今回は、旬である新玉ねぎの知っているようで知らない健康効果や、一般的な玉ねぎとはどのような違いがあるのか解説します。さらに、新玉ねぎの栄養素を最大限に活かしたレシピもご紹介します。
玉ねぎは、日本の食卓に欠かせない王道野菜の1つです。ヒガンバナ科ネギ属の多年草で、外皮の色や大きさによって、風味や味が異なり、最も一般的な黄色のほか、白、赤と大きく3種類に分けられます。
新玉ねぎと一般的な玉ねぎの違いは、品種や成長速度の違い、収穫の時期によって分けられています。 新玉ねぎは、「早生(わせ)」と呼ばれ、黄色玉ねぎや白色玉ねぎがあります。成長速度が速く、短期間で収穫することができ、3月中旬から4月下旬頃に収穫されます。収穫後、すぐに出荷されるため水分が多いのに対し、通常の玉ねぎは、収穫後に乾燥させてから出荷されるため水分量が少なくなっています。
玉ねぎに含まれる水分量が多いほか、外皮が薄く柔らかく、甘みが強いのが特徴です。保存は利きませんが、みずみずしく辛みが少ないため、水にさらさずに食べることが出来、サラダや和え物など生食に最適です。一般的な玉ねぎは収穫後、1か月ほど天日干しで乾燥させることにより、保存性が高まるため翌春まで長期保存をすることができます。
新玉ねぎと玉ねぎに含まれる栄養素には大きな違いはありませんが、一般的な玉ねぎと比較して新玉ねぎは辛みが少なく甘みがあるのが特徴です。熱の影響を受けず生で食べることで、栄養素を効率よく摂取することができます。
辛みの元である硫化アリルの一種で香り成分の「アリシン」は、消化液の分泌を促進し、新陳代謝を促すことで、血液をサラサラにする効果が期待できます。
アリシンは、水溶性で熱に弱いため、新玉ねぎは生で食べることで、効率よく摂ることができます。また、アリシンは揮発性の成分のため、玉ねぎを切ってから空気に10分ほど晒すことで辛みを和らげることができ、アリシンの働きを活性化することができます。水にさらさずに食べることで、水溶性ビタミンなどの成分も無駄なく取り入れることができます。
その他、硫化アリルの一種の「シクロアリイン」には、血流を促し、血中の中性脂肪やコレステロールを低下させる作用があります。また、新玉ねぎは一般的な玉ねぎに比べ、酵素活性が活発なため生成されやすいともいわれています。
アリシンと同様に、切った後空気に晒すことで生成されやすく、その後、中火でゆっくりと加熱すると含有量が増加します。また、強火では分解されやすいですが、レンジでの蒸し加熱でも効果を引き出すことができます。
水溶性のミネラルで、体内の余分なナトリウムや水分の排出を促すため、むくみの解消や血圧の安定が期待できます。また、カリウムを多く摂取することにより骨から溶け出すカルシウムの量が減少するため、骨粗しょう症の予防にも効果が期待できます。
加熱することでグルタミン酸が増加しうまみが増します。新玉ねぎは皮ごと蒸し焼きにすると、硫化アリルなどの流水も防げるだけでなく、甘みやうまみが増し健康効果を最大限に引き出すことができます。
玉ねぎの皮には含まれるポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用があり、毛細血管を丈夫にし、血液をサラサラにする効果や善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを低下させる効果などが期待できます。茶色い外皮に最も多く含まれていますが、新玉ねぎは皮が薄いので可食部にもしっかりと残っています。
新玉ねぎに含まれるアリシンには、ビタミンB1の吸収率を高めてくれるという特徴があります。ビタミンB1は、水溶性ビタミンで、糖質をエネルギーへの変換を助けたり、神経の機能を円滑にするために欠かせない栄養素です。ところが、ビタミンB1は吸収されにくく、体内に蓄えることが難しいといわれ不足しやすいともいわれています。その弱点を解決してくれるのが「アリシン」です。玉ねぎに含まれるアリシンとビタミンB1が結合すると、体内に吸収されやすく、長く留まる「アリチアミン」という成分に変化するため効率よく摂取することができます。
ビタミンB1が豊富な食材には、豚肉や大豆、ナッツ、きのこ類、カリフラワー、ほうれん草などがあります。
ここでは、新玉ねぎの栄養素を最大限に活かすために、新玉ねぎへの加熱は最小限に、そして、先ほどご紹介したビタミンB1の吸収率が高まる豚肉と組み合わせた最強レシピ「新玉ねぎの肉あんかけ」をご紹介します。
材料名 | 分量 |
新玉ねぎ | 中2個 |
豚挽き肉 | 150g |
ニンニク(みじん切り) | 1片 |
生姜 (みじん切り) | 4~1/2片 |
大葉 | 3枚 |
★ポン酢 | 大さじ3 |
★みりん | 小さじ2 |
★水 | 大さじ1 |
片栗粉 | 小さじ2 |
水(片栗粉用) | 小さじ2 |
★ポイント
新玉ねぎは生でもOK。半生にすることで、アリシンの効果を残しつつ、あんかけの温度とバランスをとっています。
<アレンジ>
大葉の代わりに、「糸トウガラシ」や「白ごま」「万能ねぎ」「みょうが」などに変更するのもオススメです♪