乾燥肌におすすめのレシピ

乾燥肌におすすめのレシピ

どうも最近肌が荒れて、かさかさしているような…。
そんなお悩みはありませんか?

『肌が乾燥している』とはどんな状態?

健康な皮膚には肌の潤いを保つ働きや、体に害を及ぼす異物の進入を防ぐ「バリア機能」が備わっています。
この働きに関わっているのが表皮の中の「角層」と呼ばれる部分です。
「角層」では次の3つで肌の潤いを保っています。

皮脂膜 汗腺からでる汗(水分)と毛穴からでる皮脂(油分)が混じり合ってできた薄いクリーム状の膜のこと。
水分の蒸発を防ぎ、外から加わる刺激を軽減します。
角質細胞間脂質 角質細胞の間には「セラミド」と呼ばれる脂質が存在しています。
「セラミド」は水分を吸収する効果があり、保湿柔軟性を維持しています。
天然保湿因子 アミノ酸や尿素からなる天然保湿因子が角層に存在し、水分を保持する働きをしています。

乾燥した肌は皮脂膜や角質が乱れて隙間ができ、その隙間から角質細胞間脂質や天然保湿因子が失われ、皮膚から水分が奪われてしまいます。
これが乾燥肌の状態です。

どんな症状があるの?

顔だけでなく足のすねや太もも、脇腹、腰なども乾燥します。
かさつきをそのまま放置しているとかゆみや刺激を感じやすくなり、かゆいところをひどくかいてしまうと赤みのある湿疹ができる場合もあります。

乾燥肌の原因は?

肌の乾燥の原因は大きく分けて先天性(遺伝など)のタイプと後天性(加齢や洗剤など)のタイプに分かれます。

先天性のタイプ

遺伝によるものです。肌質は遺伝する部分が多く、毛穴から分泌される皮脂量に影響します。

後天性のタイプ

生活環境や食生活、加齢などがこれにあたります。主に次のような原因があります。

加齢による機能低下

加齢によって女性ホルモンの分泌が低下すると、皮脂の分泌量が減少して、皮脂膜がつくられにくくなったり、角質細胞間脂質や天然保湿因子が減少し、水分が蒸発しやすくなったりします。
また、表皮の下にある真皮はコラーゲンやエラスチンといったタンパク繊維で弾力性を保ち、糖の一種であるヒアルロン酸で保湿性を保持しています。女性ホルモンはコラーゲン生成や新陳代謝に関与しているといわれており、加齢によって分泌量が減少することによりコラーゲンも減少し、その結果ヒアルロン酸の量も減少するため、乾燥を招きます。

空気の乾燥

空気の乾燥により、皮膚から水分が失われやすくなります。冬の外気や暖房器具によるものが多いですが、夏の冷房も湿度が低くなるため、注意が必要です。

気温の低下

人の体はホメオスタシスと呼ばれる恒常性機能が備わっており、体温など生体の状態が一定に保たれるようになっています。気温の低い冬は体温を低下させないために血管を収縮させます。その結果血液量が低下し、汗や皮脂の分泌量も減少してしまいます。

洗いすぎ

皮脂の少ない部位へ洗顔料や石けんの使いすぎると、過度に皮膚から皮脂を奪い、結果角質細胞がはがれたり、保湿に必要な角質細胞間脂質や天然保湿因子が流れ出たりしてしまいます。特に若い人に多く見られます。

栄養バランスの乱れ

欠食や無理なダイエットなどをして栄養のバランスが乱れると、皮脂分泌が減ったり、肌の新陳代謝がうまくいかなくなったりします。

どうしたら予防・対策ができるの?

先天性タイプの場合は根本的な治療は難しいかもしれませんが、スキンケアや生活習慣、生活環境を見直すことにより症状を軽減することは可能です。日々の食生活や環境を見直して、ケアしましょう。

食事

肌の乾燥を防ぐには角層からの水分の蒸発を防いで肌を潤す栄養成分をしっかりとることが大切です。
バランスのよい食事を心掛け、肌を乾燥から守りましょう。
皮膚はタンパク質でできています。肉や魚といったタンパク質は十分に取りましょう。

積極的に取り入れたい栄養素
栄養素 作用 主な食材
ビタミンA 皮膚や粘膜、角膜の保護 レバー、うなぎ、にんじん、ピーマン、春菊
ビタミンB2 炭水化物、脂質、タンパク質の代謝 魚介類、レバー、納豆、ほうれん草、卵
ビタミンB6 炭水化物、脂質、タンパク質の代謝 魚介類、レバー、鶏のささ身、バナナ
ビタミンE 抗酸化作用、血行促進 アーモンド、いわし、かぼちゃ、ごま
ビタミンC コラーゲンの生成
色素沈着の防止
ブロッコリー、キャベツ、じゃがいも

●ビタミンAは皮膚の粘膜の潤いを保ち、新陳代謝を促す働きがあります。不足すると皮膚表面の細胞がダメージを受けやすくなり、肌がかさついてしまいます。動物性食品に含まれるレチノールよりは、過剰症の心配の少ない植物性のβ‐カロテンがよいでしょう。

●ビタミンB2は細胞の再生や成長を促す働きがあるので、皮膚の新陳代謝に欠かせません。また抗酸化作用を持っており、肌の粘膜を保護する働きもあります。

●ビタミンB6はタンパク質の代謝に関わるビタミンで、肌を健康に保つ働きがあります。不足すると皮膚炎やにきびができやすくなります。

●ビタミンEは肌の老化を引き起こす過酸化脂質を分解する抗酸化作用を持っています。さらには血行を促進する働きもあり、新陳代謝を促します。

●ビタミンCはそのものが肌の乾燥に作用するものではありませんが、真皮にあるコラーゲンを生成する働きがあります。コラーゲンは皮膚の構造を保つ重要なタンパク質で、肌の中の水分を保つためにも大切です。

洗いすぎない

お風呂や洗顔などでは洗いすぎないようにしよう。
冬など空気が乾燥しているときは、汗や皮脂の分泌はあまり多くありません。
過剰に洗うと本来必要な皮脂や汗を奪ってしまいます。
お湯だけでも体の汚れは取れるので、あまりごしごし洗わないようにしましょう。

ストレスをためない

ストレスは自律神経を乱し、皮脂分泌のバランスを崩してしまいます。スポーツなどを上手に取り入れて、ストレスを解消しましょう。

保湿剤を塗る

保湿剤には、皮膚からの水分の蒸発を防いで皮膚に潤いを与えると同時に、低下した皮膚のバリア機能を改善する働きがあります。保湿剤はこまめに塗りましょう。

部屋の湿度に気を付ける

暖房で部屋の温度を高くし過ぎると、空気が乾燥しがちです。温度を低めに設定したり加湿器を使用したりして、部屋の湿度が下がりすぎないようにしましょう。夏の冷房でも部屋の湿度は下がるので、注意が必要です。

おすすめ健康レシピ

手羽先とブロッコリーのさっぱり煮

手羽先とブロッコリーのさっぱり煮

手羽先には肌の弾力を保つコラーゲンがたっぷり含まれています。皮膚の粘膜を守るビタミンA、コラーゲンを生成する働きを持つビタミンCたっぷりのブロッコリーを併せて、体をつくるアミノ酸たっぷりの酢と醤油で煮込みます。酢の効果で手羽先がとても柔らかく仕上がりますよ。

管理栄養士・健康管理士からアドバイス

ブロッコリーの旬は11~3月です。
ブロッコリーは皮膚の粘膜を守るビタミンA(β‐カロテン)とコラーゲンを生成するビタミンCが豊富に含まれています。
コラーゲンたっぷりの手羽先と一緒に食べて、肌を乾燥から守りましょう。

材料(4人分) 分量
手羽先 500g
しょうが 1片
(A)醸造酢 1/4カップ
(A)醤油 1/4カップ
(A)酒 1/4カップ
(A)はちみつ 大さじ1
(A)水 1/2カップ
ブロッコリー 1房
少々

作り方

  1. しょうがは薄切りに、ブロッコリーは食べやすい大きさに切ります
  2. 鍋を熱して手羽先を入れ、表面に焦げ目を付けます
  3. 余分な油を取ってから、②にしょうが、(A)を入れ、手羽先が柔らかくなるまで煮ます
  4. 別の鍋に水(分量外)を入れて火にかけ、塩を入れブロッコリーを固ゆでします
  5. ④をお皿に盛り、上から③を盛ってできあがりです

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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