薬食同源① ~食事で体質改善、病気にならない体になる!~

薬食同源① ~食事で体質改善、病気にならない体になる!~

私たちが普段食べている多くの食材には、薬と同じように体を元気に直す効果があるとされる「薬食同源」というものがあります。
「生薬と食物とはその源が同じ」を意味する古くからある言葉で、薬は病気になってから飲みますが、食事は毎日の生活と共にあるものであり、食事から見直しておくことが健康への一番の近道であるということをいっています。

薬食同源の考え方によれば、薬膳によって病気の予防や虚弱体質の改善を行い、それでも病気になれば、漢方医学によって生薬を処方し病気治療を行ないます。
この考えに沿った食事法というのが「食養生」です。

今回はまず食養生の基本をみていきましょう。

未病を食事で改善する

漢方医学では、病気とは言えないけれど、健康とも言えない状態を「未病」といい、未病の治療改善をしていきます。そのために大切なのが、日々の食事です。

食材の特性を知り、その時の自分の体質に合ったものを食事で取ることで、病気になる前に不調を予防・改善することができます。

食材の味や性質が体を整える

すべての食材は形も味も違うように、それぞれ独自の働きを持ち、食べた時に体に及ぼす作用も異なります。

食材が体のバランスを整え、血や肉や骨となっていくのです。

食材の「五性」

食材には体の機能を促して温めたり、機能を抑えて冷やしたりする性質があり、その度合いを五性とよんでいます。

「寒性」・「涼性」

寒性は体を冷やす性質であり、涼性は余分な熱を冷ます性質になります。
興奮を抑える働きもあります。

代表的な食材
寒性 しじみ、かに、きゅうり、なす、ゴーヤなど
涼性 レタス、セロリ、しめじ、そば、緑茶など
寒性・涼性の食材

「平性」

寒性や熱性のない、どちらにも属さない性質になります。
ただし平性の食べ物ばかりではなく、体質に合わせてバランス良く取りましょう。

代表的な食材

じゃがいも、キャベツ、しいたけ、いちご、りんご、米、大豆、卵など

平性の食材

「温性」・「熱性」

熱性は体を強く温める性質であり、温性はやや温める性質です。
全身の活動エネルギー源となる「気」や体中に栄養を届ける「血」を巡らせ、新陳代謝を高めます。

代表的な食材
温性 イワシ、アジ、鮭、ねぎ、カボチャ、クルミなど
熱性 唐辛子、こしょう、山椒、シナモン、羊肉など
温性・熱性の食材

食材の「五味」

食材にある5つの味には特有の作用があり、体の働きにも関わっています。

酸味

体液を体内で留め、「肝」を養うといわれています。

代表的な食材

レモン、梅、酢、いちご、トマトなど

酸味の食材

甘味

胃腸の働きを助け、痛みや緊張を緩和して「脾」を養います。

代表的な食材

米、いも、砂糖、はちみつ、バナナなど

甘味の食材

辛味

発汗を促し、気や血を巡らせて「肺」を養います。

代表的な食材

しょうが、ねぎ、にんにく、こしょうなど

辛味の食材

鹹味(かんみ)

塩辛いという意味で、硬いものを軟らかくしたり便通を良くして「腎」を養います。

代表的な食材

昆布、エビ、豚肉など

鹹味(かんみ)の食材

苦味

熱を冷ましたり不要物を排泄させて、血を全身へ巡らせるポンプとなり、精神や意識を安定させる「心」を養います。

代表的な食材

緑茶、銀杏、みょうが、ゴーヤなど

苦味の食材

食材の「五性」「五味」の働きを、それぞれの体質に合わせてうまく組み合わせていくことが必要です。それぞれの体質や体調の変化に合わせて、どのように食材を活用していけば良いか、次回具体的にご紹介していきます♪

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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