「コゲる」ときくと、料理でつい加熱しすぎて真っ黒になってしまうあの「コゲ」を連想すると思いますが、実は体も「コゲ」てしまうのです…!
体のコゲは「糖化」という老化現象のひとつです。何歳になっても若々しく健康でいたいですよね。
今回は、老化を防ぐコゲないおすすめレシピをご紹介いたします!
糖化とは、糖質とタンパク質が加熱により結合し、老化促進物質である「AGE(終末糖化産物)」が産生されることです。糖化は、食品に起こる糖化と体内で起きる糖化があります。
食品の場合、糖質とタンパク質が含まれている食材を合わせて加熱すると糖化が起き、AGEが産生されます。 真っ黒なコゲだけでなく、おいしそうに焼けた焼き色もAGEです。この食品を食べると、AGEを摂取することになります。
体内の場合は、食事で摂った糖質と、タンパク質からつくられた体の組織が体温によって糖化し、AGEが産生されます。
AGEは分解されにくく、体内に溜まっていきます。多く溜まると、その部位のタンパク質が変性してしまうといわれています。私たちの身体はタンパク質からつくられていますが、そのタンパク質が変性してしまうと美と健康に悪影響がでます。
例えば、
AGEは高温で加熱するほど増えてしまいます。そのため、できるだけ熱を加えずに調理をすることでAGEの産生を少量に抑えることができ、体のコゲを防ぐことができます。加熱する場合は、短時間で100℃以上にならないゆでる、蒸す、煮る調理法がおすすめです。焼く、揚げる調理をした場合は、レモンやお酢をかけることで糖化が抑えられるともいわれています。
糖質は、わたしたちにとって主なエネルギー源になるためとても大切な栄養素です。AGEは、血糖値が上がる食後1時間で産生されやすいといわれています。そこで、血糖値が急上昇しないような糖質を選ぶことが大切です。
GI値とは、グリセミック・インデックスのことで食後血糖の上昇を示しています。GI値が70以上の食品を高GI食品、56~69の間の食品を中GI食品、55以下の食品を低GI食品としています。例えば、パンであっても食パンは95で高GI食品ですが、全粒粉パンは50で低GI食品です。このように、食品のGI値を知り、低GIの食品を選ぶことでAGEの摂取を減らし、コゲを防ぐことができます。
食品のGI値(参考値)
食物繊維は「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」があります。食物繊維は糖の吸収を緩やかにするため、食後の血糖上昇のピークを低下させるといわれています。そのため、AGEの産生量を抑えることができます。特に、水溶性食物繊維は糖の吸収を緩やかにする作用が強いといわれています。水溶性食物繊維が豊富な食品は、おくらやめかぶなどのねばねば、ぬるぬるしている食品が多いです。
サビつきには「抗酸化作用」をもつ食品が良いのと同じように、コゲつきには「抗糖化作用」をもつ食品を摂取するのがおすすめです。そのひとつがスルフォラファンです。スルフォラファンは第1回で紹介したフィトケミカルの一種で、抗酸化だけでなく抗糖化作用も優れているとといわれています。スルフォラファンは、ブロッコリー、ブロッコリースプラウト、カリフラワー、菜の花などに多く含まれています。
低GI食品である全粒粉パンを使うことで、通常の食パンより血糖値の上昇を抑え、AGEの産生量を減らすことができます!抗糖化作用のあるブロッコリースプラウトですが、辛味があるためマスタードとの相性が良いです!
コゲないレシピである「全粒粉パンのサンドイッチ」ぜひつくって食べてみてください!