお家でも作れそうです。

自家製の場合は、3~4日程度で飲み切るようにしましょう。

主な栄養

若返りのビタミンともいわれるビタミンEを豊富に含んでいます。
抗酸化力が高く、アンチエイジングの他、生活習慣病の予防にも高い効果が見込めます。また、血行を良くする効果もあるそうで、冷え性に悩む女性にもぴったりです。

その他、ビタミンB2、ナイアシン、葉酸、亜鉛なども含まれています。
体内では作られない不飽和脂肪を多く含んでおり、その半分以上を占めるオレイン酸は、コレステロールを含まず、悪玉コレステロール値を下げる働きを持っています。

その他

商品の中には、少しクセのある味を飲みやすくするために砂糖が入っているものも多いので、ダイエット目的で飲用する場合は、少し注意が必要です。

各商品の原材料や成分表をよく見て検討しましょう。

アーモンドミルク

植物性ミルクの新興勢力「オーツミルク」

作り方

オーツ麦(えん麦)から作られているオーツミルク。
アーモンドミルクと同じようにオーツ麦を水に浸し、十分に水分を含んだものを、水を加えながらミキサーなどですり潰します。

なめらかな状態になったら、それを濾してしぼれば出来上がり。
市販のオートミールを使用すれば、これも手軽に作れそうです。

主な栄養

水溶性の食物繊維がたっぷりで、食後の血糖値があがりにくい低GI食品です。

穀物から作られているため、カロリーや糖質は他の植物性ミルクよりも高めになってしまいますが、コレステロールやグルテンが含まれておらず、不飽和脂肪酸が豊富に含まれている点は、高評価です。

その他

温めても分離しづらいので、コーヒーや紅茶などの温かい飲み物に加えて楽しむことができます。

オーツ麦自体はグルテンフリーなので、グルテンに由来する病気を患っている方でも口にできる食べ物ですが、販売されている商品の中には、小麦や大麦などを使用した製品と同じ工場で製造されていることもあり、注意が必要です。必ず、成分表をチェックしましょう。

オーツミルク

南国の気分に浸れる「ココナッツミルク」

作り方

実の固い殻に沿って内側についている「固形胚乳」と呼ばれる白く柔らかい果肉の部分を、すりおろし絞ります。

さらっとした白い液体を、そのまま飲んだり、料理に使用したりします。

主な栄養

ココナッツの中に入っているココナッツウォーターと呼ばれる液体は、飲む点滴や天然のスポーツドリンクとも呼ばれるほど、バランスのとれたミネラルが含まれています。

カリウム、鉄、マグネシウムなどの成分が豊富で、コレステロールは含みません。

飽和脂肪を多く含んでいますが、消化・吸収・分解に優れ、エネルギーになりやすい中鎖脂肪酸が多く、体脂肪になりにくいとされています。

免疫力アップにも役立つ成分といわれるラウリン酸が豊富です。

他の植物性ミルクに比べ、脂肪分が多いことから、カロリーは高めになるので、日常的に飲用するのはやめた方がよさそう。

その他

日本では手に入りにくいココナッツの実ですが、缶入りのココナッツミルクや、ココナッツオイルなどは、スーパーでも購入できるようになってきました。

グリーンカレーの調理キットなどを使うと、ココナッツミルクを手軽に体に取り入れることが出来そうです。

ココナッツミルク

 

以上、植物性ミルクの一部をご紹介しました。

乳製品へのアレルギーも多い現代で、こうして様々な選択肢があることは、とてもうれしいですね。
栄養成分もそれぞれで異なる作用が見込めますので、自分の身体にあったものを選んで活用しましょう。

この他にも以前紹介した「ライスミルク」があります。

こちらもぜひご覧ください。

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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