ぎっくり腰におすすめのレシピ

ぎっくり腰におすすめのレシピ

ぎっくり腰ってどういうもの?

急に腰をひねったり、重い物を持ち上げようとしたときなどに強い腰痛が発生することをを俗に「ぎっくり腰」と呼んでおり、正式には、突発性腰痛症といいます。
どちらかといえば、20~40代と比較的若い人に起こりやすい傾向があります。
ぎっくり腰は、原因によりいくつかの種類が考えられます。

腰椎捻挫

主に重いものを持った時や、前かがみで物を取ろうとした時に腰に激痛が走るタイプです。
椎間関節や靭帯などに起こる小さな損傷のことです。

筋・筋膜性腰痛

筋肉を包んでいる筋膜というオブラートのような膜に炎症や亀裂が起きた状態です。
ぎっくり腰ではこれが一番多いようです。

椎間板症

骨と骨の間にある椎間板が圧迫されることにより起こります。
「どのようにしても腰が常に苦しい」状態にあるのが特徴です。

健康管理士からのワンポイント
『腰の構造』

腰は上半身と下半身をつなぐ役割を果たしていて、立っていても、座っていても腰には上半身の重さ(全体重の約6割)が全てかかってくるため、とてもしっかりした構造になっています。
われわれの背骨(脊柱)は、24もの椎骨という小さな骨が積み重なった構造をしています。
小さな椎骨はそれぞれ「関節」で結ばれていて、椎骨と椎骨の間には「椎間板」があります。
このため、背骨は曲がる・たわむなどの柔軟な動きが可能になっています。
背骨の周囲には腹筋や背筋があり、背骨全体を支えています。
その背骨のうち、腰にあたる部分が「腰椎」です。

どんな症状があるの?

腰痛の種類により症状は異なりますが、
電気が走るような鋭い痛み、力が入らないような痛み、鈍い痛み、激しい痛みなどが代表的なものになります。
ぎっくり腰の場合は、一瞬息ができなくなるほどの激しい痛みが腰に走り、動けなくなります。
また、腰の両側の筋肉が痛くなるのが特徴です。
ひどい場合は歩けなくなり、寝返りすら打てない状態になることもあります。

ぎっくり腰の原因は?

もともと腰は負担の大きい部分なので、ちょっとした動作がきっかけでぎっくり腰になることが多いのです。
たとえば、荷物を持ち上げたとき・朝の洗顔で前かがみになったとき・くしゃみをしたときなど…。
しかし、これはただのきっかけで、もともと腰を支える機能が低下していることがほとんどです。
腰を支える機能を損ねる原因としては、下記のものが考えられます。

筋肉の慢性疲労

少しずつ溜め込んだ筋肉疲労が、あるとき負荷の許容量を超えてしまい、腰痛として発症してしまった場合がこれに当たります。
睡眠不足や栄養バランスが取れていなかったり、運動不足や座りっぱなしの仕事を続けるなどしていると、筋肉疲労が回復することなく徐々に蓄積されていき、やがてぎっくり腰を招いてしまうことに…。

骨格の歪み

立ちっぱなしの仕事や座りっぱなしの仕事をしていると、長時間、限られた姿勢でいることが多くなってしまいます。
その結果、身体の柔軟性が失われていき、同じ骨格や筋肉だけを使うことになってしまいます。
そして、使わない筋肉と筋力のアンバランスを生み出し、骨格の歪みを招き、左右のアンバランスを生み出し、その周囲の筋肉への負荷をくわえていきます。
最終的に徐々に筋肉疲労が蓄積され、やがて発症につながります。

いきなりの過負荷

若い人や過度なスポーツを行う方に多いぎっくり腰の原因の1つです。
急に高いところから飛び降りた時や、横になっていて勢いよく起き上がった時、勢いよく振り返った時など、動きの急激な切り替えの時に、腰にいきなりの過負荷がかかってしまい、ぎっくり腰を起こすことに…。

何らかの病気

別の病気が原因の場合もあります。
感染症や急性膵炎や腎盂腎炎など内臓疾患、転移性骨腫瘍などが原因でぎっくり腰になることもあります。
急激な腰痛が出現した際はぎっくり腰だからと決めつけずに、医療機関を受診してしっかりとした診断と治療を受けることも必要です。

どうしたら予防・対策ができるの?

まずは、重い荷物を持ったり、中腰になるなどの動作をしないように気を付けましょう。
また、再発させないライフスタイルを送ることも重要なポイントです。
腰痛の予防の第一歩は、血行不良を改善することです。
そして、筋肉の緊張を増加させる心の緊張も緩和させるようにしましょう。

食事

腰痛を予防する栄養素をとるのも重要ですが、体重が重いと腰に負担をかけてしまい、腰痛が発生しやすくなります。
1日3食を栄養のバランスを心がけ、ゆっくりとよくかんで食べすぎは特に注意しましょう。

腰痛を予防する 栄養素
栄養素 作用 主な食材
カルシウム 骨の主成分となる 牛乳、チーズ、乳製品、ちりめんじゃこ
コラーゲン 骨の基礎をつくる、
細胞と細胞とを結合させる接着剤の役割
鶏手羽、魚や骨の皮、ゼラチン
ビタミンC コラーゲンの合成を助ける、
免疫力を高める、疲労回復
菜の花、小松菜、赤ピーマン、
オレンジ、いちごなどくだもの全般
タンパク質 筋肉の力をつける、
回復させる
牛肉、豚肉、鶏肉、卵、牛乳、
乳製品、魚、大豆、大豆製品
ビタミンD カルシウムの運搬、
取り込むために必要
さけ、かれい、きくらげ、にしん、
うなぎのかば焼、干ししいたけ

カルシウムは、骨の形成に欠かせません。吸収をよくするためにはビタミンDと一緒にとりましょう。
コラーゲンは、骨の基礎をつくり、細胞と細胞の隙間をうめる接着剤の役割を果たすため、骨の健康を保ち腰痛を防止するために欠かせない重要な栄養素です。
ビタミンCは、コラーゲンの合成を助ける働きがあるため、一緒にとることが大切です。
また、腰痛の痛みを緩和するためには、血行をよくして、新陳代謝を活発にし、体の中から温めるのが有効です。
血行をよくする栄養素は、しょうがの辛味成分のジンゲロン、ねぎやにらの硫化アリル、唐辛子のカプサイシンなどです。

姿勢に気を付ける

座りっぱなし、立ちっぱなしの同じ姿勢はなるべく避け、たまには少し歩くなどして腰の筋肉に刺激を入れるようにしましょう。
デスクワークも含め、仕事中は前かがみ(うつむき姿勢)になることが多いものです。
ずっと前かがみの姿勢でいると、骨盤が前傾した状態で骨盤・腰周辺の筋肉が硬くなり、筋疲労を起こしやすくなるので、注意しましょう。
家事などもかがむ機会は多いので、うまく膝を使って、腰の関節や筋肉への負担を軽減させたり、15cmくらいの台を使って股関節を軽くまげる姿勢にするなどの工夫をしましょう。

リラックス

疲労が重なることで腰の筋肉がこわばり、凝りが回復しにくくなります。
精神的な緊張も腰の安定性に悪影響を及ぼすので、体の力をしっかりとほぐせるように、心身ともにリラックスするための時間をつくりましょう。
日中の活動で活発化した神経の興奮を鎮ることも大切なので、一日の最後に横になって音楽や香りに包まれ、全身の力を抜ける時間と空間を作りましょう。

おすすめ健康レシピ

和風ポトフ -鶏手羽入り-

和風ポトフ -鶏手羽入り-

これからが旬を迎える、ビタミンCが豊富な大根とにんじんを使った和風ポトフです。
鶏手羽を入れて、コラーゲンがたっぷり溶け出したスープで、体の中から温めて腰痛も撃退しましょう。
薄味に仕上げたので、お好み薬味で一工夫しておいしくいただきましょう!

管理栄養士・健康管理士からアドバイス

大根の旬は11~12月です。にんじんの旬は11~1月です。
コラーゲンは、骨や筋肉など体の新陳代謝を活性化させる成分のため、コラーゲンの減少が腰痛の一因となっています。
また、体内でコラーゲンを合成するには、ビタミンCと一緒にとることが必要です。
今回は、そのコラーゲンを豊富に含む鶏手羽と、これからが一番おいしくビタミンCを豊富に含む野菜と一緒にポトフにしてみました!
血行をよくして体を温めるしょうがを入れるのがポイントです♪

材料(4人分) 分量
鶏手羽元 8本(400g)
大根 600g
にんじん 1本(120g)
みず菜 1わ(200g)
しょうが 1~2片
(A) 水 8カップ
(A) 酒 大さじ4
(A) 昆布茶(粉末) 大さじ1と1/3
お好みの薬味 各適量
 万能ねぎ(小口切り)
 粗びき胡椒
 いり白ごま
 ゆずこしょう など

作り方

  1. 大根は、2cmの厚さに半月切り、にんじんは1.5cmの厚さの輪切り、みず菜は5~6cmの長さに切り、しょうがは包丁でたたいておく
  2. 鍋に(A)を入れて煮立て、手羽元、1.の大根、にんじん、しょうがを加える
  3. 2.が煮立ったら弱火にし、あくを取りながら30分煮て、みず菜を加えてさっと火を通す
  4. 3を器に汁ごと盛り、お好みの薬味を添えて、できあがり

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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