唾液の4大パワー

唾液の4大パワー

昔から、食べる時は良く噛んで、唾液をたくさん出すといいますが、唾液にはどんな働きがあるのでしょうか。

唾液は、食べるためにも、体の健康を保つためにも、なくてはならない存在です。
唾液の約99%を占める水分はもちろん、含有量は少ないものの、各種成分が大活躍しているのです。
ここでは、唾液の主な働きを4つ紹介します。

唾液の4大パワー

① 消化を助ける

唾液は、食物を湿らせて、噛み砕きやすくしたり、飲み込みやすくしたりします。
また、唾液に含まれるプチアリン(アミラーゼ)という消化酵素が、食物中のデンプンを、麦芽糖の状態に消化します。
麦芽糖には甘みがあります。ごはんやパンをしばらく噛んでいると、やがて、甘みを感じるのは、デンプンが消化された合図なのです。消化を助ける

② 味覚を助ける

唾液は、食物中の味成分の刺激を、舌にある味蕾でとらえやすくするための橋渡し役を担います。
そのため、ストレスや老化、病気などによって唾液が出にくくなると、味を感じにくくなります。

③ 口の健康を保つ

唾液は、口の中の食べカスを洗い流すとともに、唾液中のリゾチーム、ラクトフェリン、ラクトペルオキシダーゼなどの抗菌成分によって、細菌の増殖を抑えます。
また、食物の影響などで酸性に傾いた口内環境を中性に戻すとともに、一時的にダメージを受けた歯の表面(エナメル質)を、唾液中のカルシウムなどによって修復します。

④ 全身の健康を保つ

唾液は、口や胃粘膜などの傷を修復する成分や、神経細胞の修復を促す成分を含んでいること、そして、これらの成分は口の粘膜から吸収されて全身に作用することなどが、近年、明らかになってきました。今後の研究進展が大いに期待されます。

全身の健康を保つ

唾液は、1日にどのくらい出るの?

次の3つから、正解を選んでみましょう。

A. コップ1杯(200ml)程度
B. 牛乳パック1本(1ℓ)程度
C. 洗面器1杯(4ℓ)程度

正解は・・・

B. 牛乳パック1本(1ℓ)程度

です。
※体質や体調にもよりますが、1日1~1.5ℓ程度が平均的です。

牛乳パック1本(1ℓ)

唾液を減らす要因とは?

  • 加齢
  • 喫煙
  • ストレス
  • 不規則な生活
  • 糖尿病
  • 透析
  • シェーグレン症候群(唾液や涙などの分泌量が減少し乾燥症状を起こす症候群)

唾液を出すためにはどうすればいいの?

唾液のもととなる水分を十分に補給することと、唾液をつくり出す唾液腺を適度に刺激することが効果的です。
唾液腺は、耳・あご・舌の下などにありますので、食物を良く噛んだり、笑ったりすると、顔の筋肉などが唾液腺を適度に刺激し、やがて、口の中が潤いで満たされるようになります。
他には、次のような動作を意識的に取り入れてみるのも良いでしょう。

発声

各部分を意識しながら発声してみましょう。

発声

舌運動

イラストに従って舌の運動をしてみましょう。

舌運動

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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