溶連菌感染症におすすめのレシピ

溶連菌感染症におすすめのレシピ

溶連菌感染症ってどんな病気?

溶連菌感染症とは、一般的に「溶連菌」と呼ばれている、溶血性レンサ球菌による感染症です。溶連菌は、皮膚や粘膜に存在していることが多く、症状が現れない人もいます。昔は、伝染病として恐れられていましたが、現在では治療法が確立しています。

また、子どもに多い流行性の病気として知られていますが、大人でも発症するため油断は禁物です。

 

溶連菌感染症の主な症状は?

溶連菌感染症の症状は、以下のような代表的な症状があります。これらの症状がすべて出るわけではなく、出る症状には個人差があります。

 

38℃以上の高熱 のどの痛み 全身倦怠感

 

イチゴ舌 全身の発疹

イチゴのような赤いブツブツができる。

急性期を過ぎると、落屑(皮むけ)が起こる。

 

風邪の症状と類似しており、間違いやすくなっていますが、溶連菌感染症の場合は咳や鼻水の症状が出にくいという特徴をおさえておくことが大切です。自己判断をせず、医療機関にて検査し、正しい判断を受けることが必要です。

 

潜伏期間・流行時期

潜伏期間は2~5日で、特に48~72時間で発症することが多いといわれています。11月から4月にかけて流行しやすくなっており、この時期はインフルエンザの流行時期と重なるため注意が必要です。

 

感染経路

溶連菌感染症の感染経路は、「飛沫感染」「接触感染」であり、人から人へと感染していきます。

飛沫感染

咳やくしゃみなどに含まれる溶連菌を吸い込むことにより感染します。ほとんどの場合、飛沫感染が原因であるといわれています。

接触感染

溶連菌が付着した手で口や鼻などを触れたことにより感染します。

 

溶連菌感染症の合併症リスク

風邪だと思い込み治療を受けずに放置していると、以下のような合併症を引き起こすこともあります。疑わしい症状が現れたら、すぐに受診し治療を受けるようにしましょう。

・肺炎      ・糸球体腎炎     ・髄膜炎

・リマウチ熱   ・敗血症               など

 

治療方法

溶連菌感染症を治すためには、適切な抗生物質をきちんと服用し、完治させることが重要になります。主に、ペニシリン系抗菌薬が用いられます。その他、アレルギーなどの原因でペニシリン系抗菌薬の使用ができない場合、マクライド系抗菌薬などが検討されることもあります。

10日から2週間の期間内服し、症状が和らいだとしても、内服は中止せず最後まで飲み切ることが大切です。

 

コラム
致死率30%の『人食いバクテリア!?』とは

 

溶連菌の中でも毒性が強く、急激に症状が進行し、重症化するものを「人食いバクテリア」と呼ばれ、「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」といいます。近年、過去最悪のペースで増えています。

<原因>

劇症型溶血性レンサ球菌の主な原因は、A群溶血性レンサ球菌で、溶血性レンサ球菌咽頭炎などの原因菌と同じ細菌です。そのメカニズムは明らかになっておらず、半数の感染経路は不明ですが、鼻やのどの粘膜、傷口などから血液中に入ることで劇症化します。

<特徴>

子どもから大人まで広い年代で発症する可能性があり、特に、30歳以上の大人に多いのが特徴です。また、免疫力が落ちている人や高齢者、妊婦などは劇症化しやすい傾向にあるため、注意が必要です。

<症状>

初期症状は、発熱や悪寒、筋肉痛、四肢の激しい痛みや腫れ、血液低下などが起こります。発症後数時間以内には、四肢の末端から急速に組織が壊死していきます。溶連菌が全身に広がると多臓器不全などを起こし、ショック状態に陥り、命に関わります。

劇症化溶血性レンサ球菌感染症は、約30%の患者が亡くなるという致命率の高い疾患です。少しでも初期の症状に似ていると感じた場合は、早急に医療機関を受診しましょう。

 

   

いつから登園・登校していいの?

日本小児科学会の解説によると、「適切な抗菌薬による治療開始後24時間以内に感染力はなくなるため、それ以降は登園・登校は可能である」と記載されています。そのため、医療機関を受診した日と翌日は出席停止となります。その後は、無理をせず、体調が回復していれば登園・登校が可能です。

 

溶連菌感染症の予防・対策

溶連菌感染症を予防するためには、以下の事項を行うようにしましょう。

石鹸での手洗いとうがいを徹底しましょう

溶連菌が付着しているものを触った手で鼻や口を触ることで感染します。しっかりと手洗いとうがいを行って、溶連菌を体内に侵入させないようにしましょう。

マスクを着用しましょう

マスクは、飛沫感染やのどの乾燥を防ぐために有効です。鼻からあごまで覆うように正しく着用して、使い回しをせず一回ごとに破棄しましょう。

感染者と同じ食器やタオルの共用は避けましょう

同じものをしようしていると、感染者の溶連菌が付着して二次感染する恐れがあります。分けて洗う必要はありませんが、別々のものを使用するようにしましょう。

免疫力を高めるようにしましょう

運動不足や睡眠不足、過度なストレスなどは、免疫力を低下させてしまいます。免疫力を高めるためにも、生活習慣を見直すことが大切です。

また、免疫力を高めるためには食生活も大切です。体内の免疫細胞は、約7割が腸にあるため、バランスのよい食事はもちろんのこと腸内環境を整えるようにしましょう。

●症状がある時

のどの痛みなど症状がでている時や食欲がない時は、刺激の強い食べ物は避け、消化のよい食べ物を摂取するようにしましょう。

◎消化によい食べ物 ×刺激の強い食べ物
・おかゆ、パン粥

・うどん

・ゼリー、プリンなどのど越しがよいもの    など

・辛い、苦いもの

・酸味の強いもの

・熱い、冷たすぎるもの           など

 

●予防

予防のために殺菌作用や整腸作用、抗酸化作用がある食材を日頃から積極的に摂取し、免疫力を高めるようにしましょう。

殺菌作用 整腸作用 抗酸化作用
・梅干し

・生姜

・緑茶

・しそ    など

・ヨーグルト

・チーズ

・キムチ

・納豆    など

・緑黄色野菜

・果物

・海藻類    など

 

おすすめ健康レシピ

おすすめレシピ1
小松菜と桜えびのふりかけ

小松菜と桜えびのふりかけ

桜えびは、丸ごと食べられるため、カルシウム食物繊維の一種であるキチン、さらに、カロテノイドの一種であるアスタキサンチンなどの栄養素を手軽に摂取することができます。

カルシウムは骨粗しょう症予防、キチンは整腸作用、アスタキサンチンは抗酸化作用があります

今回は、免疫機能を高める小松菜と桜えびを使って、小松菜と桜えびのふりかけを作ってみましょう♪

管理栄養士・健康管理士からアドバイス

溶連菌感染症予防におすすめの食材は小松菜で、旬は12~3月です。

小松菜には、β-カロテンが豊富に含まれているため、皮膚や粘膜を保護し、外部からの病原菌の侵入を防いで、粘膜などの細胞を強化して免疫力を高める作用があります。

β-カロテン脂溶性ビタミンのため、脂分と一緒に摂ることで、吸収率を高めることができます。

また、小松菜に含まれるイソチオシアネートという薬味成分にも、免疫細胞である白血球を活性化する効果が期待できます。

材料() 分量
小松菜 1/2袋(約100g)
桜えび 大さじ2(約10g)
かつお節 5g
ごま油 大さじ1
(A) すり胡麻 大さじ1
(A) みりん 大さじ1
(A) 醤油 大さじ1/2

エネルギー(1人分):1.8kcal

作り方

  1. 小松菜と桜えびをそれぞれ、細かく刻む。
  2. フライパンを中火で熱し、ごま油をひき小松菜を炒める。
  3. ➁に桜えび、かつお節、(A)を加え、汁気がなくなるまで炒めれば出来上がり♪

おすすめレシピ2
はちみつ大根(※1歳未満の乳児には与えないでください)

材料のはちみつには、ビタミンC12が含まれており、はちみつ自体にも殺菌作用や保湿作用があります。さらに、大根にもビタミンCが含まれています。また、辛味成分であるイソチオシアネートには殺菌・抗菌作用があります。これらの作用により、のどの痛みに効果が期待できます。のどに違和感がある時には、お湯や紅茶などで割って飲んだり、シロップの代わりにヨーグルトなどにかけてみてください。

管理栄養士・健康管理士からのアドレス

はちみつのもつ殺菌作用には、のどの細菌の増殖を抑える働きがあります。はちみつは、糖の濃度が高く、水分が少ないため、細菌の活動を抑制させます。また、のどの痛みは粘膜が炎症を起こしている状態です。その時、はちみつを摂取することで粘膜を保護し、外部からのダメージを防いでくれる働きがあります。さらに、保湿効果があり、乾燥したのどを潤し治りを早くしてくれます。

 

※日持ちの目安は3~4日程度です。

材料() 分量
大根 約3㎝(お好みで調節)
はちみつ 適量

※容器は煮沸、密閉できるものがよい。

作り方

  1. 容器を煮沸消毒し、水気をきる。
  2. 大根をサイコロ状の適当なサイズに切る。(細かく切るほうが、栄養素がでやすくなりオススメ)
  3. 切った大根を容器にいれ、大根が浸るくらいまではちみつを入れる。
  4. しっかりと蓋を閉め、一晩寝かせる。
  5. 大根からでた水分と、はちみつをかき混ぜたら完成♪(大根を漬けたままにしておくと、臭みが出るため取り出す)

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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