糖尿病におすすめのレシピ

糖尿病におすすめのレシピ

糖尿病ってどういうもの?

血液中のブドウ糖が多過ぎることにより、血管や神経、腎臓や目など、全身のさまざまな組織や機能に障害が起こる病気です。ブドウ糖は炭水化物が分解されてできる物質で、体のエネルギーになる重要な物質ですが、このブドウ糖を利用したり、貯蔵したりする際にインスリンと呼ばれるホルモンが働き、血液中のブドウ糖の濃度を一定に保ちます。
インスリンがなんらかの障害で分泌されなくなったり、働きが鈍ったりするとブドウ糖が血液中に過剰になり、血糖値の高い状態が続いてしまいます。これが糖尿病です。

どんな症状があるの?

初期はほとんど自覚症状がありません。多尿や口渇、多飲、空腹感や多食、体重減少といった「三多一少」と呼ばれる症状がみられますが、こうした症状はかなり進行してから現れます。
ほかにはだるさや疲労感、また合併症として糖尿病神経障害や糖尿病網膜症、糖尿病腎症といった合併症が起こります。

糖尿病の症状

糖尿病の原因は?

原因ははっきりわかっていない病気ですが、糖尿病の種類によって原因が違ってきます。
遺伝によるものが多いですが、過食、肥満、運動不足、ストレスといった生活習慣が大きくかかわるものもあります。
ここでは種類別に原因をみていきます。

1型糖尿病

インスリンをつくる細胞が破壊され、インスリンの量が絶対的に不足して起こります。
ウィルスに感染した後に起こる自己免疫疾患が関係していると考えられていますが、はっきりとした原因は分かっていません。

2型糖尿病

非インスリン依存型と呼ばれ、インスリンの分泌が少なくなる、働きが悪くなるといった遺伝的な要因に加え、過食、肥満、運動不足、ストレスなどが誘因となって発症します。

遺伝子の異常やほかの病気が原因となるもの

遺伝子の異常や肝臓・腎臓の病気、免疫異常などのほかの病気が原因となって引き起こされる場合があります。

妊娠糖尿病

妊娠時には胎盤(たいばん)で血糖値を上げやすいホルモン(インスリン拮抗ホルモン)などが産生されるため、妊娠中期以後にインスリンが効きにくい状態になり(インスリン抵抗性)、血糖値が上昇しやすくなるために起こります。

どうしたら予防・対策ができるの?

2型糖尿病の場合、まず大きな誘因となる肥満を避けることが大切です。
基本は食事と運動です。肥満傾向にある人は、標準体重を目標に減量を心掛けましょう。
治療としては、やはり食事療法と運動療法が主となり、それでも思うように血糖値が下がらない場合には薬物療法を行います。

食事

肥満を防ぐために、食べ過ぎないことと、栄養のバランスを取ることが不可欠です。
それにはまず、日常的に次にようなことに気を配りましょう。

野菜はたっぷり取りましょう

野菜に含まれる食物繊維は肥満を防ぐ働きをします。
野菜は1日に350g(両方の手のひらいっぱいに約3~4杯分)以上を目安に、
そのうち緑黄色野菜は120g(両方の手のひらいっぱい1杯分、加熱した場合は片手分)以上取るようにしましょう。

食事は決まった時間に、ゆっくりと取りましょう

朝食を抜いたり、食事時間が不規則だったり、寝る前3時間以内に取ることはよくありません。
またよく噛むと、脳の満腹中枢が刺激されるため、食べ過ぎを防ぐことができます。
会話を楽しみながら、時間をかけてゆっくりよくかんで食べましょう。

甘いもの、脂っぽいもの、お酒は飲みすぎない、食べ過ぎないように

甘いものや脂っぽいもの、お酒は太りやすい食品です。食べる頻度や量に気を付けましょう。

1人分ずつ、取り分けて食べましょう

大勢で大皿から食べると、食べた量が分からずに、たくさん食べてしまいがちです。

ながら食いはやめましょう

TVを観ながら、新聞を読みながらといったながら食いは食べた量が分かりづらく、ゆっくりと味わえないため、満足感もありません。

多いときは残しましょう

多いと感じたら無理せず残しましょう。

運動

運動を行い、体についた中性脂肪を減らし、筋肉をつけて基礎代謝の多い体をつくることで肥満や糖尿病を防ぐことができます。
きつい運動をする必要はなく、早歩きをする、遠回りをして歩く距離を増やす、テレビをみながらストレッチをするなどといった軽い運動を継続しましょう。
1日に20~30分が目安です。

健康管理士からのワンポイント
『運動をすると中性脂肪が減るのはなぜ??』

運動を行ってエネルギーが消費されると、血液中のブドウ糖が少なくなります。
そのため、血糖値を上げる「アドレナリン」という物質が分泌されます。
アドレナリンは脂肪を分解して、脂肪酸やブドウ糖を供給する働きがあり、分泌量が多くなると体の細胞は脳の栄養のためにブドウ糖の消費を抑え、脂肪酸を優先的に使うようになります。
そのため、脂肪の分解が促進されて中性脂肪が減るのです。

おすすめ健康レシピ

おすすめレシピ1
レンコンとおからのハンバーグ

レンコンとおからのハンバーグ

レンコンやおからは食物繊維がたっぷり入っています。
食物繊維は消化を遅らせるため、食後の血糖値の上昇が緩やかにする働きがあります。
また、おからは良質のタンパク質とカルシウムが含まれ、豆腐や豆乳よりも栄養価が高い食品。
おからの食物繊維は胃の中で水分を吸って膨らむため、少量でも満足できて一石二鳥です!

管理栄養士・健康管理士からアドバイス

レンコンの旬は11~3月です。
おからは豆腐をつくるときにできますが、捨てられてしまうのが大半。
値段も安く栄養価も高いので、お財布も体も喜ぶ食品です。
おからやレンコンはコレステロール値を下げる食物繊維がたっぷり。
かさも増すためボリュームもでて、肉が少量でも満足できるレシピです♪

材料(2人分) 分量
合いびき肉 100g
おから 100g
レンコン(小) 1/2節
タマネギ 1/4個
大根おろし 1/4カップ
ポン酢しょうゆ 適量
大葉 2枚
(A)卵 1個
(A)塩 小さじ1
(A)こしょう 少々
(A)ナツメグ 少々

エネルギー(1人分):約250kcal

作り方

  1. レンコンは皮をむいてすりおろし、軽く水気をきります。タマネギはみじん切りにします
  2. フライパンを熱してサラダ油を小さじ1入れ、タマネギを透き通るまで炒め、そこにおからを合わせて炒め、粗熱を取ります
  3. ボウルに合いびき肉を入れ、粘りがでるまで混ぜたら、①のレンコン、②、Aを加えて混ぜ合わせ、2等分して形を整えます
  4. フライパンを熱してサラダ油を小さじ1入れ、④を並べ、中火で両面に焼き色がついたら、弱火にして蓋をし、4~5分蒸し焼きにします
  5. お皿に④を盛り付け、上に大葉、大根おろし、ポン酢しょうゆをかけていただきます

おすすめレシピ2
鶏肉とワカメとたっぷりきのこのスープ

鶏肉とワカメとたっぷりきのこのスープ

今回は、鶏肉とワカメ、3種のきのこを使ったレシピです。
鶏肉から良質なたんぱく質が摂取でき、また、ワカメときのこから食物繊維が摂取できます。
糖質制限がある方にもオススメのレシピです!ぜひ作ってみて下さい♪

管理栄養士・健康管理士からアドバイス

今回は、きのこ(しめじ・まいたけ・えのき)を使ったレシピです。
しめじは、カサが開きすぎておらず密集しているものが良品です。
軸が白く、太めでしっかりとしているものを選びましょう。
まいたけは、カサの色が濃い茶褐色で、肉厚なものが良品です。鮮度が落ちるとカサが湿ったようになります。
えのきは、全体がきれいな乳白色で、カサが小さめで開いていないものが良品です。変色していたり、べたついていないものを選ぶようにしましょう。
いずれのきのこもあまり日持ちしないため、2~3日で使い切るようにしましょう!

材料(3~4人分) 分量
鶏肉 150g
しめじ 100g
まいたけ 100g
えのき 50g
カットワカメ 適量
1000cc
鶏がらスープのもと 大さじ1
大さじ1
塩コショウ 少々
ごま油 小さじ1

エネルギー(1人分):約110kcal

作り方

  1. 鶏肉は一口大に切っておきます。
  2. しめじ、まいたけ、えのきは軸を落とし、ばらしておく。
  3. 鍋に水を入れ、沸騰したら1と2、カットワカメを入れる。
  4. 鶏がらスープのもと、酒を加え、塩コショウで味を調える。
  5. 全体に火が通ったら、ごま油を加えて完成!

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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