近年「グルテンフリー」という小麦を抜く食事法をよく耳にしませんか?
聞いたことはあってもどのように行いどんな効果があるのかみていきましょう。
まず、グルテンとは小麦、ライ麦、大麦などに多く含まれるタンパク質のことです。
粘弾性や粘着性がありパンやケーキを膨らませたりもちもちとした食感を出したりしています。
グルテンはパンやピザ、パスタ、ラーメン、うどん、そうめん、十割でないそば、シリアル、餃子、カレーのルー、天ぷらの衣、ケーキ、クッキー、また醤油やビールなどにも含まれ現代の日本では毎日のように口にしているものばかりです。
グルテンは分解しにくい構造をしていて腸の炎症を起こし腸を弱くします。グルテンが原因で発症する代表的な病気に「セリアック病」という病気がありグルテンにより小腸が損傷を受け栄養の吸収が阻害されます。
腹痛、下痢、便秘、体重減少、体重過多、鉄欠乏性貧血、子供では消化や吸収不良などにより発達障害などもみられます。
胃腸にさまざまな症状がみられることから他の疾患と診断され見落とされることも多いのですが最近増えてきている病気でセリアック病であるとグルテンフリーを行う必要があるため知識をもっておくことが必要です。
また、セリアック病とまで診断されなくてもグルテンを摂取すると体に悪影響がでるアレルギー体質を「グルテン過敏症」や「グルテン不耐症」と呼びます。
原因がグルテンであることの自覚症状がない場合も多く、影響としては疲れがとれない、体がだるい、集中できない、肌荒れ、生理不順や重い生理痛、下痢や便秘などさまざまあります。
日頃、体調や精神状態の不調を感じている人の原因はグルテンの取りすぎからきているものかもしれないのです。
以前アレルギーの回で紹介したIgEタイプのアレルギーは食べるとすぐ症状がでて分かる食物アレルギーなどが当てはまりましたが、症状が遅れて現れるIgGタイプのアレルギーでは自己免疫疾患などに当てはまり、食事から抜いてみると体が楽になることからアレルギーに気づくこともあります。
グルテン関連疾患もこのIgGアレルギーに関係しているため、気になる方は期間を決めてグルテンフリーを行い体調の変化を観察してみると良いでしょう。
小麦アレルギーとはっきりとした診断がなくてもグルテンへの感受性が高いため疲れやすい、おなかの調子が悪い、集中できないなどの症状を感じている人も多くなっています。
グルテンはアレルギー症状として体調や精神の不調が現れることなどを紹介してきましたが、肥満の原因にもなります。
グルテンは腸に炎症を起こすため、小腸に多く分布している食欲抑制ホルモンの分泌を阻害し食欲が止まらなくなります。またグルテンには中毒性があり、一度食べるともっと食べたくなってしまい食べすぎにつながります。
他にも血糖値が上がると、インスリンが作用し血糖値は下がり余った血糖が脂肪として肝臓に蓄えられます。しかしグルテンにより腸の粘膜が弱くなると肝臓で炎症を起こす物質が入ってきます。するとインスリンの効き目が減り血糖値は上がりやすくなり脂肪が蓄積されていくのです。
グルテンフリーを行うことで腸を安定させて健康的に痩せやすい体質につなげていきましょう。
パンを主食に多く食べていた人はご飯を食べるようにし和食にすると自然にグルテンは控えることができます。
また、厳密な除去が必要でない場合は米粉を使ったパンにしたり、クッキーやケーキは大豆粉を使用したものやおせんべい、餅、団子、ナッツ、フルーツにするなど工夫しましょう。
アルコールだと基本的には日本酒、ワイン、梅酒、第三のビールと呼ばれる麦芽を使用してないビールなどがグルテンフリーに当てはまります。ただ、
フレーバーなどにより微量に含まれていることもあるのでアレルギー体質の人は注意が必要です。
グルテンフリーの効果は個人差があり一度試してみて体の調子を確かめてみましょう。
アレルギー症状などが現れ完全に除去しなくてはならない場合を除き、健康法の一つとしてグルテンフリーを行う場合は緩く継続できる範囲でグルテンの摂取量を減らし、ビタミンB類や食物繊維などグルテンフリーにより不足しがちな栄養素を他の食品から摂取することを意識しましょう。