秋が旬の「栗」は、スイーツにも食事にも使用される万能食材。
実は、からだにうれしい栄養がぎゅっと詰まった季節の恵みでもあります。
今回は、そんな栗の魅力と、健康的に楽しむための食べ方についてご紹介します。
栗の主成分は、でんぷんで、エネルギー源として優れています。「種実類」に分類されるナッツの一種ですが、他のナッツ類と比べて、脂質が少なくヘルシーなのが特徴です。さらに、ナッツ類に共通するミネラルも豊富に含まれており、栄養価の高い食材です。
主なエネルギー源。糖質の一種で、体内でブドウ糖に変わり脳や筋肉の活動を支えてくれます。
抗酸化作用や美肌効果、免疫力の向上など、さまざまな健康効果が期待できる栄養素です。栗に含まれるビタミンCは、でんぷんに包まれているため加熱に強く、壊れにくいという特徴があります。栗ご飯や蒸し栗などの加熱調理でも、しっかり摂ることができます。
腸内環境を整え、便秘予防や血糖値の安定、肥満予防に繋がります。不溶性食物繊維が多く、便のかさを増すことで排便を促します。
疲労回復、ストレス緩和、代謝促進の働きがあります。また、ビタミンB群の中でも、特にB1、B6、葉酸が豊富に含まれています。
ポリフェノールの一種で、抗酸化作用があり、老化や生活習慣病を予防します。
筋肉や神経の正常な働きをサポートする重要なミネラルです。ストレスの緩和やエネルギー代謝にも関与しており、心身のバランスを整える働きがあります。
栗は腹持ちがよく、血糖値の急上昇を抑えるため、ダイエット中の間食にも向いています。さらに、葉酸が含まれており、妊婦さんにもおすすめの食材です。
栗は秋の味覚として人気ですが、高カロリー、高糖質な食材です。甘栗や甘露煮はさらにカロリー・糖質が高くなるので食べ方には少し注意が必要です。
エネルギー | 糖質 | |
和栗(100gあたり) | 約150㎉ | 約30g |
甘栗(100gあたり) | 約200㎉ | 約40g |
むき栗は1粒で20gほど。つまり、5粒食べるだけで、これだけのカロリーと糖質になってしまいます。
1日の間食の適量は200㎉ほどなので、間食として食べるには4~5粒程度に抑えるようにしましょう。
適量であれば便秘の解消に効果的ですが、食べ過ぎると便のかさが増えすぎて腸内で詰まりやすくなり、かえって便秘や腹痛の原因になったりもします。
栗はでんぷん質が多く、消化に時間がかかる食材です。胃腸が弱っているときや、夜遅くの摂取は、胃もたれや睡眠の質低下につながる可能性もあります。
栗も野菜や果物と同じく、鮮度が命です。選ぶ際は、次のような点に注意してみてください。
●皮の色が濃く、ツヤと張りがあるもの
品質によってツヤの強さは異なりますが、基本的には光沢があり、ふっくらと丸みのあるものがよいでしょう。
●しっかり完熟しているもの
パンと張っている栗は完熟の証です。逆にシワがあるものは未熟で、風味も劣ります。
●ずっしりと重みがあるもの
手に取った時に軽く感じるものは、水分が抜けて鮮度が落ちている可能性があります。
避けたい栗の特徴
・表面に穴がある
・白いブツブツが付着している
・底の部分が黒ずんでいる、またはベタついている
これらは虫食いや傷みのサインです。見た目だけでなく、手触りや重さもチェックすると安心です。
●栗ご飯●
栗を使ったレシピの代表といえばコレ!むき栗を使えば材料を入れて炊飯器で炊くだけでできます。栗のほくほくとした食感と自然な甘みは、白米との相性が抜群です。炊き込みご飯にすることで、栗の栄養と米のエネルギー源がバランスよく摂取でき、満足感のある食事になります。さらに、栗ご飯は冷めても美味しく、お弁当や作り置きにも向いています。季節感を食卓に取り入れながら、身体をいたわる食事としてとても優秀です。
●渋皮煮●
栗の渋皮煮は、栗の外皮(鬼皮)を丁寧に剥き、渋皮を残したまま砂糖でじっくりと煮込んだ保存菓です。渋皮を残したままじっくり甘く煮ることで、栗本来の風味とコクが引き立ちます。栄養面でも優れており、渋皮にはポリフェノールが含まれているため、抗酸化作用が期待でき、活性酸素による細胞のダメージを抑えて老化や病気の予防に役立ちます。そのままお茶請けとして楽しむのはもちろん、アイスやヨーグルトに添えたり、ケーキやパウンドケーキに混ぜ込んだりと、アレンジも自在です。手作りすることで、甘さや風味を好みに合わせて調節することができます。
栗は栄養がたっぷり詰まった食材です。選び方や食べ方を工夫すれば、季節の恵みをより健やかに楽しむことができます。栗ご飯や渋皮煮など、季節の料理でおいしく、からだにやさしく栗を取り入れてみましょう。
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