ビタミンには、お互いに関係し合って作用するものが多くあります。補酵素として別のビタミンの働きに関与したり、他のビタミンの作用を活性化したり、ビタミン以外の物質が特定のビタミンと相性の良いケースもあり、一緒に取ることで効果をさらに高めることができます。
逆に、ビタミンの働きを阻害したり、大量に消費してしまったりするものもあります。そうしたビタミン摂取に関わる相性の良し悪しについて整理してみましょう!
ビタミンB群は相互に関わりあって働きます。B6が活性化した形に変わる時に、B2が必要となります。従って、B2が欠乏するとB6の欠乏につながることになります。
アミノ酸の1つであるトリプトファンからナイアシンが作られる時に、ビタミンB6が必要となります。従って、B6の欠乏はナイアシンの欠乏を促してしまいます。
鉄の吸収にはタンパク質が必要となることが知られていますが、それと同時に不可欠なのがビタミンCの存在です。ビタミンCと一緒に鉄を取れば、吸収が高まります。
ビタミンDはカルシウムと関係が深く、骨の形成に不可欠です。腸からのカルシウムの吸収を助ける他、カルシウムを骨から筋肉へ運搬したり、血中のカルシウムを運んだりします。
たばこの煙は活性酸素やフリーラジカルを含み、これを吸い込むことによって肺などで酸化が起こりやすくなり、それを防止するためにβ-カロテンが大量に消費されます。
β-カロテンは体内でビタミンAに変わります。ビタミンAは脂溶性で過剰症の恐れがありますが、β-カロテンは必要以上にビタミンAに変化しないため、悪影響はありません。
たばこ1本を吸うと、体内で約25mgのビタミンCが破壊されるといわれています。また、抗酸化作用によってもビタミンCは大量に消費されることになります。
ビタミンEもβ-カロテンやビタミンCと同じく抗酸化作用のあるビタミンです。従って、たばこを吸うとEは大量に消費されてしまいます。喫煙者は意識して補給する必要があります。
アルコールは腸で吸収され、その後肝臓で分解されますが、この時にビタミンB1とナイアシンが大量に消費されます。お酒をよく飲む人は、しっかり補給することが大切です。
パントテン酸の働きにとっても、アルコールはマイナス要因です。アルコールが分解される時にできる物質によって、パントテン酸の働きが阻害されてしまうのです。
アルコールを取ることによって、肝細胞において過酸化脂質が増加します。これを分解するために、脂質の分解・代謝に関与するビタミンB2が大量に消費されてしまいます。
アルコールを習慣的に多く摂取することによって、肝臓が脂肪肝などのアルコール性の障害を起こすと、ビタミンDを活性化する働きが不十分になってしまうことがあります。