第2弾では、食養生において人それぞれに異なる体質や体調の変化に合わせた、食事の取り方についてご紹介したいとおもいます。
漢方で人の体は、
「気」=生命の源となるエネルギー、
「血」=臓器や組織に栄養と潤いを与える血液、
「水」=血液以外の体液
という3つの要素から成り立っていると考えられ、
「気・血・水」がお互いに深く関わり合い、この3つの量が十分で、バランスが取れていると健康な状態が保たれることになります。
逆に量が不足したり、滞ってしまうと、バランスが崩れて不調が起こってしまいます。
体質は大きく分けて
の6つがあり、それぞれが不足しているものを補いバランスを整えることが必要です。
今回は「気虚」、「気滞」、「血虚」この3つの体質と食事のポイントについてご紹介します!
「気」が不足すると、体温の維持や汗のコントロール、新陳代謝などがうまく働かなくなり、免疫力が低下します。
疲労や倦怠感を感じやすく、冷え性にもつながります。胃腸が冷えると、消化機能が低下するため、食欲不振や胃もたれ、軟便や下痢の原因になります。
カゼを引きやすく、治りにくく、花粉症、頻尿、不妊症もあらわれやすくなります。
胃腸の消化吸収の働きを高めるために、なるべく火を通して食べるようにしましょう。
冷たいもの、刺身などの生もの、天ぷらなどの脂っこいもの、刺激の強いものは避けましょう。
胃腸が弱っているときには肉類も控えるようにします。
牛肉、鶏肉、えび、うなぎ、かぼちゃ、にんにく、玉ねぎ、山芋、らっきょう、きのこ、卵、栗、くるみ、豆類、米、もち米、納豆、りんご
ストレスや精神的な過労が続き、「気」がうまく巡らずに滞った状態です。
イライラ、憂うつ、不安で落ち込みやすくなります。
こめかみや乳房の張り、両脇の張り、舌の側面の赤みなど、体の側面に症状が出ることもあります。胃やお腹が張ってガスが溜まる、げっぷが多くなることもあります。
女性は、月経の不順やPMS(月経前症候群)などに悩まされるひとも多くいます。
香りがよいものは気の巡りをよくして、ストレスを発散させます。春菊やセロリなどの野菜は加熱しすぎると、香りが飛んでしまうので、調理の最後に加えましょう。
辛い物は控えるようにして、お酒の飲みすぎにも注意が必要です。
レバー、あさり、シジミ、キャベツ、セロリ、春菊、ゴーヤ、香味野菜、ハーブ、梅干し、クコの実、オレンジ、みかん、グレープフルーツ、ぶどう
血の量が足りていない状態で、貧血気味なひとに当てはまります。
体に栄養を運ぶ、血が足りていないため、肌や臓器に栄養が行きわたらなくなり、ツヤのない顔になります。また、血の働きも悪くなっているため、吐き気や抜け毛などの悩みもあります。
女性は月経不順や不妊のトラブルが起きやすくなったり、目の疲れや視力の衰え、動悸、息切れなどの症状もあります。
血を補う黒いもの、黒豆や黒ゴマ、黒きくらげなどを意識して取りましょう。
トマトやにんじんなどの赤い食材もおすすめです。これらの食材には、血をつくる作用があります。胃腸に負担をかけない食事も心がけましょう。
鶏肉、豚肉、レバー、カキ、にんじん、トマト、小松菜、ほうれん草、うずらの卵、小豆、黒豆、黒ゴマ、黒きくらげ、クコの実、ぶどう、桃、プルーン、ブルーベリー
次回は「瘀血」「陰虚」「痰湿」の体質と食事のポイントについてご紹介します♪