香りを食べる魚「鮎」の旬と栄養

香りを食べる魚「鮎」の旬と栄養

鮎は香魚(こうぎょ)とも呼ばれ、川の香りをまとった独特の風味が特徴の魚です。香りの源は、鮎が清流に生えるコケ(藻類)を食べて育つことで、川の状態がそのまま味に反映されます。

古くから日本では、鮎が川を上り始めると「夏がきた」と感じるほど、季節の特徴として親しまれています。

 

鮎の生態

秋に川で生まれたあと、小さな稚魚は一度海へ下り、春になるとまた川へ戻ってきます。そこから夏の間にぐんぐん大きくなり、秋に産卵をしてそのまま一生を終えるます。このように鮎の一生はとても短くて、なんと1年で終わってしまいます。

この短いサイクルのおかげで、鮎は季節ごとに味がガラッと変わります。初夏は香りが爽やかで軽く、盛夏になると身がしっかりして力強い味に、そして初秋にはほろ苦さが出て深みのある味わいとなります。

 

鮎の旬は二度ある

実は、鮎の旬は二度あります。
季節によって味が変わるので、同じ魚なのに違う楽しみ方ができます。

 

初夏(6~7月)

この時期は「若鮎」と呼ばれており、まだ若くて身がやわらかく、香りもいちばん澄んでいて軽やかなのが特徴です。塩焼きにすると、皮がパリッと香ばしく、口に入れた瞬間に川の香りがふわっと広がります。

 

盛夏~初秋(8~9月)

夏が深まってくると、鮎は川のコケをたくさん食べて育つので、しっかり太ってきて、味もぐっと濃くなります。子持ち鮎も出てきて、甘露煮や天ぷらにも合う季節です。
鮎は季節が変わると味が変わるので、旬を二度楽しめる魚として料理人にも人気があります。

 

鮎の栄養

ビタミンA・E

ビタミンAは皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあり、夏の強い日差しでダメージを受けやすい肌を守ってくれる成分です。
ビタミンEは強い抗酸化作用を持ち、体内で発生する活性酸素を抑えることで、細胞のダメージを防ぐ働きがあります。
鮎はこれらの脂溶性ビタミンをバランスよく含んでいます。

 

DHA・EPA

DHAとEPAは青魚に多く含まれる不飽和脂肪酸で、血の流れをよくして、だるさや疲れを軽くしてくれる働きがあります。
血流がよくなることで、体のだるさや疲労感の軽減につながり、暑さで体が重くなりやすい夏のコンディション維持に効果的です。

 

カルシウム・鉄

小骨ごと食べられるので、カルシウムや鉄などのミネラル補給にぴったりです。 カルシウムは骨や歯の健康維持に欠かせない栄養素で、成長期の子どもや骨量が気になる大人にも重要です。 

また、夏は汗とともにミネラルは失われやすく、食欲も落ちやすいため鉄不足がおこりやすい季節です。鉄はビタミンB群などの他の栄養素と一緒に摂ることで吸収が高まりエネルギー代謝のサポートにもつながります。 

 

ビタミンB群

ビタミンB群はエネルギー代謝を助ける働きがあり、エネルギーをしっかり使える体にしてくれます。特に夏は暑さで体力を消耗しやすく、代謝が落ちると疲れが抜けにくくなるので鮎に含まれるビタミンB群は、疲労対策や体調管理に役立つ栄養素です。

 

鮎と日本の文化

鮎は友釣りという伝統的な釣り方が有名です。これは日本独特の釣り方で、鮎の縄張り意識が強いという性質を利用します。囮の鮎を川に泳がせてそこに近づいてきた鮎を釣り上げるという方法です。

 

また、鮎は昔から”清流の象徴”とも言われてきました。鮎が住める川はきれいな証拠なので、地域の人たちにとっては川のきれいさを確認できる存在でもあります。お祭りや川の行事と結びついている地域も多く、鮎は自然と人の暮らしをつなぐ魚でもあります。

 

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目のビタミン「ビタミンA

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著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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