しいたけはビタミンDの宝庫!簡単な工夫で効果倍増

しいたけはビタミンDの宝庫!簡単な工夫で効果倍増

しいたけは、昔から日本の食生活にはなくてはならない存在です。生のしいたけを天日干しで乾燥させることで、保存性を高めただけではなく、風味やうまみ成分が増して日本のだし文化には欠かせないものとなりました。

今回は、そんな生しいたけと干ししいたけの違いやしいたけに含まれる免疫力を高めるために欠かせない栄養素について解説していきます!

しいたけはビタミンDの宝庫

★生しいたけと干ししいたけの違い

★ビタミンDを増やすには紫外線が大事?

★干ししいたけと乾しいたけの違いとは?

★乾しいたけのおいしい戻し方&時短術

 

生しいたけと干ししいたけの違い

生しいたけと干ししいたけでは、旨み成分と香り成分が段違いです。生しいたけは、きのこの香りはありますが、しいたけ独特の香りは強くなく、舌触りもなめらかなためしいたけの素材そのものを味わう焼き物、汁物、和え物に向いています。切ったり、冷凍して加熱するなどの工夫でうまみ成分を楽しむことが可能です。難点としては、日持ちがしないことです。

一方、干ししいたけは文字通り、乾燥させているため保存性が高く、しっかりと戻すことでうまみ成分や香りが格段にアップします。冷水で時間をかけて戻したのち、加熱をすることでうまみ成分のグアニル酸が増します。出汁まで美味しくいただくことができるため、煮物やスープにと汁ごと飲む料理に向いています。グアニル酸は、うまみ成分であると同時に血液をサラサラにする働きもある成分だと言われています。

生しいたけ

◎干ししいたけの代表格2種類

干ししいたけには、大きく2種類あり、カサが5~6分開きのどんこ、かさが開いたこうしんです。どんこは、煮物や鍋物など歯ごたえを楽しむ料理に向いています。肉厚な分戻すのに時間がかかりますがしっかりと戻すことで料理のおいしさが際立ちます。こうしんは、薄く短時間で戻るため、スライスして炒め物やスープ、和え物など使い勝手がよいものです。用途に合わせて、種類を使い分けてみてください。

◎干ししいたけになるまで

生しいたけの特徴をご説明しましたが、しいたけは収穫後すぐに乾燥させなくてはなりません。天日干しの場合では、衛生面での管理や天候の影響に気を付けながらの手作業となります。そのため、最近では機械を使い衛生面を確保し、時間を短縮して作られたものが増えています。60℃以上の高温で乾燥さえるとうまみ成分のグアニル酸やしいたけ特有の香り成分のレンチオニンがより多く生成されることも分かっています。

ビタミンDが増やすには紫外線が大事?

しいたけは、天日干しをすることで日光に含まれる紫外線を浴びることでエルゴステロールという物質がビタミンDに変化するのです。ビタミンDは、カルシウムの吸収を助け、歯や骨を強化し、骨粗鬆症などの予防にもなります。

日光に当たって体内でビタミンDが増えるしいたけ

最近では、一時の外出自粛などや紫外線のリスクへの懸念から過剰な日焼け対策などによりビタミンD不足による代謝不良や免疫力の低下などが指摘されています。しいたけなどのきのこ類や魚などに含まれていますが、食品からだけでは不足しやすいため、適度な日光浴も併せて行いましょう。健康に影響を及ぼさない範囲での日光浴の時間を知ることができるサイトなどがあるので調べて参考にしながら、適度な日光浴や散歩などをしてみましょう。

生しいたけのビタミンDを増やすひと手間とは?

ビタミンDを多く摂りたいけれど、干ししいたけがない!大丈夫です。生しいたけを、ザルなどにのせて天日干しで30~60分ほど置いてから料理してみましょう。ちょっと日に当てるだけで、生のしいたけのビタミンDの量が約10倍ほど増加するといわれています。自分が日光浴する代わりに、しいたけを日に当てるだけでビタミンDが強化されてしまうのです!簡単なひと手間ですが私たちの強い味方ですね。

さらに、近年ではビタミンDの研究が盛んに行われ、腸内環境との関係から免疫力やうつ病の治療の分野でも注目されています。

干ししいたけと乾しいたけの違いとは?

乾物のしいたけはこれまで天日干しで作るのが伝統的な作り方です。ところが、近年市販で売られているものは、天日干しではなく、機械を使って温風乾燥させているものが増えてきました。天日干しは、天候に左右されやすく管理が大変なことから機械を使用することで品質や安定した生産をできるようになりました。

いずれも、乾燥したしいたけであることには違いありませんが、表記上、「干ししいたけ」と書いた場合には天日干しであることが多く、「乾しいたけ」と書かれている場合には、機械的に作られたものが多いとされています。2~3時間だけでも太陽光に当てることでビタミンDが増えます。

乾しいたけと生しいたけの栄養成分の比較

生しいたけ(100gあたり) 乾しいたけ(100gあたり) 乾しいたけ(1日の使用量2個10gあたり)
水分 91.0g 9.7g 0.97g
タンパク質 3.0g 19.3g 1.93g
脂質 0.4g 3.7g 0.37g
炭水化物 4.9g 63.4g 6.34g
食物繊維 3.5g 41.0g 4.10g
カリウム 280mg 2100mg 210mg
カルシウム 3mg 10mg 1mg
リン 73mg 310mg 31mg
ビタミンB1 0.10mg 0.50mg 0.05mg
ビタミンB2 0.19mg 1.40mg 0.14mg
ビタミンD 2µg 17µg 1.7µg

しいたけのおいしい戻し方&時短術

あらゆる料理に大活躍の乾ししいたけですが、戻すのが手間と感じる方も多いのではないでしょうか。しかし、十分に戻さないとうまみ成分のグアニル酸が出ず、水に浸しっぱなしにすると、うまみ成分が流れ出してしまう・・・。そこで、今回は乾しいたけのおいしい戻し方と時短術を紹介します♪

乾ししいたけのおいしい戻し方

水で戻す場合

①流水で軽くほこりや汚れを洗い、乾しいたけと同量の水を加えて、カサの裏が水に浸るようにする。そして、水面としいたけが密着するようにラップをかける。

※しいたけの大きさにもよりますが、約3~5時間で戻ります。また、冷たい水で戻すと甘味が強くなります。

②水戻し後、鍋に入れ日にかけて泡が出はじめたら火を止めそのまま10分放置します。(沸止め)

※このひと手間を加えることでうまみ成分のグアニル酸を増やすことができます。

冷蔵庫の中で水につけて戻すことで、常温の8倍のグアニル酸ができますが、戻すのに24時間かかるのが難点です。

時短術

①やかんやケトルなどでお湯を沸かし、流水で軽くほこりを取ったしいたけに熱湯と砂糖をひとつまみを加える。

※お湯が冷める頃には戻りグアニル酸が引き出されます

★急いでいる場合には、刻みしいたけを活用したり、さらに急いでいる場合は、電子レンジを使いましょう。容器に入れ、レンジで約3分間加熱してみてください。

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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